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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Sk-Red(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Sk-Red(モダン)
by 岩SHOW
《槌のコス》を用いるなら、デッキの山タイプの土地を増やそう、などと当たり前のことを書き綴って......仕事をやり終えて、金曜夜からとあるフェスティバルのために出かけて、土日を楽しく過ごして......月曜の早朝、職場に直行する新幹線の中でこの《槌のコス》を4枚採用した山まみれのデッキが、グランプリ王者になっていることを知る。ありがたいことに今週の最初の仕事はコイツで決まりやなと、小さくガッツポーズしながらスヤァしたのでした(どこからともなくアルミホイルが擦れるような音がしばらく聴こえて、なかなか寝付けなかったけどね...)。
というわけで、本日紹介するのは「Sk-Red」。このデッキの呼び名は「Skred Red」「Snow Red」「氷雪コントロール」などなど定まっていないが......個人的にはどこぞで見た「Sk-Red」がオシャレで良いなと。《雪崩し》の英名Skredと赤単を意味するRedをかけているのだ。ちなみにSkredとは英語ではなくノルウェー語で雪崩を意味するらしい。
この1マナインスタントは、あなたがコントロールする氷雪パーマネントの数に等しいダメージをクリーチャーに与える、万能除去。氷雪パーマネント?となるかもしれないが、要するに氷雪基本土地を......《冠雪の山》をいっぱい並べれば良い。たった1マナのインスタントで、《タルモゴイフ》も《原始のタイタン》も撃ち落とす《雪崩し》のコストパフォーマンスを活かした、いわゆるボードコントロール・デッキである。その全容を見てみよう!
20 《冠雪の山》 2 《占術の岩床》 -土地(22)- 2 《永遠の災い魔》 3 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》 3 《嵐の息吹のドラゴン》 -クリーチャー(8)- |
4 《精神石》 4 《雪崩し》 4 《稲妻》 4 《大祖始の遺産》 1 《黄鉄の呪文爆弾》 1 《マグマの噴流》 3 《神々の憤怒》 3 《血染めの月》 1 《殴打頭蓋》 4 《槌のコス》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文(30)- |
2 《ゴブリンの熟練扇動者》 2 《破壊放題》 1 《墓掘りの檻》 4 《ドラゴンの爪》 4 《溶鉄の雨》 2 《跳ね返りの罠》 -サイドボード(15)- |
カ、カッコイイ......赤単の良いところはデッキの土地が《山》ばっかりになるところだと思っているのだが、このデッキだと《冠雪の山》だ。尚よしッッ!《冠雪の山》は『アイスエイジ』版も『コールドスナップ』版もイラストが美しいからね。これらをズラっと戦場に並べると気持ちいいぞ。
デッキとしては《占術の岩床》を用いてどんどんと《冠雪の山》を置いていって、クリーチャーが出てくれば《雪崩し》《稲妻》で除去・横並びで対抗してくるのであれば《神々の憤怒》で蹴散らし、その後にフィニッシャーを出しておもむろに攻勢に転じるといったストーリーをたどる。赤単なのでやれることは限られるが、ゆえに色事故などの心配もなく毎回安定した動きが望めるデッキだ。
その構造上、クリーチャーを展開してくるデッキ相手には無類の強さを誇る。また、クリーチャー除去に長けたコントロールでも何度も蘇るゾンビに苦戦する「ドレッジ」戦も、《神々の憤怒》によってメインから対処できる点が現モダン環境に合っている。《大祖始の遺産》がメインから4枚積まれていることも、「ドレッジ」はじめ墓地活用デッキにとっては悲報である。
しかし特定の相手に効くからと言って、《大祖始の遺産》をメインから4枚?と疑問に思ったあなた。ご安心を、もちろんこのカードにはしっかりと役目が与えられている。それが《永遠の災い魔》の管理だ。
このエルドラージは、追放領域にある際に手札にあるかのように唱えることができる。3マナ3/3とサイズは普通だが、これで対戦相手のクリーチャーをブロックしつつ火力との合わせ技なんかでそれを除去ったら......相討ちとなって墓地に行った災い魔を《大祖始の遺産》を使って追放してやろう。すると何事も無かったかのようにこそこそと戦場に戻ってくる。これをゲームが終わるまで使い倒してやろうというわけだ。《神々の憤怒》に巻き込んでしまってもアドバンテージを失わない、かしこいヤツだ。これで地上を制圧するように動き、その後《ピア・ナラーとキラン・ナラー》《嵐の息吹のドラゴン》で空から殴り勝とう。
《冠雪の山》ばかりなので、《槌のコス》はその本領を発揮する。[-2]能力で溢れ出たマナで《嵐の息吹のドラゴン》怪物化なども狙えるし、クリーチャー主体のデッキ相手に紋章を得たらもう勝負アリ。どうです、このデッキ使いたくなってきたんじゃないですか?
このデッキには《雪崩し》を採用しているデッキではその姿をよく見た《ボロスの反攻者》が採用されていない。最後のトドメは《雪崩し》を反抗者に撃ち込んでの大ダメージ!というプチコンボはマニアの間では人気ではあったが、それだけで勝てるほどのコンボでもないし、もっと有効なカードに置き換えるべしという結論に至ったのだろう。
代わりと呼ぶにはあまりにも役割が違うが、《精神石》が4枚積まれているのは興味深い。使用していたKevin Mackieもこのデッキの最も重要なカードにこの《精神石》を挙げている。2ターン目は基本的にすることのないデッキなのだが、このアーティファクトを設置できれば続く3ターン目にはいきなりのコス登場だ。可能な限りこれが手札にある状態でゲームを始めたいものだ。
「Sk-Red」はこれまでとは比較にならないほどに目立ってしまった。目立ったということは、今後はマークされる側に回るということ。他のデッキは《血染めの月》への耐性を高めた構築・プレイングを身につけてトーナメントへ参戦してくることになるだろう。そういった時流の中で生き残り、モダンの主流デッキにその名を連ねることになるのか? あるいは「そんなデッキもあったなぁ」ということになるのか......1年後の環境が今から楽しみになってきたぞ。
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