- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」:4Cノーデルバー(レガシー)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:4Cノーデルバー(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:4Cノーデルバー(レガシー)
by 岩SHOW
さあいよいよ来週は! 皆が待ち望んだグランプリ・千葉2016だ! いや~、これが終われば、2016年日本国内グランプリも終了。「今年も終わりかぁ......いろいろあったけど、千葉で優勝できたから最高の年だったなぁ!」って言って1年を締めくくりたいものだ。というわけで今回からはグランプリ目指してレガシー成分多めで当コラムもお届けしていけたらなと。参加者の皆さんお役に......少しでも立つことができたならこれ以上の喜びはないね!
今日紹介するのは、なんというか実にレガシーらしいデッキである。レガシーと聞いて、まず思い浮かべるもの。かつての僕らはエクステンデッドと聞いてこれを思い浮かべていました。
答えはデュアルランド。そのまま訳すと二重土地、すなわち2つの基本土地タイプを持った10種類の土地のサイクルを指すマジック用語だ。『アルファ版』にて登場した(※1)、始まりにして頂点の2色土地である。
(※1:実は手違いにより『アルファ版』には《Volcanic Island》が収録されておらず、これだけ初出は『ベータ版』となる。《黒の防御円》も同じ。当時のプレイヤーは青赤デュアランだけ存在しないことを不思議がったことだろうね)
何せ、特段デメリットなし! ただ2つの土地タイプを持つ(すなわち2色生み出せる)というこの強力な土地は、その最初期から「パワー9」とともに使用され多くのデッキを多色化させ、スタンダードという概念ができた頃には基本セットから卒業していたが、エクステンデッドというフォーマットが誕生して再びその強力っぷりを発揮。そして、エターナル・フォーマットの誕生。レガシーでのこれらの土地の重要さは今更語るべくもないだろう。
デュアルランドと、それをサーチできるフェッチランドを用いれば......2色はもちろん、3・4色のデッキを構築することも問題なし。それ相応のリスクは背負うことになるが、その分できることが増えてデッキは強くなる。レガシーらしい、基本土地は使わない尖ったスタイルの4色デッキを紹介しよう。
3 《Underground Sea》 2 《Tropical Island》 1 《Volcanic Island》 1 《Badlands》 4 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 2 《新緑の地下墓地》 3 《不毛の大地》 -土地(20)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《悪意の大梟》 3 《タルモゴイフ》 2 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー(13)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 2 《コジレックの審問》 1 《思考囲い》 1 《稲妻》 3 《突然の衰微》 3 《目くらまし》 1 《トーラックへの賛歌》 2 《苦い真理》 1 《四肢切断》 1 《コラガンの命令》 4 《意志の力》 -呪文(27)- |
2 《二股の稲妻》 2 《紅蓮破》 2 《虚無の呪文爆弾》 1 《狼狽の嵐》 1 《侵襲手術》 1 《思考囲い》 3 《悪魔の布告》 1 《壌土からの生命》 1 《湿地での被災》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
一見青黒緑の3色デッキだが、こっそりと赤を足してある。現在レガシーでの4色デッキと言えば「4C(フォーカラー)デルバー」だが......このデッキにはデルバーこと《秘密を掘り下げる者》が採用されていない。「4Cノーデルバー」とでも言おうか、採用されている呪文は近いものがあるが、こちらのデッキの方がよりどっしりと、盤面を作って戦うコントロール寄りのデッキである。
呪文の構成自体は「4Cデルバー」「スゥルタイ・デルバー」にも近いものがあるが、その採用枚数が......はっきり言ってクレイジー。《トーラックへの賛歌》《稲妻》が1枚だけ採用されている。これを用いるデッキの多くは、これが初手に欲しくて4枚採用しているというのに......これらのカードは効果的な相手とそうではない相手が存在するカードなので、4枚採用することがマイナスに作用するゲームは確かに存在する。このデッキは200人以上が参加したトーナメントで優勝している。おそらくは「その日の人」要素も強かったんじゃないかなと思う。都合よく引けるのであれば、採用されている呪文の種類は多いに越したことはない。「欲張って最初は4枚ずつ入れたんだけど調整の末にこういう形になりました」的な独自リスト、僕は好きだなぁ。
1枚だけの《コラガンの命令》とか噛み合えば、対戦相手がドローしたばかりのカードを叩き落としつつ《瞬唱の魔道士》回収とかいうぶっ壊れたムーブでゲームの主導権をガッチリと握ることができるだろう。
クリーチャーのチョイスは手堅いものである。レガシーにおける1ターン目最強ムーブのひとつ《死儀礼のシャーマン》は、4色というこのデッキをデュアル&フェッチランドとともに支えるマナ基盤であり、ゲーム中盤からはお互いの墓地にある呪文をダメージ源に・クリーチャーを回復に用いてダメージレースを制する、驚異のクリーチャーだ。
これを使うためにレガシーやってます、というプレイヤーも少なくないのでは。墓地対策としても用いることができるのだから、ホント恐ろしいヤツ。
《死儀礼のシャーマン》のサポートにより戦場に出てくるのは《悪意の大梟》。これは1枚ドロー付きの接死・飛行持ちであり、ほとんどのクリーチャーと相討ちになることのできる、使い勝手が良すぎるブロッカーである。特に根強くトーナメントにて活躍中の「エルドラージ・ストンピィ」相手には素晴らしい仕事をする。《難題の予見者》《現実を砕くもの》など対処の難しいエルドラージ相手に先出しで睨みを利かせ、隙あらば空からペチペチと殴る......その上青いので、あまり効果的でないコンボデッキ相手には《意志の力》のコストとして追放することができると、良いことづくし。
《瞬唱の魔道士》2枚はよく見るが、《タルモゴイフ》3枚というチョイスもシブい。4枚採用すると1ゲーム中に2枚以上引く確率が高まり、またゲーム開始時の手札にこれが2枚以上来ても嬉しくない、ということからのこの枚数なのだろう。レガシーでは昔からコンボデッキ相手には「ハンデス(手札破壊)+タルモ+カウンター(打ち消し)構え」という対コンボ用コンボとも呼ぶべき型で臨めば百戦危うからずと言われていたりする。このデッキもそのトラディショナル・スタイルをベースにして組まれたんじゃないかなぁ。
サイドボードも面白い構成になっている。やはり赤を取れることで最大の利点《紅蓮破》を採用できるという恩恵はしっかりと受けつつ、最近では珍しい《二股の稲妻》を用いている。他に面白いチョイスは《悪魔の布告》。世代的にはたまらない2マナ除去の代表格、レガシーでこれを用いるということは、通常の除去では対処できない大型クリーチャーを1体展開してくるデッキを対策しているということで......すなわち、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を用いる「あのデッキ」対策だろう(あとは「リアニメイト」とか)。
今回は個性的なデッキを紹介したが、じゃあ明日は「あのデッキ」を取り上げるとしようか。レガシー界のお手軽勝利デッキを提示するので、連日読んでいただければ感謝の極みだ。
RANKING ランキング
-
広報室
年末年始もマジックづくし!「お年玉キャンペーン」&「プレマ&スリーブゲット!年末/年始スタンダード」開催決定|こちらマジック広報室!!
-
コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
ジャンド独創力:プランは複数、独創力のみにあらず(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.20戦略記事
今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
-
2024.12.19戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.19コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
2024.12.18戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.18広報室
2024年12月18日号|週刊マジックニュース
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事