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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
アタルカ・レッド(モダン)
『ラヴニカの献身』が発売されたことによる「嬉しいこと」。それは人それぞれ、マジックプレイヤーの数だけ喜びがあるだろう。ただその中で、こう思っているプレイヤーは少なからずいるんじゃないだろうか、「ショックランドの再録が嬉しい!」と。
2点のライフを損失する代わりにアンタップ状態で戦場に出る、2つの基本土地タイプを持った2色土地のサイクル。2点喰らうということで《ショック》になぞらえてこう呼ばれている強力な土地たちは、『ラヴニカのギルド』『ラヴニカの献身』で3度目のセット収録となる。
これらの土地はすでに、モダンではその色のデッキを組むときにはぜひとも使いたいカードで、昔からやっているプレイヤーにとってはそうでなくても、近年マジックを始めてルールにも慣れ、モダンをやってみたいと興味を持っていたプレイヤーにとっては大きな朗報だったことだろう。スタンダードでも強くてかつ他のフォーマットをプレイするきっかけになるカードが現行セットのパックから出てくる。これは皆が幸せになれる、素敵なこと。
ではモダンをはじめようと思ったプレイヤーはどんなデッキを組めばいいか? うーん、例えばこんなデッキはどうだろうか。ショックランドだけではなく、最新のカードも採用されているリストを紹介だ!
3 《冠雪の山》 2 《踏み鳴らされる地》 1 《聖なる鋳造所》 3 《乾燥台地》 4 《沸騰する小湖》 3 《血染めのぬかるみ》 4 《銅線の地溝》 -土地(20)- 4 《ボーマットの急使》 4 《ゴブリンの先達》 4 《僧院の速槍》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(16)- |
4 《溶岩の撃ち込み》 4 《稲妻》 4 《アタルカの命令》 4 《焼尽の猛火》 4 《裂け目の稲妻》 4 《批判家刺殺》 -呪文(24)- |
2 《渋面の溶岩使い》 2 《流刑への道》 4 《破壊的な享楽》 3 《安らかなる眠り》 2 《灼熱の血》 2 《極上の炎技》 -サイドボード(15)- |
これは4年ほど前のスタンダード環境に存在した「アタルカ・レッド」というデッキのモダン版だ。アタルカとは《アタルカの命令》のこと。
4つのモードから2つを選んで使える臨機応変な赤緑の2マナインスタントで、これがまあ組み合わせによっては対戦相手のライフを一瞬で消し飛ばしたり回復を防いだりと、攻め攻めなデッキではとにかく使い勝手の良いダメージ源だった。そのために生まれた、赤単に緑をチョイ足ししたビートダウンデッキだ。
一時期はスタンダードでも最強格のデッキとして隆盛を誇ったこのデッキ、時を経てこのタイミングでモダンにてポテンシャルを発揮するとは、当時を知る人間としてはなんだか嬉しくなってくる。《ボーマットの急使》など近年誕生した優秀な軽いクリーチャーを使える点も強みであり、モダンの「バーン」デッキとかなり似通った面もありつつ、《神聖の力線》のようなプレイヤーを火力から護るカードを用いられても、「だったら《アタルカの命令》でクリーチャーを強化して殴ればいいや」という、勝る点も持ち合わせているのがこのデッキの魅力だ。
新カードからは、そんな兄弟分である「バーン」に投入されることも期待されている《批判家刺殺》が投入されている。
1マナ3点シリーズの新たなお友達! スタンダードでダブル《稲妻》コンビを結成して赤いデッキの隆盛に一役買っているこのカード、このデッキではなんと元祖《稲妻》、そして《溶岩の撃ち込み》《裂け目の稲妻》とともに稲妻カルテットというとんでもない火力陣を実現させている。1マナ速攻持ちも多数いるので、絢爛達成は余裕だ。火力を撃ち込み、そしてクリーチャーで殴り、《アタルカの命令》本体3点+クリーチャー全員+1/+1で押し込んであっという間に勝利! 気持ち良いこと間違いなしで、モダン初心者にも扱いやすいデッキだと思うよ。
サイドボードには《破壊的な享楽》が4枚採用されている。
先にも挙げた《神聖な力線》、それに《虚空の杯》といったこのデッキのアンチカードへの対策になり、かつ他のややこしいコンボデッキへの妨害もしつつ、バーン系デッキのやりたいこと・本体にダメージを与えることも忘れないグッドカードだ。
ただ、このカードはせっかく採用したのに思いのほか相手がこれの対象になるカードを引かなかったりで出して来ず、結果唱えることなくゲームエンド……なんてことも無きにしもあらず。
そこで、せっかくだから新カードからもう1種、《燃えがら蔦》を併用してみる、というのはどうだろうか。
生け贄に捧げれば享楽と同じ効果が得られ、すなわち先置きしておけて2枚揃った即終わりなコンボへの牽制にもなりそう。そして非クリーチャー呪文を唱えた対戦相手に1点のダメージを与える、というオマケ効果は、モダンに数多くある呪文を連打するデッキへの強烈なアンチテーゼとして機能することだろう。
もっぱらモダン専門というプレイヤーも、『ラヴニカの献身』のカードを改めて見直すと思いもよらぬ新戦力が見つかるかも? いろいろ試して、新セットを骨の髄まで満喫しよう!
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