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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:赤白トークン(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:赤白トークン(スタンダード)
by 岩SHOW
プロツアー『カラデシュ』は我々日本のプレイヤーにとって嬉しいエンディングを迎えたことは......もう皆さんご存知のことだろう。Twitterのトレンドになっていたぐらいだからね。八十岡翔太選手、優勝おめでとうございます!
2シーズン連続で日本人プロツアー王者が誕生し、日本はアメリカに次ぐ......いや、もう肩を並べる強豪国と言ってもバチは当たらないだろう。これからプロツアー王者含む数多くのプロプレイヤーたちが切磋琢磨し、日本のマジックのレベルはさらに上昇することだろう(そうあってほしい!)。国内グランプリの参加者も常に定員に達する勢いで......これからますます、日本のマジックシーンは盛り上がっていくこと間違いなし。
では、日本やアメリカ以外の国ではどうだろうか。個人的には今回のプロツアー、スイスラウンド1位通過の選手がギリシャ出身なのが熱いなと。ギリシャといえばワールド・マジック・カップ2014ではデンマークと決勝戦を争い、続く2015年もスコットランドと決勝ラウンド進出を賭けた試合を行っている密かな強豪国である......と個人的には思っている。
マキス・マツォカス/Makis Matsoukasはプロツアー初出場にも関わらず、3位という素晴らしい成績で今トーナメントを終えている。今後ギリシャのマジックシーンを牽引するヒーローとなることだろう。マジックが色んな国でガンガン盛り上がってくれたら良いなぁ。今日は彼の使用した「赤白トークン」を紹介しよう!
7 《平地》 6 《山》 4 《感動的な眺望所》 3 《鋭い突端》 2 《霊気拠点》 -土地(22)- 4 《発明者の見習い》 4 《スレイベンの検査官》 4 《模範的な造り手》 4 《無謀な奇襲隊》 3 《ピア・ナラー》 -クリーチャー(19)- |
4 《多勢》 4 《石の宣告》 4 《霊気装置の展示》 1 《蓄霊稲妻》 4 《密輸人の回転翼機》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(19)- |
2 《ランタンの斥候》 2 《異端聖戦士、サリア》 2 《断片化》 2 《蓄霊稲妻》 2 《抗戦》 2 《停滞の罠》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《鋭い突端》 -サイドボード(15)- |
今スタンダード環境での赤白のアグレッシブなデッキと言えば、機体を用いたデッキがまず思い浮かぶのだが......マツォカスが選択したのは機体シナジー重視のデッキではなく、赤と白が本質的に得意とする面展開+クリーチャー強化で戦うトークンデッキだ。
『カラデシュ』では《霊気装置の展示》《ピア・ナラー》という軽くて使いやすいトークン生成カードが登場した。『戦乱のゼンディカー』以降のセットが有していた軽量クリーチャーを多数展開する戦略を後押しする赤と白のカードを組み合わせる。簡単に思いつきそうで、なかなかこの発想に至るのは難しい。マツォカスは友人らとこのデッキを調整したそうだ。ギリシャの学生たち、やるなぁ。
デッキの目指すところはシンプルだ。アーティファクトをコントロールしているとサイズが上昇する《模範的な造り手》《発明者の見習い》を1ターン目から展開し、2ターン目には《霊気装置の展示》《スレイベンの検査官》によりアーティファクト・トークンを得て打点を高めて攻撃!2ターン目に出すアーティファクトは《密輸人の回転翼機》でも構わない......というか、それが理想だ。造り手、回転翼機、《ピア・ナラー》、ナラーが生成したトークンで回転翼機に搭乗してアタック......こんな流れるようなビートを決めたいものだ。
このデッキの爆発力を一段階高めているのが《無謀な奇襲隊》だ。怒濤コストで唱えると自分を除く他の味方のクリーチャーに速攻を与えてパワーも1上昇させるという、攻撃性に満ちた能力を持つこのゴブリン。前環境でも「白赤人間」の定番クリーチャーとして大車輪の活躍を見せたカードだったが、そのポジションは『カラデシュ』以降も変わることが無さそうだ。トークンを生み出すカード2種との相性は凄まじいもので、4~5ターン目に対戦相手が予測しえない大ダメージを叩き出してゲームを終了させまくったことだろう。残念ながら決勝ラウンドではこのカードが活躍できるようなドローがなかなか見込めず、寂しく単騎でアタックしていたが......あれは苦肉の策であるので、もしこのデッキを使用するのであれば、奇襲隊はよっぽどのことでない限り怒濤で唱えると肝に銘じておこう。
英語での名前の表記がどうしてもMATSUOKAに見えてしまうことから、ニコニコ生放送でも親しみを覚えて「松岡がんばれ」と応援する視聴者が多数いたマツォカス。ギリシャを代表するプレイヤーとして世界に認知されるような活躍を期待したいものだ。彼が次のプロツアーやグランプリに持ち込むデッキからも、目が離せないかも?
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