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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ナヤ・ランプ(スタンダード)
僕個人が好きなマジックの戦略の1つは、「ランプ」や「ビッグマナ」と呼ばれるもの。相手よりもたくさんのマナを得られるようにして、コストの重い=強力なカードを叩きつけて優位に立つ……適当、大雑把にも見えるかもしれないが、圧倒的なパワーで踏みつぶす快感は何にも代えがたい。
それに雑なことをやっているように見えても、そういったデッキの構築には細かな配慮が必要だ。ランプと呼ばれるデッキを構成するのは以下の通り。
1:マナを伸ばすカード
これがなくては始まらない。緑にはライブラリーから土地を直接戦場に出す呪文が複数ある。現スタンダードでは《灰からの成長》《迂回路》が確実性が高く、また土地を2枚持ってきて、パワフルなカードをより早くプレイすることを可能にしてくれるため最優先で採用される。
2:除去
緑の相方を何色にするかでこの枠を担うカードが変わってくる。この枠を1枚も用いないランプデッキはただのサンドバッグとなってしまうので成立しないと考えた方が良い。
現スタンダードでは白黒赤の3色に優秀な除去が多数あるため、ランプデッキもいずれか、あるいは複数これらの色を組み合わせたものになっている。単体のクリーチャーやパーマネントを対処するカードよりは、まとめて吹っ飛ばす全体除去が優先される。
3:フィニッシャー
とにかく強いことがテキストに書かれているカードを使おう。そのためのランプ戦略、遠慮はいらない。相手のカード1枚で簡単に対処されないもの、あるいは戦場に出ただけで仕事をする類のクリーチャーやプレインズウォーカーが望ましい。
フィニッシャーと除去の色の兼ね合い、各カードの採用枚数のバランス……適当に組んではこのあたりはうまくいかない。実際に今のスタンダードで用いられている、ナヤ・カラー(赤緑白)のランプデッキを見てみよう。
3 《山》 2 《森》 2 《平地》 4 《根縛りの岩山》 4 《聖なる鋳造所》 1 《ボロスのギルド門》 4 《寺院の庭》 3 《陽花弁の木立ち》 1 《セレズニアのギルド門》 2 《オラーズカの拱門》 -土地(26)- 2 《不和のトロスターニ》 3 《ペラッカのワーム》 1 《原初の災厄、ザカマ》 -クリーチャー(6)- |
2 《アゾールの門口》 2 《魔学コンパス》 2 《宝物の地図》 4 《灰からの成長》 3 《轟音のクラリオン》 4 《迂回路》 3 《大集団の行進》 2 《浄化の輝き》 2 《不滅の太陽》 3 《絶滅の星》 1 《苦悩火》 -呪文(28)- |
2 《アダントの先兵》 2 《秋の騎士》 4 《殺戮の暴君》 2 《封じ込め》 1 《イクサランの束縛》 1 《残骸の漂着》 1 《絶滅の星》 2 《苦悩火》 -サイドボード(15)- |
グランプリ・リール2018で上位に入賞したリストだ。特徴的なのはメインサイド併せて4枚採用された《絶滅の星》!
土地1枚破壊+クリーチャー&プレインズウォーカーに20点というド派手な盤面掃除カードを用いるというのがこのデッキのメインコンセプトだろう。ゴルガリが多数存在するトーナメントを想定して作られており、クリーチャーとプレインズウォーカーで盤面を固めて勝つという同デッキのコンセプトをたった1枚で吹き飛ばしてしまう、ある意味でフィニッシャーも兼ねているとも言える超大ソーサリーだ。
これと《轟音のクラリオン》《浄化の輝き》で盤面をリセットしつつ、クリーチャーで反撃するデッキだが……《不和のトロスターニ》《ペラッカのワーム》《原初の災厄、ザカマ》はいずれも除去耐性が高いカードではない。
だがこれらのカードの狙いは、主にライフを回復することにある。対処されてしまっても奥の手があるから構わないのだ。
その奥の手とは《アゾールの門口》。
序盤は《宝物の地図》などと同じく、ドローの質を高めるために用いる。これらで除去とマナを伸ばす手段をバランスよく得ながらコントロールしていって、最終的に《アゾールの門口》が《太陽の聖域》に変身すれば……そこから得たありったけのマナを《苦悩火》《大集団の行進》を注いで勝つ!というわけ。
どちらのカードも、いざとなれば除去、ブロックに用いることができる点で無駄がないのも重要なポイント。
2 《山》 4 《森》 2 《平地》 4 《根縛りの岩山》 2 《聖なる鋳造所》 1 《断崖の避難所》 4 《寺院の庭》 4 《陽花弁の木立ち》 3 《オラーズカの拱門》 -土地(26)- 4 《殺戮の暴君》 -クリーチャー(4)- |
4 《魔学コンパス》 4 《雷群れの渡り》 3 《封じ込め》 2 《希望の夜明け》 4 《轟音のクラリオン》 2 《楽園の贈り物》 4 《迂回路》 3 《残骸の漂着》 2 《イクサランの束縛》 1 《不滅の太陽》 1 《絶滅の星》 -呪文(30)- |
2 《貪る死肉あさり》 2 《秋の騎士》 2 《軍勢の戦親分》 2 《切り裂き顎の猛竜》 2 《レギサウルスの頭目》 2 《溶岩コイル》 2 《焦熱の連続砲撃》 1 《苦悩火》 -サイドボード(15)- |
もう1つサンプルリストを。このランプデッキはメインでは《殺戮の暴君》で勝つというのがコンセプトで、これを4枚採用するシンプルな作り。
サイド後には恐竜を中心としたクリーチャーを追加して中速デッキとしても立ち回れるようになっているのだが、そうやって恐竜を採用することで《雷群れの渡り》を使用できるようになっている点が魅力だ。
これで2マナから次のターンに4マナにジャンプし、そこからさらに《迂回路》で……というランプ系デッキの理想的な動きが可能となっている。
《魔学コンパス》を重視し、これで絶えず土地を得ながら《オラーズカの尖塔》に変身させて相手のクリーチャーを完封することも狙っている。
サブフィニッシャーである《希望の夜明け》はカードも引けるし、延命手段としても頼もしい。《楽園の贈り物》と相性が良い点もGood!
というわけで個人的に推しデッキである「ナヤ・ランプ」を紹介したが……どうだったかな? 心に響いたのであればデッキを作ってみてほしいね! ナヤに限らず、ランプは良いぞ!
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