- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- 赤単のバリエーション(スタンダード)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」
赤単のバリエーション(スタンダード)
ここ数年、アグロデッキと言えば赤! 継続して赤い新戦力が供給され続けており、スタンダードにて高い使用率をキープしている。昔から赤は速攻戦略に優れた色だったが、その最盛期がまさに今ではないか、そう思わされる勢いが今の赤いデッキにはある。
今の赤はただスピード勝負を挑むだけではない。
1.恵まれた火力
《魔術師の稲妻》《批判家刺殺》ら条件を満たせば1マナ3点になる《稲妻》の系譜と、《ショック》《稲妻の一撃》という安定感のある品揃え。
プレイヤーに飛ばなくても良いなら《溶岩コイル》、コントロールに効く《苦悩火》といった何かに特化したものがある点も良し。
2.低マナ域クリーチャーの質
《ギトゥの溶岩走り》《ヴィーアシーノの紅蓮術士》と、軽くてダメージ効率が良くて、かつ《魔術師の稲妻》を1マナで運用できるウィザードな点が◎なクリーチャーが揃っている。
3.中堅どころにカード1枚分以上の働きを見せるものが多い
《ゴブリンの鎖回し》という全体除去、除去1枚で沈まない《再燃するフェニックス》など、3・4マナのクリーチャーも一方的な損をしにくいもので固められており、早期決着とならなかった際に心強い。
4.攻め手が尽きない
これ、この点が今の赤の恐ろしいところ。《実験の狂乱》《危険因子》によりドローや疑似的なドローなどアドバンテージを獲得できて、赤単特有の「手札を使い切るまでに20点のライフを削り切れずに息切れ」というゲーム展開になりにくい。毎ターン火力が撃てればそりゃ強い。
ざっとこれだけ、強い要素がある。『ラヴニカの献身』では1と4が強化された。特に4、アドバンテージ面。《舞台照らし》という1マナで実質2枚ドローの登場により、赤単はよりアグレッシブなゲームプランを取れるようになった。
方々で言われているように、先攻の場合、1マナクリーチャーとこれが手札にあれば土地が1枚しかない手札でもキープしやすくなった。攻めるカードを詰め込んで、後半引いても価値の薄い土地を可能な限り減らした構築をしている赤単にとって、土地1枚の手札はキープしたいが、実際にすると2枚目以降が引けずに負けてしまう、という悩みがあったのだが、《舞台照らし》はその問題の解決策になり得る。
ただでさえ《実験の狂乱》や《危険因子》、あとは《ケルドの炎》などで手札切れに強かったデッキが、またひとつその部分を強化されたってんだから、そりゃあ環境の上位に君臨するデッキにもなろうというもの。
ただこの赤単、使用率は高くとも決して全員が同じリストを使っているというわけではない。そこには使用者の好みなどによって、微妙な違いがある。
今日はその赤単の中でも、2つのバリエーションを紹介しよう。あなたの好みはどちらかな?
20 《山》 -土地(20)- 4 《狂信的扇動者》 4 《ギトゥの溶岩走り》 4 《ヴィーアシーノの紅蓮術師》 4 《ゴブリンの鎖回し》 -クリーチャー(16)- |
4 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 1 《溶岩コイル》 4 《舞台照らし》 4 《批判家刺殺》 4 《魔術師の稲妻》 3 《危険因子》 -呪文(24)- |
3 《静電場》 3 《溶岩コイル》 3 《焦熱の連続砲撃》 2 《反逆の行動》 2 《直流》 1 《危険因子》 1 《実験の狂乱》 -サイドボード(15)- |
《舞台照らし》が手に入ったので設置に4マナ必要な《実験の狂乱》を用いず、その分土地を最小限の20枚に抑えてより軽量化に成功した形で、今の赤単のより主流なタイプである。
前環境末期には《実験の狂乱》と相性が良くないため、そちらが主流となったためにあまり使われることのなかった《危険因子》が《舞台照らし》の登場により再びスポットライトを浴びている。とにかくダメージ第一主義、すべてのカードを前のめりに相手のライフに殺到させ、《危険因子》でさらに追い打ちをかけ、《舞台照らし》で攻め手を切らさず、《危険因子》を再活でおかわりして最後の数点を削るためのカードをかき集める……プレイングの難度も高くなく、初心者にもオススメできるシンプルな強デッキ。
サイド後には《静電場》で地上を止めて《溶岩コイル》《焦熱の連続砲撃》などのクリーチャー除去専門火力を増やしてそれらへの耐性を上げつつ、本体にもきちんとダメージを通して絢爛を達成できるようになっている。
21 《山》 -土地(21)- 4 《ギトゥの溶岩走り》 4 《遁走する蒸気族》 4 《ヴィーアシーノの紅蓮術師》 4 《ゴブリンの鎖回し》 -クリーチャー(16)- |
4 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 4 《舞台照らし》 4 《批判家刺殺》 4 《魔術師の稲妻》 3 《実験の狂乱》 -呪文(23)- |
4 《静電場》 4 《溶岩コイル》 2 《火による戦い》 1 《実験の狂乱》 1 《ヴァンスの爆破砲》 2 《苦悩火》 1 《山》 -サイドボード(15)- |
こちらは《実験の狂乱》型。《危険因子》はカードが3枚引ける可能性があるが、そのドローのモードを選ばれてしまうと、手札からカードをプレイできない《実験の狂乱》下では何もしないカードとなってしまう弱点がある。その点、《舞台照らし》は手札ではなく追放領域にカードを置いておいて一時的に使えるようにする効果なので、これらは共存させることが可能だ。狂乱を設置するには4マナ必要なので、そのための土地をかき集めるという意味でも、この2枚の相性はすこぶる良い。
また、こちらのタイプには狂乱と相性の良い《遁走する蒸気族》が入っている。
これを2体以上並べて、狂乱でめくったカードをガンガンとプレイする。その爆発力がこのタイプの売りで、より長期戦を見据えている。この組み合わせはコンボと言っても良いだろう。ライフも20あるしまだまだ大丈夫……と思っていたら1ターンで削りきられてしまったのは良い思い出である、皆も油断しないように(笑)。
こちらのタイプもサイド後には《静電場》と除去を水増しして戦うことができる。このプラン、対同型にも強いので重宝されている。タフネス4の壁として立ちはだかり、火力で除去されてしまってもその分こちらの本体に飛ぶものが減っているのでお仕事は果たしてくれているし、生き延びれば固定砲台として5~6点ぐらい削ってくれることだろう。対同型が難しいと思っている方には試してほしい。
赤単の良いところは、レア土地を必要としないところ。これらを集めるのは大変だという方や、マジックを始めたばかりで多色デッキを扱いきれるか不安な方には、ぜひこれらのデッキを手に取ってほしい。細かいところは各自でしっくりくるように調整して、自分流の赤単アグロ道を突き詰めてもらえれば嬉しいね。
対策する側もリストをしっかり把握して、蒸気族が出てきたら狂乱型の可能性が高い……とか意識しながらプレイすると勝率が上がるかも?
RANKING ランキング
NEWEST 最新の読み物
-
2024.11.15戦略記事
今週のCool Deck:イゼット厄介者で機織りの季節を楽しもう(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.15お知らせ
MTGアリーナニュース(2024年11月11日)|お知らせ
-
2024.11.15広報室
すべての基礎となるスタンダード対応セット『ファウンデーションズ』本日発売!関連キャンペーンも開催|こちらマジック広報室!!
-
2024.11.14戦略記事
とことん!スタンダー道!ゴルガリ・ランプと『ファウンデーションズ』の注目カード(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.14読み物
第50回:『ファウンデーションズ』統率者ピックアップ|クロタカの統率者図書館
-
2024.11.13戦略記事
墓地を貯めて大ダメージを狙え、ジャンド昂揚(モダン)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事