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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:マッドステロ~今年は戌年だワン~(過去のスタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:マッドステロ~今年は戌年だワン~(過去のスタンダード)

by 岩SHOW

 新年あけましておめでとうございます! 今年もマジックを、そして当コラムをよろしくお願いいたします。今年の目標は......海外のグランプリに2回くらい行きたい!というところかな。『ドミナリア』が発売される年というのもあって、モチベーションは上がっているところ。皆にとっても、去年よりもっともっといい1年であることを祈りながら......新年一発目のデッキ紹介、いってみよう!

 今年は戌年ですな。マジックプレイヤーの間でも犬派か猫派かなんて話はあったりするが......僕は犬派かな。しっかりと絆で結ばれた飼い主とわんこの姿は見ていて幸せになれるよね。

 ただカードのわんこには、酷いことをされ続ける立場でございましてね......『オデッセイ』、僕らが高校生くらいの時に出たこのセット。墓地を活用するという、現在のマジックでは割と当たり前になった戦術を本格導入したのがこのセット。墓地にカードが7枚以上あると効果が上昇する「スレッショルド」と、墓地から唱えることのできる「フラッシュバック」呪文。そして、これらを効率よく墓地に送るカードの数々......特に「共鳴者」と呼ばれた、手札を捨てることをコストにした起動型能力を持ったカードは、上述のメカニズムを持ったカードとのシナジーにより、その見た目の何倍も強いカードが多かった、

 そしてその中でも飛びぬけて強かったのが、今日のわんここと《野生の雑種犬》!!

 手札を1枚捨てるとターン終了時まで+1/+1とサイズアップしつつ、その色も好きなものに変更することができる。プロテクションや《殺戮》のような緑対策を無視しつつ打点アップ、これをマナを支払わずに使うことができるのが魅力だ。

 また、手札を捨てるというのは大変なアドバンテージの損失ではあるが、この環境であればむしろアドバンテージに繋げることができる。《日を浴びるルートワラ》《尊大なワーム》といったマッドネス呪文で高速展開も可能、《ワームの咆哮》を4マナで唱える助けとなり、《不可思議》で全員が飛行に......というとんでもな光景を作り出すこともしばしば。

 とにかく、2ターン目に出てくるクリーチャーの中では最強クラスの性能だった。この雑種犬がアグレッシブに噛みついてくるデッキ、ということで印象に残っているのは「マッドステロ」だ。

志岐 和政 - 「マッドステロ」
日本選手権2003 7位 / スタンダード (2003年6月20~22日)[MO] [ARENA]
8 《
3 《
4 《樹木茂る山麓
4 《カープルーザンの森
3 《モスファイアの谷

-土地(22)-

4 《ラノワールのエルフ
3 《日を浴びるルートワラ
3 《渋面の溶岩使い
4 《野生の雑種犬
3 《幻影のケンタウロス
2 《焦熱の火猫

-クリーチャー(19)-
4 《炎の稲妻
4 《火山の鎚
4 《獣群の呼び声
3 《象の導き
4 《激発

-呪文(19)-
3 《ナントゥーコ自警団
3 《貪欲なるベイロス
1 《幻影のケンタウロス
4 《たい肥
1 《クローサ流再利用
3 《罠の橋

-サイドボード(15)-

 前述の雑種犬→マッドネス戦略を盛り込んだステロイドデッキ(赤緑のビートダウンの総称)、すなわち「マッドステロ」だ。これは2003年の日本選手権で活躍したリストで、『基本セット第7版』+『オデッセイ』~『レギオン』が使用可能なセットとなっている。この環境ももう15年前......そんなに前かという思いと、思ったより経ってないなという思いが同時に湧き起こるね。この頃は仲間で集まって毎日遊んでいたなぁと。よくこの「マッドステロ」にボコボコにされたものだ。

 数あるマッドネス呪文の中でも、爆発的な攻撃力を誇るのが《激発》。

 本来ならトリプルシンボルで4マナと重いカードだが、マッドネスだとダブルシンボル3マナにコストがダウン。たった1マナではあるのだが、そのおかげで随分使いやすい火力に化ける。3マナで4点を好きなようにばらまき、ってマナ効率は最高クラスだ。押せ押せの時は全部プレイヤーにぶち込んでも良いし、ブロッカーが邪魔なら焼き払うまで。雑種犬のサイズを上げながらのこれだからね、やられている方はたまったもんじゃんない。

 これと《日を浴びるルートワラ》によるマッドネス猛攻と、《獣群の呼び声》《炎の稲妻》ら捨てても使えるフラッシュバック呪文、そして墓地をダメージに変換する《渋面の溶岩使い》。雑種犬を取り巻くこれらのカードで、相手のライフを攻めて攻めて攻めまくる! わかりやすさもこのデッキの魅力だ。

 《焦熱の火猫》《象の導き》といったアニマルパワー爆発な攻めのカード、環境に一定数存在した黒いデッキへのアンチクリーチャー《幻影のケンタウロス》といったカードで脇を固めてあり、単体のカードパワーでも勝負ができる。とはいえ、ベストムーブが雑種犬であることには違いなく、これを2ターン目に出されるか否かで勝敗が大きく左右されていたのを今でも覚えている。


 正月早々、古い時代のデッキを紹介させてもらって申し訳ないとも思うが......マジック25周年の年、15年前のような気持ちで楽しみたいなということで個人的に思い出の一部である《野生の雑種犬》デッキを紹介させてもらった。12年後には同じように「今年は戌年、前の戌年の時には《地揺すりのケンラ》のような犬モチーフのカードが活躍してたなぁ」なんて具合に皆も思い出すかもしれないね。そんなわけで改めて、今年もよろしくお願いしまぁぁぁぁす!

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