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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:URデルバー(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:URデルバー(レガシー)
by 岩SHOW
人がデッキを動かしているのを観ると、自分でイメージしていたよりもずっと強い動きをして驚くことがある。先日、はまちのあだ名で知られる藤本岳大のゲームに立ち会った際、彼が回していたデッキが思いのほかザクザクと良い動きをしていて、おおこれは良いなぁと思わされたデッキがあった。
早めに種明かしすると「URデルバー」だ。デルバーはDelver of Secretこと《秘密を掘り下げる者》のことで、青(U)と赤(R)の2色でこのデルバーを用いた早期決着ビートダウンデッキのことである。数あるデルバーデッキの中でも、その速度・攻撃力はNo.1とも言われている。このデッキ、インスタントとソーサリーを大量に使用する特性上、《騒乱の歓楽者》と相性が良いとされ、これを投入したリストがここ1~2か月間で多数結果を残していた。デイリー・デッキを書くにあたってこれらにも目を通していたのだが......歓楽者、戦場に出るのか?という疑問がぬぐえなくて......
普段もっと無茶苦茶なデッキを紹介してるのに何を言ってるんだと思われるかもしれないが、半信半疑のまま『カラデシュ』環境を迎えようとしていた、そんな折に冒頭で述べたように、はまちがこの歓楽者入りのデッキを用いているのを観て「お~結構普通に出るやん」と感心したのである。
2 《島》 1 《山》 4 《Volcanic Island》 4 《沸騰する小湖》 4 《溢れかえる岸辺》 1 《汚染された三角州》 -土地(16)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《僧院の速槍》 3 《嵐追いの魔道士》 2 《騒乱の歓楽者》 -クリーチャー(13)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 1 《定業》 4 《稲妻》 4 《稲妻の連鎖》 2 《発展の代価》 4 《目くらまし》 4 《意志の力》 -呪文(31)- |
1 《硫黄の精霊》 2 《外科的摘出》 2 《紅蓮破》 2 《狼狽の嵐》 1 《呪文貫き》 2 《粉々》 1 《無のロッド》 1 《四肢切断》 1 《硫黄の渦》 1 《紅蓮操作》 1 《乱暴 // 転落》 -サイドボード(15)- |
4枚はやりすぎだが、2枚くらいなら問題なく運用できるということが、実際の動きを目の当たりにしてよくわかった。かの極悪ドローカード《宝船の巡航》が禁止される前に全盛期を迎えていた「URデルバー」。《宝船の巡航》は墓地のカードであれば土地でもクリーチャーでも探査能力の餌にしてマナ・コストを軽くできたため、元が8マナと重くても4枚ガッツリと採用できた。生け贄に捧げることで墓地を肥やす《沸騰する小湖》などのいわゆるフェッチランドをカウントできるのが探査の強みで、それと比べるとインスタントとソーサリーしかカウントしないのが《騒乱の歓楽者》の劣るところ。そこがずっと気になっていたのだが......「URデルバー」がゲームに勝利するには自然とインスタントandソーサリーを6つ以上唱えていたりするので、そんなに苦しい条件ってわけでもないのだなと。
その大量に唱えるインスタントおよびソーサリーは大きく分けて3つ。ドローと打ち消し、そして火力だ。
ドローは《ギタクシア派の調査》が実質0マナ、残りは1マナで《思案》《渦まく知識》《定業》。合計で13枚あるので、ゲーム開始時に手札に1枚はあるだろう。1~2ターン目にこれらを唱えれば、土地なりクリーチャーなり欲しいカードも見つかるし、次のこれらの呪文に繋げることもできるだろう。
打ち消しは《意志の力》《目くらまし》。言わずと知れたマナ不要カード=ピッチスペルで、マナを払わずに早いターンから対戦相手の妨害に使用することができる。
火力も1マナ3点が8枚、これで対戦相手のクリーチャーを除去してもよし、本体にダメージを与えてよし。これらもドローから探して来て、序盤から攻め立てていこう。
《騒乱の歓楽者》を抜きにして、軽量クリーチャーは11枚。こう見ると一般的なビートダウンよりはかなり少なく、1ゲーム中に何枚も引けるとは限らないため......しっかりとゲーム開始時の手札にクリーチャーがいる状態でキープ宣言をしたいものだ。まあドロー呪文と同じく、1枚は手札に来ることだろう。これをしっかりと打ち消しで護ってやりたい。《僧院の速槍》《秘密を掘り下げる者》といまさら語るまでのない打点が高すぎる1マナクリーチャーに加えて、採用されているのが《嵐追いの魔道士》だ。
飛行・速攻・果敢という攻撃的なスペックを活かして、《タルモゴイフ》など地上クリーチャーの上からプレイヤーを爆撃してやろう。青いため《紅蓮破》《赤霊破》の的にはなってしまうが、緊急時に《意志の力》のコストに使えるという「青いクリーチャーの褒めどころ」を持っているということでそこは許してやってほしい。タフネスを上げることで相手の《稲妻》などに耐えることもできるので、相手にマナの余裕がある状況でも《目くらまし》が活きたりするのは《僧院の速槍》と同じセールスポイント。果敢って強い能力やね。
で、その果敢を持つ《騒乱の歓楽者》。手札をすべて捨てるとは言え、3枚ドロー+3/4果敢を最安で2マナって......一度決めるとヤミツキになりそうなスペックだ。戦場に出たときの能力がスタックにある状態で《渦まく知識》を撃つと不要な土地などを引かずに質の高いカードを引ける確率が高まるので、ぜひ一度この気持ちいい動きをしてみてほしい(強いというわけではないが...)。殴りだせばその打点はレガシーでも随一、《稲妻の連鎖》《稲妻》《発展の対価》と絡めて二桁ダメージを決めてやろう。
とにかくゲーム開始から終了まで前のめりで戦うことを要求されるデッキではあるが、対戦相手次第では毎ターン引いたカードを投げるよりもある程度貯めこんでから一気に吐き出す方が効果的な場合もある。柔軟さが求められる、簡単に見えて難しいデッキだと個人的には思っている。このデッキをやり込んでいるのが、マサシロくんこと黒田正城氏だ。グランプリ・千葉2016の前に話しかける機会があれば、アドバイスをもらっちゃおう! 顔は怖いが優しいよ。
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