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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:梓カンパニー(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:梓カンパニー(モダン)
by 岩SHOW
「エルドラージ・トロン」が強い。割と周知の事実ではあるが、改めてそう思う。
あのデッキは、《エルドラージの寺院》とウルザ土地3種による加速を用いてエルドラージをガンガン展開して無色カードのパワーで有色デッキを圧倒する、エルドラージの脅威を体現したかのような現モダンの要注意デッキだ。
仕事柄、世界中のトーナメント結果に目を通すのだが、まあ大体はこのデッキがTOP8に君臨している。目の敵にしたデッキが出てくるのも当然である。というわけで、今日はアンチ・エルドラトロン......のみならず、土地を用いるコンボデッキなんかにも敵意をむき出しにしたあるデッキを紹介しよう。
デッキ名がパッと思いつかなかったが、特徴的な1枚とその語感の良さから、ここでは「梓カンパニー」と呼ぶことにしよう。
4 《森》 2 《平地》 3 《寺院の庭》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《樹木茂る山麓》 2 《地平線の梢》 1 《ガヴォニーの居住区》 4 《幽霊街》 -土地(23)- 4 《貴族の教主》 3 《極楽鳥》 4 《復活の声》 2 《水蓮のコブラ》 4 《クルフィックスの狩猟者》 4 《聖遺の騎士》 2 《エイヴンの思考検閲者》 2 《迷える探求者、梓》 2 《ラムナプの採掘者》 1 《永遠の証人》 1 《不屈の追跡者》 -クリーチャー(29)- |
4 《流刑への道》 4 《集合した中隊》 -呪文(8)- |
2 《漁る軟泥》 1 《戦争の報い、禍汰奇》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《再利用の賢者》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 1 《鷺群れのシガルダ》 1 《囁きの森の精霊》 2 《外科的摘出》 2 《石のような静寂》 1 《神聖な協力》 2 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
カンパニーと名がつくからには《集合した中隊》デッキであることには違いなく、されどその内容は他のカンパニーデッキとは多少異なる。2色でまとめられているのも特徴的ではあるが、やはり目を惹くのはその採用カードの独特さ。《迷える探求者、梓》はどうしても気になる1枚だ。
1ターンにプレイできる土地の枚数を2枚も増やすという、土地コンボデッキなどが用いる1枚が中速デッキであるこのデッキに採用されている。通常であれば、そもそもそんなに置く土地が手札にないので能力が腐りがちになるカードだが、このデッキでは相方と組み合わさることでそのポテンシャルを最大限に発揮する。
1つは、おなじみの《クルフィックスの狩猟者》。ライブラリーの一番上のカードが土地なら、置きまくってしまおうというわけだ。
もう1枚が、『破滅の刻』より来たる期待の新人《ラムナプの採掘者》だ。手札にないのであれば、墓地から土地を置けばよかろう。そしてモダンであれば、墓地から土地を置くという動きは、多大なる可能性を秘めている。
では、中隊から梓&採掘者が並んだ場合、どんなことができるかを見てみよう!
まず、純粋にマナ加速。《吹きさらしの荒野》《樹木茂る山麓》ら、いわゆるフェッチランドを生け贄に捧げて土地をサーチして、またフェッチ置いて......を繰り返せばマナが伸び放題だ。伸びたマナを使うカードの確保は、《地平線の梢》に任せろ。これをグルグル回してカードを引きまくる、というのがこのデッキの必勝パターン。フェッチ&《不屈の追跡者》でも同様にカードを引きまくれるぞ。物量で勝負となれば、このデッキの得意分野だ。
そして梓&採掘者と組み合わせることで、冒頭でも述べた「エルドラトロン憎し!」というたぎる怒りをぶつけることを可能にする1枚が《幽霊街》だ。
この土地を1ターンに3枚も投げつければ......エルドラトロンはマナ基盤を失い、瞬間的に瓦解することだろう。まあ、勝てなくなるよね。その他の基本土地を搭載しているデッキにはやや効きにくい側面もあるが、毎ターンのようにライブラリーから基本土地を3枚ともなると、供給し続けられるデッキはほとんどない。時間をかければ土地を根絶やしにすることだって可能だ。横並びを得意とし、地上戦のにらみ合いには強いデッキなので、そうなった場合にはこのコンボが火を噴くことになるだろう。《エイヴンの思考検閲者》も絡めるのも強力だね。
実際に「エルドラージ・トロン」に対してどこまでやれるのか、体感してみたくなりMagic Onlineで回してみたが......ビックリするぐらい遭遇しない。「バーン」に当たっていじめられる、なんてことを繰り返した。
このデッキは、先述の通り横に展開するのは得意だ。《復活の声》が複数体並べば、割と怖いものなし。しかし、速度勝負に持ち込むのは苦手である。《聖遺の騎士》を早いターンで複数体展開できれば早期決着も狙えなくもないが、大抵のクリーチャーのパワーは低めなため、開幕から殴り合いという動きは取れない。そこが弱点で、「けちストーム」のようなデッキを相手にして間に合わないことが多かった。モダンは当たり運が大きいフォーマットなので、こればっかりはしょうがないと割り切るのが吉か。中速デッキ同士の対決であれば、得意分野。土地を使いまわすアドバンテージ勝負を楽しもうじゃないか。
新旧カードの入り乱れっぷりがなかなかに理想的な環境である、現モダン。プロツアー予備予選のフォーマットになったりしているので、この夏はぜひモダンでも熱くなってほしいね。
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