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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:エルフ(Pauper)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:エルフ(Pauper)
by 岩SHOW
エルフはマジックの主要部族のひとつであり、これまでも大変多くのセットで緑の小型~中型クリーチャーの層を豊かなものにするべく、さまざまなデザインのものが作られた。
そしてそれらの多くは、プレイヤーにとってはありがたいことに、コモンである。最も低いレアリティであるということは、すなわち弱いということでは決してなく、最も基本的な役目を担っていると考えたほうが良い。《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》らマナを生み出すエルフ、《クウィリーオン・レインジャー》のようにシステムを形成するエルフ、小粒ばかりではなくサイズでだって勝負できるぞ。
そんなわけで、コモンだけで十分な駒が揃うエルフは、コモン限定構築・Pauperでも一定の地位を得ているのだ。
12 《森》 1 《島》 -土地(13)- 3 《エルフの神秘家》 3 《ラノワールのエルフ》 2 《Fyndhorn Elves》 4 《イラクサの歩哨》 4 《樺の知識のレインジャー》 4 《クウィリーオン・レインジャー》 3 《エルフの先兵》 3 《エルフの幻想家》 3 《ティタニアの僧侶》 3 《幸運を祈る者》 2 《森のレインジャー》 4 《森林守りのエルフ》 4 《リス・アラナの狩りの達人》 -クリーチャー(42)- |
1 《ヴィリジアンの長弓》 4 《遠くの旋律》 -呪文(5)- |
3 《散弾の射手》 1 《幸運を祈る者》 2 《虚無の呪文爆弾》 1 《濃霧》 1 《大祖始の遺産》 4 《上機嫌の破壊》 3 《活力の覆い》 -サイドボード(15)- |
最近Pauperで好成績を収めたリストなのだが......すごいね、土地が13枚でクリーチャーが42枚! それだけ軽量のエルフで固められるというのもあるのだろうが、《緑の太陽の頂点》のような強い呪文もなく、土地を引いてもほとんどうま味がない。ともすれば3枚土地を引くだけで「土地引きすぎて負け」なんてことになりかねないので、ここまで切り詰めて、その逆にエルフを詰め込む形となったのだろう。使ってみれば、これで余裕でデッキが回るものである。土地1枚キープこそベストハンドだと言わんばかりの勢いで、いろんな常識が崩される。
マナエルフからどんどんと横に展開していって、レガシーやモダンのように《孔蹄のビヒモス》に繋げたり《群れのシャーマン》で撃ち抜いたり......ということはできないが、コモン限定構築ならではの勝ち手段はキッチリ用意されている。
まず、殴る。いやわかるよね(笑)。だがまあ、その殴り方について説明しよう。わかりやすいのは《エルフの先兵》。
元はレアだったんだぜ、コイツ。『オンスロート』時代にトレードで頑張って集めたのが懐かしい。エルフが出た分大きくなる。ただ適当に展開していれば、《タルモゴイフ》も裸足で逃げ出すサイズに成長してくれることだろう。
《リス・アラナの狩りの達人》はこの戦略を後押し。エルフにおまけでもう1体エルフ・トークンがついてくる。トークンは気楽にブロッカーにも回せて、これが1体生き延びるだけで戦闘はかなり楽になることだろう。
そしてズラリ並んだトークンでの面での攻撃を必殺の一撃に昇華させるのが《森林守りのエルフ》。エルフの数だけ+1/+1修整を与える起動型能力で、わらわらーっと寄ってきたエルフでブロックをすり抜けたものをエムラクールも真っ青なサイズに膨れ上がらせてK.O. 決まれば気持ちいいことこの上なしだ。このカードもドラフトでぶっ壊れた強さで......おじいちゃんトークは別の機会にしようか。
殴る以外には《ヴィリジアンの長弓》パス回しでマシンガン勝ち、なんて荒業も。盤面をコントロールする力もあり、同型では先に火を噴かせたほうが勝ちだ。
後は《幸運を祈る者》で毎ターンむちゃくちゃに回復して、対戦相手の心を折るという手もある。昔、地元で「エルフ最強決定戦」やった時はコイツ禁止にすりゃ良かったなと心から思ったね。なめているとあっという間にライフは射程の遥か彼方、事象の向こう側にまで逃げ切られてしまうだろう。
ただマナエルフとこれらを組み合わせただけでデッキが回るの?と疑問に思われるかもしれない。その通り、一瞬で手札が枯れてトップデッキを叩きつけるだけになってしまう。それを防ぐのが《遠くの旋律》。
これで8枚ドローしまーす、なんてことが簡単にできてしまう、青いのにマーフォークでなくもっぱらエルフと組んでいる強烈なドロー呪文だ。これのために1枚採用した《島》を《森のレインジャー》で持ってきたり、《樺の知識のレインジャー》で青マナを生み出したりするのだ。
ほかにも小技はいっぱいあるのだが、載せていけばキリがないので、皆の週末の楽しみとして各々で考えてみていただきたい。さっきまで《イラクサの歩哨》しかいなかったのになんかすごい戦場になっちゃったぞ......という、1ターンが非常に濃いマジックができるので......懐かしいカードを触りつつガチャガチャとシステムを形成したいプレイヤーにはオススメだ。
当たり前の話だが全部コモンなので、手に入りやすい・実は押し入れに眠っている、なんてのもリアルで組みたいプレイヤーにはうれしいところだね!
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