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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
プテラ!カマキリ!フェニックス!(レガシー)
シミックというギルドはやんちゃである。生物の良いところを掛け合わせたハイブリッドを増産しているのだが、特撮番組の怪人やドB級モンスター映画に出てくる怪獣のようなものばかり生み出している。ワニとカメとカニとか、サメとタコとカニとか、エルフとカニとか……蟹好きか!
これらハイブリッド生物の中でも、マジックプレイヤーの注目を特に集めたのは《プテラマンダー》だ。
プテラとあるが、プテラノドンというわけではなく翼を持つもの=ドレイクとサラマンダーをミックスしたものだ。サラマンダーとはサンショウウオのことで、マジック的にはイモリなど尻尾がある両生類をこのタイプで一括りにしている。
ドレイクとサラマンダーを掛け合わせるとどういうメリットがあるか? とりあえずはドレイクの翼を受け継いで空が飛べる。その機動性にサラマンダーの生命力の高さを併せ持つことになるのだが、これはカードでは順応能力で表現されている。+1/+1カウンターを4個も一気に得てしまう能力だが、そのコストは墓地にあるインスタントとソーサリーの枚数分だけ少なくなる。これを見て多くのプレイヤーがこう思った、「これは飛んでる《グルマグのアンコウ》だ!」
アンコウと言えば探査能力を活かして1~2マナで唱えられる5/5ということでレガシーにて多くのプレイヤーに愛用されている名クリーチャーだ。生け贄に捧げて墓地に落ちる《不毛の大地》や《汚染された三角州》などのフェッチランド、そして1マナのインスタントとソーサリーを詰め込んだデッキでは、このアンコウを唱えることはいともたやすく行われる。だったら《プテラマンダー》も同じように運用できるのでは? これは自然な考えだろう。
実際のところ、土地などのカードはカウントできないのでアンコウを使っているデッキにそのまま投入、というわけにはいかず構築には少し工夫を要する。ただアンコウと違って、コストを軽くするのに墓地のカードを追放する必要はない。固め引いても連打できるという強みがあり、これは試してみる価値がある。
Magic Onlineで『ラヴニカの献身』が先行リリースされた初日、早速このカードを使ったデッキが登場したので紹介しよう!
1 《島》 1 《山》 4 《Volcanic Island》 4 《沸騰する小湖》 4 《汚染された三角州》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《プテラマンダー》 4 《弧光のフェニックス》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 4 《定業》 4 《思考掃き》 4 《入念な研究》 4 《稲妻》 4 《魔力変》 2 《目くらまし》 4 《意志の力》 -呪文(30)- |
1 《イゼットの静電術師》 1 《硫黄の精霊》 2 《外科的摘出》 2 《狼狽の嵐》 2 《蒸気の絡みつき》 2 《紅蓮破》 1 《真髄の針》 2 《削剥》 2 《乱暴 // 転落》 -サイドボード(15)- |
いわゆる「青赤デルバー」の新たな形だ。
デルバーこと《秘密を掘り下げる者》はシミックに負けず劣らずの人間とカマキリのハイブリッド! 《プテラマンダー》と《昆虫の逸脱者》が宙を舞う光景は、ぜひともポップコーンをむさぼりながらスクリーンで観てみたい。
このデルバーを《意志の力》《目くらまし》で守りながら素早く殴りきるデッキに、《プテラマンダー》の能力起動のために墓地にカードを貯めることのできる《思考掃き》《入念な研究》を搭載してある。
手札の量的なアドバンテージは得られないが、これらの呪文を連打してデカい飛行クリーチャーを並べてサクッと勝とうという魂胆だ。
「インスタント&ソーサリー」「墓地を肥やす」というキーワードから自ずと思い浮かぶのが《弧光のフェニックス》。
このデッキではプテラ、デルバーに続く第3のアタッカーとして、この引っ張りだこ速攻飛行クリーチャーがしっかりと採用されている。より早く、最速2ターン目からブンブンさせるためにも《魔力変》も搭載されており、見た目以上にスピーディーにゲームを終わらせられるように仕上がっているぞ。
ただ、当然のことながら従来の「青赤デルバー」と比べて、墓地対策が厳しくなっている点には注意。フェニックスや「リアニメイト」系のデッキが目立つと、プレイヤーたちはこれへのガードを高くするのは必然。特に《虚空の力線》には対処が難しいので、これらを手札に戻すバウンス系のカードを用意しておくか、墓地に依存しないクリーチャーを待機させておくことを意識すると良いだろう。あるいは《発展の代価》のような火力を増やしてバーン戦略で勝てるようしておくと良いかもしれないが、より一層構築が難しくなりそうだ(笑)。
フェニックス、プテラマンダーとレガシーにまでインパクトを与えるポテンシャルのあるクリーチャーが連続して登場したのは嬉しいことだね。もちろんこれらが共演するスタンダードのデッキもこれから多数見ることになるだろう。全フォーマットを駆け抜ける名コンビとなるのだろうか!?
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