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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ゴンティ型4色エネルギー(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ゴンティ型4色エネルギー(スタンダード)
by 岩SHOW
「4色エネルギー」――この単語を、皆さんここ最近目に耳にしまくったんじゃないだろうか。プロツアー『イクサラン』でも全体の約20%という高い使用率を誇り、あっちでもこっちでも大活躍。とりあえずリストを見てみよう。
3 《森》 1 《島》 2 《山》 1 《沼》 4 《植物の聖域》 1 《隠れた茂み》 3 《根縛りの岩山》 3 《尖塔断の運河》 4 《霊気拠点》 -土地(22)- 4 《牙長獣の仔》 4 《導路の召使い》 4 《ならず者の精製屋》 4 《つむじ風の巨匠》 2 《逆毛ハイドラ》 2 《栄光をもたらすもの》 2 《スカラベの神》 -クリーチャー(22)- |
4 《霊気との調和》 2 《マグマのしぶき》 4 《蓄霊稲妻》 1 《削剥》 3 《反逆の先導者、チャンドラ》 2 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -呪文(16)- |
1 《多面相の侍臣》 2 《チャンドラの敗北》 1 《マグマのしぶき》 1 《呪文貫き》 3 《否認》 1 《削剥》 2 《人工物への興味》 2 《慮外な押収》 2 《自然に仕える者、ニッサ》 -サイドボード(15)- |
予選ラウンド1位抜け、マイク・シグリスト/Mike Sigristのリストである。一言で形容するのであれば、贅沢。スタンダード環境にある白以外の色のパワフルなカードをまとめあげました、というショールームのような豪華絢爛デッキだ。《栄光をもたらすもの》と《スカラベの神》と《秘宝探究者、ヴラスカ》が共存しているって、改めて見るととんでもないデッキだな。
《霊気との調和》と《霊気拠点》、そしてさまざまな2色土地で運用は問題なし。序盤をエネルギー関係のクリーチャーで攻めたり守ったりしながら、5マナ以降はパワーカードを連打して圧殺。俗にいう鉄板ってやつだね、安定して勝てる選択肢であるため、多くのプレイヤーがこのデッキを選択したのは自然なことかなと。
もう「4色エネルギー」は食傷気味だって? そうかなと思ってね......今日のメインは、変わり種にしてみた。「4色エネルギー」だ。ふざけてるのかって? まあ、リストを見ればどういうことなのかわかるよ。どんなデッキと聞かれたら「4色エネルギー」なんだけども......
2 《森》 2 《沼》 1 《島》 1 《山》 4 《花盛りの湿地》 4 《植物の聖域》 2 《泥濘の峡谷》 2 《竜髑髏の山頂》 4 《霊気拠点》 -土地(22)- 4 《光袖会の収集者》 4 《導路の召使い》 4 《ならず者の精製屋》 4 《つむじ風の巨匠》 3 《豪華の王、ゴンティ》 3 《スカラベの神》 -クリーチャー(22)- |
4 《霊気との調和》 4 《致命的な一押し》 3 《蓄霊稲妻》 1 《本質の散乱》 3 《ヴラスカの侮辱》 1 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -呪文(16)- |
1 《才気ある霊基体》 2 《貪る死肉あさり》 1 《象形の守り手》 3 《強迫》 2 《チャンドラの敗北》 3 《否認》 1 《人工物への興味》 1 《川の叱責》 1 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -サイドボード(15)- |
採用されているカードがかなり異なる、黒が濃い「4色エネルギー」だ! 黒い除去呪文をふんだんに採用し、対戦相手のクリーチャーの生存を許さない。さらにはクリーチャーも黒く、中でも目を引くのが3枚採用された《豪華の王、ゴンティ》。このデッキの顔とも言えるこのカードから、とりあえずゴンティ型と呼ばせてもらうことにしよう。
一般的な「4色エネルギー」は攻める能力が高い。環境の2マナクリーチャーの中でも最高クラスの打点を誇る《牙長獣の仔》を各種エネルギー・カードでバックアップしてやって、ガシガシ殴っていくのが基本的な動きとなる。《つむじ風の巨匠》を用いた受けのプランも取れるが、それは往々にして相手のデッキが自分よりアグレッシブな場合だ。
対して、このゴンティ型はその《牙長獣の仔》を採用していない。代わりに、打点は落ちるがアドバンテージを獲得可能な《光袖会の収集者》が採用されている。除去を唱えて相手を阻害し、このクリーチャーでドローして手札が尽きないように戦っていく......どちらかといえば、コントロール寄りのデッキなのだ。
《豪華の王、ゴンティ》はまさしくこのコントロールプランにおいて輝くカードである。接死で地上に睨みを利かせつつ、相手のデッキのカードを奪う。《逆毛ハイドラ》や《栄光をもたらすもの》はデッキ内に不要、これで奪って使ってやればよかろうなのだ。確実にアドバンテージを得させてくれる、にくいヤツ。
このデッキのゴンティはもったいぶらず、適当なクリーチャーと相打ちさせてしまって構わない。3枚も採用しているので第2・第3のゴンティが有効活用できるし、死亡させれば《スカラベの神》で使いまわすというとんでもない動きが可能だ。こんな動きされた日にゃ、ただただ悲しい顔をするか、あるいは爆笑しながら投了することだろう。
黒が濃いので、サイドボードにしっかりと《強迫》をとれるのも魅力だ。コントロールデッキ相手には《否認》とこれを除去と入れ替えれば問題なく戦うことができるだろう。
同じくサイドボードのカードで目に留まるのは《象形の守り手》。そういえばこんなカードもあったんだなと。この除去体制に優れたスフィンクスもまた、コントロール相手に......あるいはそのサイズと不朽まで持った粘り強さを活かして、「4色エネルギー」相手に出したりしても強いかもしれない。まだまだ使われていないカード、あるんだなぁ。ちょっと感動。
独特な形のこのリストは、プロツアー『イクサラン』のスタンダードラウンドで7勝3敗という好成績を収めている。「4色エネルギー」「ティムール・エネルギー」「ラムナプ・レッド」は確かに多かった、これらで全体の6割という圧倒的な存在となったが、これらに挑み戦えるデッキがないというわけではない。強く、数を増やしたデッキを、このような軸をずらしたデッキで狩る感覚は、最高のものだろうね。
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