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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:やっぱりコイツが本命か ティムール・エネルギー(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:やっぱりコイツが本命か ティムール・エネルギー(スタンダード)
by 岩SHOW
さーて、いよいよ今夜からプロツアー『イクサラン』が開幕だ!
アメリカはアルバカーキにて開催される今回のプロツアー。見どころとしては、いつもと開催時期が違う(発売2週間後→5週間後)ことがどのような影響を及ぼしているのか、というところ。時間がある、ということはプレイヤーたちの習熟度はいつものプロツアーより増しており、全体的なレベルはかなり高くなるのではないかと予想される。
いつもただでさえ強いプロプレイヤーの面々が時間的余裕を得てしまうということは......勝ち上がるのが無茶苦茶に厳しい、ハードすぎるトーナメントになることは必至だ。イクサランという広大なフィールドで、生き残りをかけた弱肉強食のサバイバル! 個人的には『破滅の刻』の際に異次元のドラフトデッキを組み上げたジョン・フィンケル/Jon Finkelが、この部族環境でどのようなピックを見せてくれるのか......なんてところにも注目している。
このコラムをいつも読んでくれている皆の注目は、やはりどんなデッキがスタンダードラウンドで活躍するのかという点だろう。今のスタンダード、いろんなデッキが生まれているけど結局何が強いのか? この質問に、多くの方が口を揃えてこう答えてくれることだろう。
「ティムール・エネルギー!」
青赤緑の、エネルギーに関するカードを中心に組まれた中速デッキである。世界選手権でも、頂点まで上り詰めたことは記憶に新しい。ローテーションにより失われたカードがほとんどなく、細かいところで収穫のあったこのデッキが強いのは当然の結果であった。
世界選手権では、本来苦手とするコントロールデッキを逆に喰ってやろうという構築でそれを成し遂げ、脇を固めるカードの選択で姿かたちを変えられる柔軟さも見せつけた。おそらくは、プロツアーの本命、ド本命。使用プレイヤーも最多になるのではないかな。全体の何%になるのか、という点が気になるところ。
では改めて、環境最有力デッキの姿を見るとしよう。
4 《森》 1 《島》 2 《山》 4 《植物の聖域》 3 《根縛りの岩山》 2 《隠れた茂み》 2 《尖塔断の運河》 4 《霊気拠点》 -土地(22)- 4 《牙長獣の仔》 4 《導路の召使い》 4 《ならず者の精製屋》 4 《つむじ風の巨匠》 3 《逆毛ハイドラ》 3 《栄光をもたらすもの》 -クリーチャー(22)- |
4 《霊気との調和》 2 《マグマのしぶき》 4 《蓄霊稲妻》 2 《削剥》 2 《領事の旗艦、スカイソブリン》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文(16)- |
2 《貪る死肉あさり》 1 《多面相の侍臣》 2 《殺戮の暴君》 2 《チャンドラの敗北》 3 《否認》 1 《ジェイスの敗北》 1 《至高の意志》 1 《慮外な押収》 2 《自然に仕える者、ニッサ》 -サイドボード(15)- |
このリストは、毎度おなじみStarCityGames.comの招待制トーナメントの予選にて4位になったものであるが、使用者はなんとあのブラッド・ネルソン/Brad Nelson。世界選手権にも連続参加、チーム「Genesis」のリーダーとしてチームシリーズ決勝を戦ったあの大物中の大物である。あと僕と腕相撲もしたね。対戦に使用した右腕よりも、ブラネルがネタで持ち上げた左肩の方がダメージを負ったというね。それはともかく、町の大会にふらっとブラネルがやってくる、なんて良いなぁ。
ブラネルと言えば、デッキ選択に定評のあるプレイヤーだ。特に今シーズンは開幕からグランプリで連続入賞を果たすなど、ノリにノっている。その時も「ティムール・エネルギー」を使用しており、彼にはこのデッキがとても合っている、そして環境的にも最適解であると判断しているのではないだろうか。
クリーチャー陣は定番のエネルギー部隊+《栄光をもたらすもの》。《スカラベの神》を採用する形もあり、実際に世界選手権ではそちらを使用していたブラネルだが、今回は黒を足さない、いわゆる純正型。
《霊気との調和》で《沼》を足すくらいは造作もないデッキではあるのだが、それでも事故る時はやはりある。3色にまとめあげて十分にデッキパワーが高いのであれば、それに越したことはないのだ。
安定のインスタント除去8枚体制に加えて、手が尽きやすいティムールにとってはありがたいアドバンテージ源であり、フィニッシャーも務める《反逆の先導者、チャンドラ》も呪文枠にしっかりと採用しつつ......さらなる制圧力を求めて、《領事の旗艦、スカイソブリン》が2枚。
このカード、一時期は見る機会が多かったが、新環境になってからはやや鳴りを潜めていた。ここにきて、再浮上。空中戦を挑める、ということは地上を固めるデッキがやたらと多いこの環境では重要。《栄光をもたらすもの》と併せて、さっさと地上を見限って空から本体に大ダメージを狙っていこう。
サイドボードには恐竜たちの姿が。
《貪る死肉あさり》は「GPG」や「アズカンタの探索」デッキを地味ながら着実に妨害し、「ラムナプ・レッド」の猛攻をしのいだ後にはライフを補填しつつ《地揺すりのケンラ》の永遠能力を封じるという、やれることがなかなかに多いカード。《選定の司祭》の不朽も防ぐため、「アブザン・トークン」相手にもサイドインして良いだろう。
《殺戮の暴君》は「青黒アズカンタ」などコントロール相手に大暴れするのはもちろんのこと、デッキの構成上どうやってもコイツを倒せないというデッキも少なくないので、そういった相手を叩きつけ踏み潰してやるのに用いよう。野生の本能よ、目覚めよ!
ド本命デッキ「ティムール・エネルギー」。本命ということは、追う者ではなく追われる者。対策をされることは避けられない立場だが、果たしてそれらを跳ねのけて初のプロツアーの栄冠を勝ち取れるのか? 今週末、君の眼で見届けよう!
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