READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:マルドゥ機体(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:マルドゥ機体(スタンダード)

by 岩SHOW

 ここ数回はMagic Onlineで先行して登場した『イクサランの相克』環境のデッキを紹介してきたが、今回からは発売後に現実世界のトーナメントで活躍したデッキも紹介していこう。

 新セット発売後の週末に毎回開催されている StarCityGames.com 主催の賞金制トーナメント、今回はなんとグランプリ・京都2018やマジック25周年記念プロツアーと同じ、スタンダード・モダン・レガシーによる3人チーム構築戦!

 なので、やや特殊なフォーマットではあるが......それでも新環境のスタンダードのデッキであることには違いない。というわけで、優勝チームのスタンダードデッキを見せてもらおうじゃないか!

Julian John - 「マルドゥ機体」
StarCityGames.com Team Constructed Open Dallas 優勝 / スタンダード (2018年1月20日)[MO] [ARENA]
3 《
3 《平地
4 《感動的な眺望所
2 《泥濘の峡谷
1 《竜髑髏の山頂
4 《秘密の中庭
4 《産業の塔
2 《霊気拠点

-土地(23)-

4 《ボーマットの急使
4 《模範的な造り手
4 《屑鉄場のたかり屋
3 《経験豊富な操縦者
2 《ピア・ナラー
1 《アムムトの永遠衆
3 《熱烈の神ハゾレト

-クリーチャー(21)-
2 《致命的な一押し
3 《稲妻の一撃
4 《無許可の分解
4 《キランの真意号
2 《霊気圏の収集艇
1 《反逆の先導者、チャンドラ

-呪文(16)-
3 《強迫
1 《マグマのしぶき
2 《削剥
1 《焼けつく双陽
2 《残骸の漂着
1 《排斥
2 《燻蒸
1 《反逆の先導者、チャンドラ
1 《炎鎖のアングラス
1 《屍肉あさりの地

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 相克環境の先陣を切ったのはなんと「マルドゥ機体」。ちょうど1年ぐらい前に『霊気紛争』の発売により強化され、プロツアーを赤白黒の3色に染め上げたビートダウンデッキが、ここにきて再浮上だ。

 前環境にも一応存在しており使用者もそこそこはいたが、ビートダウンしたいのであれば赤単色のデッキが色事故もなく安定して強かったので、わざわざ「マルドゥ機体」を使う理由もなかった。ブームは去ったが思い入れの強い人が使っている、そんな印象の強いデッキだったが......環境の変化により赤単色に勝る点が出てきた、ということだろう。使用者のプロフィールでは、自分が操れるデッキの中で最高のものがこれだと答えているので、やっぱり熱烈なマルドゥ愛好家なのかもしれないが(笑)。

 デッキの基本的な構成は、2017年に見られたものと大きく変わる点はない。1ターン目、2ターン目と続けてクリーチャー or 《キランの真意号》を展開し、再序盤から高い打点で殴りに行けるようにして、あとは赤と黒が誇る除去呪文で道を切り開いていけば、あっさりと20点のライフを溶かすことができるだろう。

 特に《無許可の分解》という対象を問わない確定除去&本体3点ダメージというとてつもないインスタントを用いることができるのが、このデッキの強みだ。

 赤単色デッキが弱体化しても、《熱烈の神ハゾレト》のカードパワーが下がったわけではない。

 アドバンテージを得る手段に乏しいのであれば、手札が空の時に引いて嬉しいカードを採用すれば良い、ということでメインデッキで最も重いカードの1つとしてハゾレトが3枚採用されている。戦場を更地にしてほっとしている対戦相手に速攻5点パンチをお見舞いだ。土地を引きすぎてしまった場合などにも、投げつけて2点ダメージに変換できるのは嬉しい。序盤から《キランの真意号》などに殴られてへとへとの相手にはこたえるだろうな。

 同じパワー5のハードパンチャー枠として《アムムトの永遠衆》が採用されているのも面白い。

 除去が強いデッキであれば、縮まったサイズもすぐに元に戻すことができる。3マナでパワー5であることを活かして真意号の乗り手として運用しても良い。前環境では鳴りを潜めていたこういったカードが、これからはじわじわと使用されてくることだろう。改めてスタンダード環境のカードリストを見返すと面白い発見があるかもしれない。

 『イクサランの相克』から採用されているカードは1枚のみだが、しかしそのカードが実に興味深い。ミノタウルスのプレインズウォーカー、《炎鎖のアングラス》だ。

  • [+1]手札破壊&2点ライフ損失
  • [-3]クリーチャーのコントロールを一時的に奪い、その点数で見たマナ・コストが3以下であればそのままターン終了時に生け贄に
  • [-8]対戦相手のライフをそのプレイヤーの墓地の枚数分、失わせる

 という3つの能力を持っている。

 赤黒のプレインズウォーカーといえば《狂乱のサルカン》《巧妙な偶像破壊者、ダレッティ》と代々癖の強いものが作られている。アングラスはそれらに比べるとかなりマイルドではあるものの、それでも他のプレインズウォーカーとは使用感がかなり異なるだろう。手札破壊しつつライフを詰められるので、対コントロール用カードとして採用されているとは思われるが、その実力のほどは......とりあえず皆で試してみよう! 新プレインズウォーカーの今後の活躍に期待!

 環境最初期はどうしてもデッキを作るのが難しいので、既存のデッキが活躍するのはよくある現象。ここからキング・オブ・ビートダウンの座を譲らず保持するのか、新興のデッキと大乱世を争うのか......新環境はまだ始まったばかりだ。ぜひ、いろいろなデッキで遊んでみてほしいね。

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索