READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ノリンはビビりながら発明する(モダン)

岩SHOW

 ノリンというキャラクターはマジックの最初期からその名を見ることが出来る。『アルファ版』および『ベータ版』の《翡翠像》のフレイバーテキストに登場し、石像に触れと言われてもそれを拒否したことを語っている。そう、彼は滑稽なほどまでに極端な臆病者である。

 何をするにも石橋を叩いて渡るそのキャラクターをカード化したものが《二の足踏みのノリン》。

 1マナ2/1とサイズ自体は悪くないが、いずれかのプレイヤーが呪文を唱えるかクリーチャーで攻撃すれば戦場からいなくなってしまい、ほとぼりが冷めたターン終了時に帰還する。つまりは絶対に戦闘に参加できないクリーチャーとしてデザインされている。

 本来なら何の使い道もなさそうなカードだが、そこは膨大なカードを携えるマジック。このように出入りしてくれるクリーチャーで恩恵を受けられるカードは無数にあり、中でも相性の良い《魂の管理人》などと組み合わせて毎ターンライフを回復しまくる「ノリン・シスターズ」はモダン環境における通好みの名デッキとして知られている。

 このノリンが活躍するデッキに、とんでもないカードを投入した進化形が誕生したので紹介させていただこう。ノリンは赤、回復クリーチャーたちは白なので、赤白の2色で組まれることが多いデッキに……追加されたのは、3色目でかつトリプルシンボルゥ!?!?

TheNobodys - 「ノリンの発明」
Magic Online Competitive Modern Constructed League 5勝0敗 / モダン (2018年12月20日)[MO] [ARENA]
3 《
1 《平地
1 《神聖なる泉
1 《蒸気孔
1 《聖なる鋳造所
4 《溢れかえる岸辺
1 《霧深い雨林
1 《吹きさらしの荒野
3 《金属海の沿岸
3 《尖塔断の運河
2 《感動的な眺望所
-土地(21)-

4 《二の足踏みのノリン
2 《ボーマットの急使
2 《魂の管理人
3 《オーリオックのチャンピオン
-クリーチャー(11)-
1 《オパールのモックス
4 《ミシュラのガラクタ
4 《信仰無き物あさり
1 《真髄の針
4 《起源室
4 《飛行機械の鋳造所
1 《罠の橋
1 《クラーク族の鉄工所
4 《発明品の唸り
4 《弱者の剣
-呪文(28)-
1 《エーテル宣誓会の法学者
1 《呪文滑り
1 《練達飛行機械職人、サイ
1 《トーモッドの墓所
1 《流刑への道
2 《減衰球
3 《ギラプールの霊気格子
1 《拘留の宝球
1 《罠の橋
1 《残骸の漂着
2 《摩耗 // 損耗
-サイドボード(15)-
 

 まさかの《発明品の唸り》!

 モダンにおいてアーティファクトを用いるロックデッキ各種で大活躍中のサーチカードがこのデッキには投入されている。そもそもクリーチャーが多数出てくる「ノリン・シスターズ」と、アーティファクトが並ぶことで強さを増すこのサーチ呪文の間に、噛み合う要素なんてあるのか?というのが最初のクエスチョン。答えは、「実はある」!

 「ノリン・シスターズ」は毎ターンただノリンが逃げて帰ってだけではライフ回復量は爆発的な数字にはならない。そこで、ノリン帰還時に能力が誘発してトークンを生成する《起源室》を併せて使う。

 このアーティファクトはマイア・トークンを生み出してブロッカーを用意してくれながら、《魂の管理人》《オーリオックのチャンピオン》などの能力を誘発させて回復させてくれる。相手のクリーチャーにもマイアがお供についてくるようになるが、たかが1/1が出てくるだけで3点も4点も回復すればデメリットどこから大メリットとなる!ってな寸法で必須パーツと言えるだろう。「ノリン・シスターズ」を支える《起源室》をサーチする、あるいはそれ自身とトークンをタップして運用できる……そういうわけでこのデッキには《発明品の唸り》が搭載されているのだ。

 せっかく唸りを使うのだからということで、このデッキにはもう1つ大量トークン生成&ライフ獲得のコンボが仕込まれている。《弱者の剣》と《飛行機械の鋳造所》だ!

 鋳造所の能力で剣を生け贄に捧げて、飛行機械・トークンを生成する。このトークンのパワーは1なので、墓地にある剣の能力が誘発して飛行機械に装備される。この戻ってきた剣をまた割って飛行機械を……という動きをマナが許すだけ繰り返してライフをゴリゴリ回復させながら1/1飛行を出しまくる! 《クラーク族の鉄工所》が加わればマナが尽きることが無くなり、無尽蔵にライフを回復することができるようになってゲームエンドだ。往年の名コンボがまさかのノリン組と融合!

 攻めるデッキにノリンシステムで耐えて、マイアが並んだら唸りから一気にゲームを決めに行けるようになっている。攻めのデッキ相手には強く立ち回ることができるだろう。とにかくパーマネントがガチャガチャ動いて楽しく、また唸りのおかげでサイドボードにアーティファクトをいろいろと採用できるのもギミック愛好家にはたまらない。

 変なデッキで新年のスタートが切りたいなら、二の足踏まずにこのデッキを参考にしてほしいね!今年もマニア向けのデッキ、どんどん生まれてほしい!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索