岩SHOWの「デイリー・デッキ」：猫猫ビートダウン（スタンダード）

by 岩SHOW

　犬派 vs. 猫派。人類を２つに分かつ、有史以来の最大の問題である。まあ多くの人はどちらかのみを好むというわけでもないのだが、「どちらかというと犬派」みたいな立場が拍車をかけていることは間違いない。

　僕は動物全般が好きなのでどちらかに肩入れするものではないが、マジックというゲームはわりとはっきりしたスタンスをとっている。猫派だ。犬を示す猟犬というタイプを与えられたクリーチャーよりも、猫のタイプを持つクリーチャーの方が100種類ほど多いのだ。レオニンという猫系のヒューマノイドも多元宇宙に広く分布しているし、プレインズウォーカーとしてアジャニも何度もカード化されている。アモンケット次元よりジャッカルのタイプを持つヒューマノイドのケンラが登場したりと、犬はそのタイプを散らす方向で今後数を増やして巻き返しを狙っているかもしれない。ただ現状、猫の圧勝だ。猫派の皆さん、おめでとう。

　猫は部族デッキを組めるようになっているのも、犬に勝るポイントだ。にゃあにゃあミャアミャア、多数の猫を戦場に展開して対戦相手を幸せな気持ちにさせるスタンダードのデッキを紹介しよう。

　23体の猫によるビートダウン！ 《威厳あるカラカル》と《誇り高き君主》がいる現在のスタンダードでは、デッキのクリーチャーを猫に統一することで得られる恩恵があるのだ。

　この２枚だけでも十分にコンボ、絆魂持ちの猫・トークンがわらわらとやってきて強化され、一頭やたらデカい猫の範疇を超えたやつがどんどん大きく膨れ上がっていく......縦にも横にも展開できて、マジック的には言うことなし。これに《選定された行進》を絡めて、もう無茶苦茶してやろうという姿勢は素晴らしい。《聖なる猫》もいるので、「ラムナプ・レッド」にはめっぽう強い。猫カフェを作ってしまえばハゾレトも慈愛に満ちた母神モードになろうというもの。

　猫と呼ぶには怪しいやつらも潜んでいるが、種類で選り好みしてちゃ真の猫好きは語れない。《金属ミミック》はかつて人間やゾンビとして暴れていた記憶しかないが、これも立派な猫である。他の猫と仲良くするかわいげのあるやつなので、しっかりと大事に世話してやろう。３ターン目に《聖なる猫》とともに展開するなど、せめて＋１/＋１カウンター１個分の恩恵は受けたい。《典雅な襲撃者》との相性もばっちりだ。

　《うろつく蛇豹》は爬虫類好きにもアピールしていこうという、ペット界のマルチメディア的ハイブリッドだ。はたして他の猫たちと平穏な関係を築けるのかは怪しいが......。３マナ４/３とアタッカーとしてのサイズも悪くなく、打ち消されず後続への打ち消しもシャットアウト。コントロールデッキがブイブイいわしている現行のスタンダードでは、かなり評価できるクリーチャーではないだろうか。

　「青黒アズカンタ」などには効果てきめんだが、はしゃいでしまってすぐに唱えてしまわないように！ 《顕在的防御》を構えるか、最低でも《形成師の聖域》を貼って、除去１枚で対処されないようにしたいね。展開する力に長けているだけにカード１枚１枚を雑にプレイしてしまいがちだが、丁寧に丁寧に扱わないと猫はそっぽを向いちゃうぞ。

　《勝者の戦旗》が登場したことで、猫に限らずいろいろな部族のビートダウンを作ることが可能となった。いかにわけのわからないヤツらを固めてデッキを作るという遊びができる！ ヘンテコ部族デッキを組んで、ぜひともカジュアルなマジックを楽しんでみてくれ！(このデッキは結構いい成績残してるんだけどね)