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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:8Rack(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:8Rack(モダン)
by 岩SHOW
そこのあなた、今「どれだけクリーチャーを出しても除去されるし、コンボには速度で負けるし......」そう思っていたでしょう? いやいや隠さずともお見通しですよ。ご安心ください、私怪しい者じゃございません。イイデッキをご紹介することを仕事にしているものです。あ~紹介と言っても、お代は一切頂きません。あなたのようなプレイヤーのお役に立てれば、それが私の本望ですから......。
さて、早速本題に入りましょう。あなたはモダンを主にプレイされている。モダンと言えば......最近では「やりたいことやったもん勝ち」とトッププロも言うように、とにかく強力なコンボデッキが環境の中心に存在していますな。例えば、つい先日開催されたStarCityGames.com Orlando Modern Openの上位デッキリスト。「感染」「グリセルシュート」「スケープシフト」「コーラルヘルム」「ドレッジ」......コンボ要素の強いデッキが勝ち残っておりましたね。
ビートダウンと言っても「バント・エルドラージ」に「親和」「バーン」と、どちらかと言えば真っ当ではない=アンフェアと呼ばれるタイプのデッキで、他にもこのトーナメントでは勝ってはいませんが「死の影アグロ」「むかつき」「トロン」などなど、モダンは全力でやりたいことを目指してくるデッキばかり。そういうデッキがぶつかり合う中で、クリーチャーを真面目に展開して普通に殴ることは非力に感じてしまうことでしょう。
かと言って、コンボは性に合わないし、コントロールも結局勝つのに時間がかかってその間にコンボを決められて負けてしまう、ゆえに使うデッキがないと、お嘆きですね。ご安心を、私があなたのために、プレイングも簡単でコンボにも勝てるデッキを見つけてきましたよ。もうクリーチャーで殴るのはおやめなさい。ただし、このデッキを気に入ってしまうと、以前までのマジックに二度と戻れなくなりますよ? それでもよろしければ、こちらをご覧ください......ドーーーン!
16 《沼》 4 《変わり谷》 4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(24)- -クリーチャー(0)- |
4 《拷問台》 4 《金切り声の苦悶》 4 《コジレックの審問》 3 《思考囲い》 4 《カラスの罪》 2 《葬送の魔除け》 4 《小悪疫》 3 《精神ねじ切り》 4 《四肢切断》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(36)- |
2 《死の影》 2 《精神病棟の訪問者》 2 《死の印》 2 《見栄え損ない》 2 《大祖始の遺産》 2 《無駄省き》 1 《鞭打つ触手》 1 《虚空の力線》 1 《魂の裏切りの夜》 -サイドボード(15)- |
《拷問台》デッキ、通称「8Rack」です。このデッキを使うのはとーっても簡単。対戦相手の手札を捨てさせ続ければ、おのずと勝利が転がり込んでくるのです。どうです、この黒単色の美しい姿。モダン環境にあるありとあらゆる手札破壊の中から、厳選したものを集めたのがこのデッキでございます。ではカードの役割を見ていきましょう。
ごらんのとおりクリーチャーは0枚。あなたはもう「相手は除去を持っているか・引かれるか」「このクリーチャーを展開した返しで死なないか」なんて考えなくて結構。わずか1マナのアーティファクト《拷問台》と、類似エンチャント《金切り声の苦悶》を用いて勝利するのです。
それぞれアップキープに能力が誘発し、《拷問台》は「3ー(そのプレイヤーの手札の枚数)」のダメージを与え、《金切り声の苦悶》はそのプレイヤーの手札が1枚以下だった場合3点のライフを失わせます。どちらも、手札の枚数が少なければ少ないほど効果を発揮するパーマネントでございます。これらならば、わずか1マナ支払って設置するだけで、後は自動的に対戦相手を追い詰めていきます。面倒な戦闘に関して頭を悩ませる必要はございません。
とは言っても対戦相手が果たして手札を消費してくれるとは限りません。むしろこれらのカードを見せれば、相手は戦場の土地の枚数も最小限に抑えて、1枚でも多く手札を握ろうとしてくることでしょう。そこで、このデッキは残りの呪文のほぼすべてを手札破壊、いわゆるハンデスに割いているのです。その枚数なんと24枚。徹底的に対戦相手の手札を落としていくのが、このデッキの戦略でございますよ。
《コジレックの審問》《思考囲い》というハンデス界のスーパースターについては今更語る必要もなさそうですが......アーティファクトを持たない相手には1対2交換を迫れる《精神ねじ切り》なんてシブい1枚ですなぁ。最近は《ミシュラのガラクタ》を採用するデッキが少しばかり存在しますが、それでもアーティファクトを採用していないデッキが圧倒的に多いことでしょう。
クリーチャーも土地もまとめて奪う《小悪疫》、これは連打することが出来ればクリーチャー主体のデッキを奈落の底へ突き落すことができます。「感染」デッキが意気揚々と1ターン目《ぎらつかせのエルフ》を出してこようものなら......オイシクいただいちゃいましょう。
そして先述のように手札を握り続ける相手に対して、ならばこちらもいつまでも手札を落とし続けるぞという気概に満ちた《カラスの罪》。これらで手札を空にしておけば、対戦相手のドロー後に《葬送の魔除け》を唱えて一種のロック状態に持ち込むことも可能でございますよ。
これらと《ヴェールのリリアナ》とを併せて、手札をズタズタに引き裂いてやりましょう。これでもう、コンボデッキに頭を悩ませることもありません。どうです、素晴らしいでしょう?
......
いやぁ、今日も良いデッキが紹介できて気持ちが良いものです。メガハンデスとも呼ばれるこのデッキの信者を増やすことに貢献できたのであれば、嬉しい限りで。......ただ申し遅れましたがこのデッキ、大きなトーナメントでTOP8に残ってしまったことで「目立って」しまいまして......おそらく意識の高いモダンプレイヤーたちは警戒レベルを上げて《神聖の力線》をサイドボードに積んでくることでしょう。そうなればもう手も足も出ませんなぁ。この忠告を読まずにデッキを組んでトーナメントに臨んだ方たちの精神がねじ切れなければ良いのですが......オ~ッホッホッホ。
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