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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青き機体たち(スタンダードまとめ)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青き機体たち(スタンダードまとめ)
by 岩SHOW
グランプリ・マニラ2017は玉ちゃん(玉田遼一)の優勝にて幕を閉じた。日本からも多くのプレイヤーが参加したのだが、TOP8に名を連ねた日本の選手は玉ちゃんのみだった。
かつては日本からプロプレイヤーたちがアジアのグランプリに行って、トーナメント上位を独占することが多々あった。明確に、日本とその他のアジアの地域ではマジックのレベルに差があった。日本はコミュニティに恵まれていたし、強豪がそれぞれのネットワーク内でテクニックなどを共有しあっていた。
しかしインターネットの普及により情報格差がなくなった昨今、アジア全土のプレイヤーたちはその実力を増しており、全体のレベルは大きく底上げされているという。近年の日本国内グランプリでも、アジアから遠征してきたプレイヤーが勝つことは珍しいことではなくなった。グランプリ・神戸2017をマレーシアのジョー・ソー/Joe Sohが制したばっかりだしね。
そうそう、玉ちゃんと決勝でぶつかったチー・ウェンタオ/Qi, Wentaoはグランプリ・静岡2017春でも準優勝だった。強いねぇ。そんな彼が選んだデッキがこれだ。
6 《平地》 2 《島》 4 《港町》 1 《灌漑農地》 4 《秘密の中庭》 1 《異臭の池》 4 《産業の塔》 2 《霊気拠点》 -土地(24)- 4 《スレイベンの検査官》 4 《模範的な造り手》 4 《屑鉄場のたかり屋》 3 《栄光半ばの修練者》 2 《無私の霊魂》 4 《呪文捕らえ》 2 《大天使アヴァシン》 -クリーチャー(23)- |
3 《金属の叱責》 1 《停滞の罠》 1 《排斥》 3 《キランの真意号》 1 《霊気圏の収集艇》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(13)- |
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》 2 《致命的な一押し》 2 《石の宣告》 2 《否認》 1 《苦い真理》 1 《停滞の罠》 2 《燻蒸》 1 《黄昏 // 払暁》 1 《領事の旗艦、スカイソブリン》 1 《死の宿敵、ソリン》 1 《乱脈な気孔》 -サイドボード(15)- |
静岡では「マルドゥ機体」を用いていたチーだが、今回は色を変えて「エスパー機体」! 赤を青に変更、それに伴って白以外のデッキのパーツは大きく変更されている。黒の要素はメインでは《屑鉄場のたかり屋》のみで、サイド後は《乱脈な気孔》を足してより黒マナを得やすくして《ゲトの裏切り者、カリタス》を始めとする強力なサイドカードを用いることができるようになっている。
しかしながら黒よりも重要な役目を持つのは青!《金属の叱責》と《呪文捕らえ》で、打ち消し7枚体制だ。
プロツアー『カラデシュ』にて「ティムール・マーベル」が活躍できなかったのは、それを持ち込むプレイヤーが増えると踏んで多くのプレイヤーが打ち消し呪文を使用することを選択したからだった。中でも李詩天/Lee, Shi Tianが持ち込んだ《儀礼的拒否》入りの「4色機体」には驚かされたものだ。
このデッキのアプローチも同じく、《霊気池の驚異》を打ち消しつつ殴り勝つというもの。コンボが流行ればこの手のクリーチャーで殴りながら打ち消しを構えるデッキ、いわゆるクロック・パーミッションが隆盛してくるのは自然な流れだ。
同じくTOP8入賞のフィリピンのチョーロ・パスカル/Cholo Pascualも同じく、機体デッキに《呪文捕らえ》《金属の叱責》を採用したものを用いていた。彼のTOP8プロフィールを見ると、《呪文捕らえ》を瞬速持ちのブロッカーとして用いることで勝利したゲームもあるようで、この青白のクリーチャーの万能さは現環境でも健在のようだ。
2 《平地》 2 《灌漑農地》 4 《感動的な眺望所》 4 《秘密の中庭》 4 《尖塔断の運河》 1 《泥濘の峡谷》 4 《産業の塔》 3 《霊気拠点》 -土地(24)- 4 《スレイベンの検査官》 4 《模範的な造り手》 4 《屑鉄場のたかり屋》 4 《経験豊富な操縦者》 4 《呪文捕らえ》 1 《大天使アヴァシン》 -クリーチャー(21)- |
2 《蓄霊稲妻》 3 《無許可の分解》 2 《金属の叱責》 4 《キランの真意号》 1 《霊気圏の収集艇》 3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(15)- |
1 《大天使アヴァシン》 1 《儀礼的拒否》 2 《石の宣告》 2 《金属の叱責》 2 《光輝の炎》 2 《燻蒸》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 1 《先駆ける者、ナヒリ》 1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《炎呼び、チャンドラ》 1 《鋭い突端》 -サイドボード(15)- |
こちらは万能除去《無許可の分解》を採用しつつも青も足した欲張り仕様。マナトラブルだけが心配だが、これだけ多色土地に恵まれた現行スタンダードならばなんとかなるのだろう。
こうして見ると、今のスタンダードでは軽量除去よりも打ち消しの方が優先すべきものなのかなと思わされる。少なくともマニラの地ではそのアプローチが功を奏したわけだ。
3 《平地》 4 《感動的な眺望所》 1 《鋭い突端》 2 《灌漑農地》 3 《秘密の中庭》 4 《尖塔断の運河》 4 《産業の塔》 3 《霊気拠点》 -土地(24)- 4 《スレイベンの検査官》 4 《模範的な造り手》 2 《発明者の見習い》 4 《屑鉄場のたかり屋》 4 《経験豊富な操縦者》 3 《呪文捕らえ》 -クリーチャー(21)- |
4 《蓄霊稲妻》 3 《金属の叱責》 4 《キランの真意号》 2 《霊気圏の収集艇》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(15)- |
1 《儀礼的拒否》 2 《排斥》 3 《燻蒸》 2 《木端 // 微塵》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 2 《先駆ける者、ナヒリ》 1 《平地》 -サイドボード(15)- |
シンガポールのプレイヤーでプロツアーTOP8入賞経験もあり、先日グランプリ・北京2017にて優勝したケルヴィン・チュウ/Kelvin Chewも同じく《呪文捕らえ》機体デッキで10位に。こちらはメインデッキの黒を《屑鉄場のたかり屋》の能力のみに絞って、主力は白青赤のジェスカイ・カラーでまとめてある。より序盤からスムーズに攻めることができ、早いターンにクリーチャーなり《キランの真意号》なりを展開したら、後は打ち消しを構えて相手の《霊気池の驚異》を弾いて勝利へ一直線! 今日紹介した中で最も扱いやすいのはこの形かもしれない。
プロツアー『アモンケット』では負け組となってしまった機体デッキだが、青を採用して環境最大勢力に対抗できるように姿を変えて生き延びる道を選んだ。『破滅の刻』が発売される前には、更にもう一段階上のチューンになっているかもしれない。機体で勝てなくなったという人は、これらの形を試して、自分に合った最高の形を模索してみてほしい。
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