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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:3人チーム構築戦組み合わせ例 その3(スタンダード・モダン・レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:3人チーム構築戦組み合わせ例 その3(スタンダード・モダン・レガシー)
by 岩SHOW
今週はグランプリ・京都2018直前ということで、実際にチーム構築戦で活躍したデッキ、トーナメントにて優秀な成績を残したデッキを3つ束ねた例と紹介してきた。今日はこのシリーズのトリということで......「こだわりチームデッキ」の一例を紹介しよう。
3人チーム構築戦はカードプールが共有ではないので、構築は自由そのもの。3つのフォーマットでどんなデッキの組み合わせも可能で、それこそパターンは無限大! どんなチームとも違う、自分たちだけのスタイルで参加し、グランプリを忘れられない思い出にする。そういうエンジョイスタイルも応援したいね。
もしも僕がチーム3人のデッキを決めることになったとしたら、こういうのはどうかと提案したいものがある。それが「同じ色の単色デッキ×3」! どのフォーマットも多色のデッキが活躍する中で、チーム3人が同じ色の単色デッキでビシッと統一コーディネイト......シブいよね。個人的には黒単×3で三連星気分に浸ってみるなんて楽しそうだなぁなんて。
そんなわけで、今日は完全に趣味に走った「黒単チームを組む際の一例」のご紹介! ネタに走っているだけじゃなく、どのデッキもちゃんと勝てるものなのがポイント!
スタンダード
14 《沼》 4 《イフニルの死界》 1 《屍肉あさりの地》 -土地(19)- 4 《戦慄の放浪者》 4 《欲深い悪漢》 4 《夜市の見張り》 4 《敵意ある征服者》 4 《光袖会の収集者》 4 《屑鉄場のたかり屋》 2 《遺跡の略奪者》 3 《ホネツツキ》 -クリーチャー(29)- |
4 《致命的な一押し》 3 《超常的耐久力》 2 《板歩きの刑》 3 《霊気圏の収集艇》 -呪文(12)- |
3 《帆凧の掠め盗り》 4 《強迫》 3 《過酷な精査》 2 《渇望の時》 1 《魔術遠眼鏡》 2 《橋上の戦い》 -サイドボード(15)- |
ここしばらく、スタンダード環境で一定数の使用者を確保し続ける人気のマイナーデッキ(矛盾した表現だな)、黒単色の機体デッキ。機体デッキと言っても、このデッキでは《霊気圏の収集艇》のみが採用されているため「黒単アグロ」と表現した方が良いかもしれない。
1マナクリーチャーがズラリ16枚! そのどれもが1マナで実質2点分の打点と換算できる能力を持っている。これらを1~2ターン目にばらまいてパンチパンチ。
2マナ圏も《光袖会の収集者》に《屑鉄場のたかり屋》と、打点とカード1枚分以上の働きをする力持った頼もしいヤツらで、これらでもパンチパンチ。
収集者と《遺跡の略奪者》で追加のドローも得ながら、途切れない攻めで走り抜けることが理想である。そのために黒が誇る軽い除去で道を開き、《超常的耐久力》で無理やりこじ開け、《霊気圏の収集艇》《ホネツツキ》で空からも攻める。
相手の残りライフが数点になったら収集艇に《夜市の見張り》を乗り込ませてライフを吸う、「乗り込めWIN」が狙えるのも強みだ。
全ラウンド、ブン回すぞ!という覚悟が完了したのであればぜひ。毎日近くの神社にでもお参りに行って日ごろの行いを良くしておこう(今からじゃ間に合わんか)。
モダン
13 《沼》 1 《血染めのぬかるみ》 4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 4 《変わり谷》 1 《廃墟の地》 -土地(23)- -クリーチャー(0)- |
4 《コジレックの審問》 4 《カラスの罪》 3 《思考囲い》 2 《葬送の魔除け》 4 《金切り声の苦悶》 4 《拷問台》 3 《致命的な一押し》 4 《小悪疫》 2 《集団的蛮行》 2 《精神ねじ切り》 1 《バントゥ最後の算段》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(37)- |
1 《致命的な一押し》 4 《太陽のしずく》 4 《狂乱病のもつれ》 2 《バントゥ最後の算段》 4 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
「8 Rack」! 個人的にお気に入りの激シブデッキの代表格だ。このコラムで取り上げたことあったっ気かなと思って振り返ってみたら、過去最高クラスのテンションで紹介していた。
序盤から手札破壊を連発し、相手にやりたいことをさせない。普通はこれだけだとゲームが長引きはすれど勝利できるというわけではないのだが、このデッキは《拷問台》と《金切り声の苦悶》という軽いパーマネントを設置しながらそれを行うことで速やかに勝利に迎えるように作られている。
《貴族の教主》など1ターン目からクリーチャーを展開してくる相手への、先手2ターン目《小悪疫》は残忍なまでの強さを発揮する。
相手のクリーチャー除去は全く仕事をしないという構築段階から優位に立てるマッチアップもあり、またこのデッキと当たるという予測もされていないだろうから対戦相手からすればたまったもんじゃんないデッキの1つである。
いいとこばかり紹介したが、ドロー手段が皆無であるため勝ち手段である8枚の置物を全く引けずに負けてしまうということもある。安定して勝ち越し、というよりは大勝 or 惨敗系のデッキだが、チーム戦であればこれぐらいやんちゃなデッキを採用した方が良い結果に繋がるかもしれない。
レガシー
21 《沼》 4 《Lake of the Dead》 1 《陰謀団の貴重品室》 -土地(26)- 2 《群れネズミ》 1 《ファイレクシアの抹消者》 4 《墓所のタイタン》 2 《虐殺のワーム》 2 《ワームとぐろエンジン》 1 《グリセルブランド》 -クリーチャー(12)- |
3 《致命的な一押し》 3 《コジレックの審問》 3 《思考囲い》 4 《トーラックへの賛歌》 2 《夜の囁き》 1 《毒の濁流》 3 《生命吸収》 1 《殴打頭蓋》 2 《死の権威、リリアナ》 -呪文(22)- |
1 《ファイレクシアの抹消者》 1 《グリセルブランド》 3 《外科的摘出》 1 《真髄の針》 2 《悪魔の布告》 2 《冬の宝珠》 1 《チェイナーの布告》 1 《無のロッド》 2 《餌食》 1 《毒の濁流》 -サイドボード(15)- |
レガシーという環境には「もう歴代の黒いカードを使う、それだけのことがたまらなく好きなんです!」というコアなファンが常に存在する。どんなデッキにも分類されない、独自の「黒単コントロール」を常にチューンしてトーナメントに出続ける歴戦の猛者たち......あなたの身近にもいるのでは?
そういうデッキの何が怖いかって、他のデッキと戦う際の常識が通じないことだ。例えばこのデッキも、手札破壊と除去で盤面をコントロールする古き良き重コントロールなのだが......《陰謀団の貴重品室》と《Lake of the Dead》により、相手の予測を超えた速さで大型クリーチャーを盤面に投下することができる。
《墓所のタイタン》や《ファイレクシアの抹消者》なんかは予想できる。コンボ要素を全く搭載せず真面目に《グリセルブランド》を素出しする、というのも対戦していると何となく見えてくるかもしれない。ただ、レガシーで《虐殺のワーム》にクリーチャーを食い散らかされることはなかなか想像できないかもしれない。
除去にしたって、この2018年に《生命吸収》を用いているデッキがあるなんて誰が想像するだろうか。
決して弱いカードじゃなく、強く使えるデッキがないだけなX点ドレイン呪文。このデッキであればそのポテンシャルを発揮し、対戦相手のダメージ計算を狂わせ、時にそのライフを吸い尽くしてゲームを終わらせてくれるだろう。
このデッキがMagic Onlineの競技リーグ戦で5勝0敗してるってんだからたまらんな! こだわりのデッキがある方は、その読まれることのないデッキリストを武器に、グランプリ会場で暴れ回ってほしい。
どのデッキも黒単らしく、シブいものばかり。他の色でも、赤なんかは環境の強豪デッキを3つ揃えられるだろうし、同じ色を愛した仲間とその志を体現したデッキで戦うというのも、ただカジュアルなだけでない強さがあるはず。
特に結果がうまくいかなくても「なんでそんなデッキ選んだんだよ!」なんて揉めることがないのは良いことだ。3人で選んだ思い入れのあるデッキだからね......いや、もちろんどんなデッキチョイスでも揉めるのはダメだけどね(笑)。
今回伝えたかったことは、せっかく3人で出るのだから、最後まで3人で仲良く楽しくマジックをしてほしいなということ。喜びは3倍、苦しさは3分の1。仲間を思いやる気持ちを忘れずに、祭典を楽しんでほしいってぇ!
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