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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:死の影グリクシス(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:死の影グリクシス(モダン)
by 岩SHOW
えぇ!? もう!? グランプリ・静岡2017春なん? 会場にて僕と握手とか言ってる場合でなく、時間の無さにただただ焦る。ほんまかいな......準備まだまだできてないやん......あれ、ということは『モダンマスターズ 2017年版』の発売日ももう目の前ってことか。いや~、盆と正月が同時に来た的なこのマジック・エンジョイ・ウィークエンド。お家にこもってちゃ、もったいないにもほどがある! グランプリ会場で、あるいは近場のショップで、このタイミングしか味わえないマジック体験をしてほしいね!......宣伝は大事。
『モダンマスターズ 2017年版』にはメカニズム的な問題もあってこれまで再録されてこなかったカードが満を持しての勢ぞろい。皆が欲しかったカードも含まれているんじゃないかな。僕はやっぱり《タルモゴイフ》かなぁ~これで4種類目なので、1枚ずつバージョン違いをデッキに採用できるようになった!とかいうどうでもいい喜びは置いといて。最近大活躍のカードたちがここしかないという最高のタイミングで収録されているのはプレイヤーにとっては嬉しい限りだ。
例えば、最近鬼神のごとき活躍を見せている《死の影》もカムバック。1マナ13/13とかいうロマンの塊であり......まあ実際には1マナ5/5くらいで運用されるんだけども、土地を削ったタイプのデッキにおいて唱えやすいフィニッシャーとして採用されることが多くなってきた。《ギタクシア派の調査》が使えた頃に多く見られた、ライフ払いまくりオールイン系のデッキでなくても、このカードは強く使える。それが認知された結果、このようなデッキも現在のモダン環境には存在する。「死の影グリクシス」だ。
1 《島》 1 《沼》 2 《湿った墓》 2 《蒸気孔》 1 《血の墓所》 4 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 4 《血染めのぬかるみ》 -土地(19)- 4 《死の影》 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《瞬唱の魔道士》 2 《黄金牙、タシグル》 1 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー(15)- |
4 《稲妻》 4 《血清の幻視》 4 《思考掃き》 4 《呪文嵌め》 4 《思考囲い》 2 《致命的な一押し》 2 《マナ漏出》 1 《終止》 1 《コラガンの命令》 -呪文(26)- |
1 《イゼットの静電術師》 2 《外科的摘出》 2 《払拭》 2 《呪文貫き》 2 《マグマのしぶき》 3 《対抗突風》 1 《集団的蛮行》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《最後の望み、リリアナ》 -サイドボード(15)- |
いわゆる「グリクシス・デルバー」というデッキに《死の影》を足したもの。グリクシス(青黒赤)カラーのデルバー(《秘密を掘り下げる者》の通称)デッキであり、3色の軽量呪文の集合体といった具合。軽くて打点の高いクリーチャーを序盤に展開し、あとは相手の妨害をしつつ殴り切ろうという、いわゆるクロック・パーミッション戦略を用いる。
《秘密を掘り下げる者》を採用している関係上、土地は19枚に切り詰めインスタントおよびソーサリーを26枚採用。《昆虫の逸脱者》へ速やかに変身させるためにはこのような構築が不可欠。このデッキは土地が3枚も並べば大体やりたいことができ、むしろ後半に土地を引いた時の意味の無さが辛い。《血清の幻視》《思考掃き》で必要な分は引き込めるので、土地を引かなくて敗けるということはそうそうないので安心してほしい(まあ、あるにはあるんだけどね)。
これらの1マナドローはなかなかにトリッキー。《血清の幻視》の占術を活かして《秘密を掘り下げる者》確定変身という状況を作ったり、掘り下げる者の誘発型能力でチラっと見たトップが土地など不要なものだったら《思考掃き》で落としたり......この手の軽量ドローサポートは、「マジックをしている感」を味わえるので唱えているだけでも楽しいというプレイヤーもいるんじゃないかな。
これらドローサポートに加えての《思考囲い》《稲妻》《呪文嵌め》などの対戦相手への妨害も軽量呪文で行っていくと、自然と早いターンに墓地が膨れ上がる。それを美味しくいただく係が《黄金牙、タシグル》《グルマグのアンコウ》。
序盤にこれらを1マナで唱えることも、このデッキであれば難しくない。《思考掃き》は実質《暗黒の儀式》だ。空は《昆虫の逸脱者》、地上タシグルとアンコウで、両面から攻めることができれば最高だ。
この探査持ちクリーチャーズはフェッチランドに助けられているという側面もある。ライフを支払い、生け贄に捧げてライブラリーから土地をサーチするこのサイクルを、このデッキでは12枚取り入れている。土地を置くというマナ不要のアクションで墓地を肥やせることのありがたさったらない。
しかしこれらを12枚も採用し、それでサーチする先の土地がこれまたアンタップ状態で戦場に出すのには2点のライフを要求するショックランドであることを考えると......痛いんじゃない?と思うのは自然な話。だからこそ、苦痛が伴うデッキだからこそ、《死の影》を採用するに至ったというわけだ。なるほど納得。ちなみに以前はこの枠には《若き紅蓮術士》が採用されていることが多かった。このクリーチャーも悪くないが、単体で活躍する点などを考えれば《死の影》に軍配が上がるか。すべてはメタゲーム次第、ということで。
このデッキ自体は2016年夏ごろから登場しており、当時はまだ《通りの悪霊》などを搭載した、オールイン寄りの構成だった。時とともに安定感を重視していった《死の影》デッキは、今はジャンドとグリクシスに分派するという形でモダンにおいて存在感を誇っている。このアバターが使いたくなったそこのあなた! 今なら『モダンマスターズ 2017年版』のパックから飛び出してきますよ!......宣伝は大事。
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