- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ダーク・バント(レガシー)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ダーク・バント(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ダーク・バント(レガシー)
by 岩SHOW
人は「ダークサイド」なるものに惹かれる。強大なる闇の存在......代償なしでは得られぬ、暗黒面の力。あらゆるファンタジー作品において、常道を踏み外しダークサイドに属するキャラクターたちが登場し活躍する。マジックにおいても、黒が絡むクリーチャーやプレインズウォーカーは恐ろしき闇の力を振るう。個人的に好きなのは《無慈悲なる者ケアヴェク》かな。
さて、マジックの背景世界のみならず、そのゲームにおいてもダークサイドに飲まれたデッキというものは存在する。本来ならば黒と関係のない色で構成されたデッキに、黒いカードをほんの少し加える(これを「タッチ」と言う)ことで、本来そのデッキが有さなかった除去や手札破壊が使えるようにする構築がしばしば見られる。こういったデッキを「ダーク○○」と呼ぶ。近年で最も活躍したダーク系のデッキと言えば「ダーク・ジェスカイ」だろう。青白赤のジェスカイカラーのデッキに《はじける破滅》や《苦い真理》といったカードを追加採用したこのデッキは、『戦乱のゼンディカー』発売後のスタンダードでは高い人気を誇ったのも今となっては懐かしい。
こういう前フリをしたからには、今日はダーク○○をご紹介するということ。それではご覧いただこう、レガシーの「ダーク・バント」だ。
3 《Tropical Island》 2 《Tundra》 1 《Underground Sea》 4 《霧深い雨林》 2 《溢れかえる岸辺》 2 《吹きさらしの荒野》 1 《低木林地》 4 《不毛の大地》 -土地(19)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《貴族の教主》 4 《石鍛冶の神秘家》 3 《真の名の宿敵》 1 《トレストの使者、レオヴォルド》 -クリーチャー(16)- |
4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 2 《思案》 4 《目くらまし》 1 《森の知恵》 4 《意志の力》 1 《梅澤の十手》 1 《火と氷の剣》 1 《殴打頭蓋》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《遍歴の騎士、エルズペス》 -呪文(25)- |
2 《翻弄する魔道士》 2 《外科的摘出》 2 《狼狽の嵐》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 2 《突然の衰微》 2 《盲信的迫害》 1 《解呪》 1 《壌土からの生命》 1 《クローサの掌握》 -サイドボード(15)- |
一昔前に......いやもう二昔以上前にもなるか。レガシー環境において頂点に君臨していたデッキのひとつであった「バント石鍛冶」を思い出させるデッキである。緑のマナ加速からの《石鍛冶の神秘家》による装備品戦略、それをサポートする青い打ち消しとドロー、そして白い除去......という、シンプルな構成のデッキであった。
今回このデッキに追加されたダーク要素は...メインデッキではわずかに《死儀礼のシャーマン》の能力起動に用いるのと、《トレストの使者、レオヴォルド》のみに留まる。シャーマンはマナクリーチャーの追加であり、ライフ回復もダメージ源としての仕事もこなすスーパー1マナクリーチャーとして広く知られていることだろう。今日は主に《トレストの使者、レオヴォルド》について語ろう。
たった1枚の採用ながら、このレオヴォルドの能力はレガシーというフォーマットに実に噛み合っており強力だ。3色要求するということで唱えるためのハードルは高いが、一度戦場に出てしまえば対戦相手の《渦まく知識》も《思案》も《森の知恵》も《垣間見る自然》も《信仰無き物あさり》も怖くない。レガシーではこれらを用いてコンボパーツをかき集めたり物量で押すデッキが多く存在するため、それらに対して先置きで蓋が出来るレオヴォルドの能力は魅力的なものである。
また、もう1つの能力も絶妙にいやらしい。レオヴォルドが戦場にいる限り、あなたやあなたのパーマネントは対戦相手の呪文や能力の対象になり辛くなることだろう。たとえ《不毛の大地》を起動して土地を割ったところで、カードを引かれてすぐさまリカバリーなんてされたら割に合わないからだ。レオヴォルドがすぐさま《稲妻》や《剣を鍬に》で除去されても1枚ドローは確約されるし、もしそこで《意志の力》《目くらまし》を引いたらそのまま護ってやることだって可能だ。これがマナクリーチャー経由で2ターン目なんかに戦場に出て来たら、厄介なことこの上ないだろうな。
対戦相手の土地を《不毛の大地》《リシャーダの港》で抑え込んで《罰する火》を投げつけてクリーチャーを除去する「Lands」にとっては、まさしく悪夢のようなクリーチャーである。伝説のクリーチャーということもあって1枚に抑えられてはいるものの、今後も「Lands」が幅を利かすようであればその枚数は増えていくかもしれない。このデッキのようにバントで採用する以外にも、出張先は多くなるかもね。
黒を採用することで得られるのはレオヴォルドのみではなく、サイドボードには《突然の衰微》《妄信的迫害》、あと黒マナがなくても使用できるが《外科的摘出》が採用されている。メインでの対戦でレオヴォルドを引かず、黒い要素を一切見せずにゲームを終えていたら......《妄信的迫害》なんて予想外の角度からぶっ刺さることだろう。こういった対戦相手の意表を突くサイドボードを行えるのもダーク系が売りにしているところである。メインで勝っている状況では、無駄にタッチしている色を見せない、というのも大事なことだ。
「ダーク○○」の歴史は古く、個人的には「ダーク・ファイアーズ」世代だったりするので......今後、そういったデッキも紹介していくことになるだろう。どんなデッキにも気が付けば黒をタッチしてしまうダークサイドの信者たちよ、その刻が来るのを待っていてくれたまえ。
RANKING ランキング
NEWEST 最新の読み物
-
2024.11.5戦略記事
放血者×斬鬼、世界選手権でも炸裂!デーモンデッキ2選(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.5読み物
『ファウンデーションズ』プレリリース・ガイド|翻訳記事その他
-
2024.11.5お知らせ
『ファウンデーションズ』のアート・カード|お知らせ
-
2024.11.5読み物
マジック:ザ・ギャザリング『ファウンデーションズ』のメカニズム|翻訳記事その他
-
2024.11.4戦略記事
世界の頂点に悪魔が来る!加虐者型ディミーア・デーモン(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.2広報室
先行リリースキャンペーンも復活!11月8日~14日はWPN店舗で『ファウンデーションズ』プレリリースを楽しもう|こちらマジック広報室!!
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事