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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:赤白金属術(Pauper)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:赤白金属術(Pauper)
by 岩SHOW
『霊気紛争』には『カラデシュ』に続き、多数のアーティファクトとそれに関するカードが収録される。これらを、あなたはどう見るだろうか? スタンダードで使えそう、モダンで新しいコンボパーツになる、レガシーでもチャンスがある、リミテッドが面白そうetc.......中にはこういう人もいるんじゃないかな、「コモンは、コモンに面白いカードはないか?」とリストを見返す日々を送る人が。
主にMagic Onlineで遊ばれる「コモン限定」構築フォーマット・Pauper。そこでは現在、アーティファクトを用いるデッキが大きく2種類ある。1つは「親和」。モダンのそれと同様、軽量のアーティファクトを高速展開するビートダウンデッキだ。《金属ガエル》《マイアの処罰者》と親和能力を持ったカードがちゃんと採用された正真正銘の「親和」デッキであり、名ばかりとなっているモダンのそれよりも親和らしさを有している。このデッキには『カラデシュ』より《歯車襲いの海蛇》が入り、最後の一撃をねじ込むナイスフィニッシャーとして存在感を示している。
今日そのリストをご紹介するのはもう1つのデッキ、「赤白金属術」だ。このデッキについて先に謝っておくと、実は金属術=アーティファクトを3つ以上コントロールしている時にボーナスを得られるカードは《感電破》しか入っていない。実はそれほど金属術どうこうといったデッキではないのだが......初出からずっとそう呼ばれており、定着してしまっているのでご了承いただきたい。何はともあれ、まずはリストをご覧いただこう!
1 《山》 1 《平地》 4 《大焼炉》 4 《古えの居住地》 4 《ボロスの駐屯地》 3 《隔離されたステップ》 2 《忘れられた洞窟》 1 《カビーラの交差路》 -土地(20)- 4 《きらめく鷹》 4 《スレイベンの検査官》 4 《コーの空漁師》 -クリーチャー(12)- |
4 《感電破》 4 《稲妻》 3 《カルドーサの再誕》 1 《炎の稲妻》 4 《胆液の水源》 4 《予言のプリズム》 3 《未達への旅》 2 《天使の粛清》 3 《金切るときの声》 -呪文(28)- |
2 《フェリダーの仔》 2 《電謀》 2 《炎の斬りつけ》 3 《赤の防御円》 2 《残響する破滅》 2 《光糸の場》 2 《溶岩の地割れ》 -サイドボード(15)- |
《きらめく鷹》という激シブカードがなんとも言えぬ懐かしさ。『ミラディンの傷跡』当時スタンダードで使ったなぁ。1マナ2/2飛行と破格のスペックの持ち主だが、戦場に出て留まるにはアーティファクトを1枚手札に戻さなければならない。《古えの居住地》ならば1ターン目に難なくそれが可能で......デッキの残りの部分もこのような軽量アーティファクト・手札に戻して出しなおすと得をするカードで構成されている。小さな歯車がカチカチと噛み合う、小技満載のデッキなのだ。
キーになるアーティファクトは《胆液の水源》、そして追加の水源としての《予言のプリズム》。これらのカードを戦場に出して、まずは1枚ドロー。それを《きらめく鷹》で戻して再展開してもう1枚、と小さな・しかし確実なアドバンテージを稼いでいく。《コーの空漁師》もアタッカーもブロッカーもこなすナイス2マナ飛行クリーチャーであり、鷹同様にこれらのアーティファクトを戻して手札が切れない展開を助けてくれる。
《胆液の水源》は戦場に出るだけでなく、墓地に置かれた際にもカードを引くことができる。この能力も美味しく使おうということで、アーティファクトを生け贄に捧げて何かするというカードも採用されている。
《カルド―サの再誕》は思い入れのあるプレイヤーも少なくないだろう1枚、これで《胆液の水源》を生け贄にしてドローしつつゴブリンを3体得る......懐かしい動きだ。本来ならアドバンテージを失うカードを、こう上手く組み合わせてデメリットを帳消しにするという構築、好きだなぁ。同じく《天使の粛清》も、カードを1枚引いてパーマネント追放という超絶除去に早変わりだ。こうやって手数を減らさずに、盤面をじわりじわりと自分の優位な形に持っていきつつ、軽量クリーチャーでビートを仕掛けていく。それがこのデッキの動きだ。
ゲーム終盤は《稲妻》《炎の稲妻》そして金属術達成の《感電破》を対戦相手本体に向けて投げつけて勝利!
このデッキでは採用されていないが、《農民の結集》を用いて一気に勝つ、よりアグレッシブなリストも存在する。トークン生成呪文として《金切るときの声》も採用しているので、文字通りの一撃必殺を狙えそうだ。パッと見アンコモンのコンボに見えるが、実はそれぞれコモンで再録されている(《農民の結集》は『エターナルマスターズ』で、《金切るときの声》はMagic Online限定セット『Vintage Masters』でコモン再録)。こういった見落としがないか、全セットのコモンを眺めてみるのも面白いぞ。
個人的には『霊気紛争』の《改良器具》なんかがもしかしたら採用されたりするのではないかと、現段階で公開されているカードを眺めて考えている(当コラム執筆時はまだ全カードが公開されていない)。新セットが出ると派手なレアや神話レア、堅実なアンコモンにどうしても目を奪われがちだが、コモンもしっかりと確認してやってほしいね。リアルでPauperのデッキを組んで、トーナメントを開いてみたりしても面白いだろう。日本のマジックシーンを、君の手で盛り上げていこう!
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