READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青黒コントロール(ヴィンテージ)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青黒コントロール(ヴィンテージ)

by 岩SHOW

 マジック黎明期より中期にかけて、欲望を叶える色と言えば青と黒だった。対戦相手にやりたいことをさせない打ち消し呪文とドローを司る青、カードをサーチしたり再利用したりマナを伸ばす黒。古来より、この2色はタッグを組んでやりたいことをやってきた。コンボデッキを組むのであれば、この2色に限るね。あるいはコントロールを組ませても良い色だ。逆に、ビートダウンは得意ではなかった。テクニカルに呪文を使いこなして勝利したいのであれば、青黒をやれとよく言われたものである。

 最近では青黒もゾンビデッキを組めるようになったりして、コンボやコントロール一辺倒というわけではなくなってきた。しかしオールドファンからすれば、まだまだ上記のようなクリーチャーでない呪文の色という印象が強い。そんなプレイヤーたちが古き良き青黒の姿を拝むことのできるフォーマットがヴィンテージだ。原則としてすべてのカードが使えるこのフォーマットでは、やりたい放題な青と黒のパワーが溢れている。さあ、その欲望をこのデッキで叶えろ......。

desolutionist - 「青黒コントロール」
Magic Online Vintage Premier 8位 / ヴィンテージ (2016年7月30日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《冠雪の島
2 《Underground Sea
4 《汚染された三角州
1 《溢れかえる岸辺
2 《地底の大河
1 《トレイリアのアカデミー
1 《アカデミーの廃墟
1 《露天鉱床
1 《Library of Alexandria

-土地(15)-

3 《闇の腹心
1 《荒廃鋼の巨像
1 《瞬唱の魔道士
4 《難題の予見者

-クリーチャー(9)-
1 《Black Lotus
1 《Mox Pearl
1 《Mox Sapphire
1 《Mox Jet
1 《Mox Ruby
1 《Mox Emerald
1 《魔力の墓所
2 《精神的つまづき
2 《師範の占い独楽
1 《Ancestral Recall
1 《渦まく知識
1 《狼狽の嵐
1 《魔力の櫃
1 《太陽の指輪
1 《呪文嵌め
1 《鋼の妨害
1 《吸血の教示者
1 《通電式キー
4 《Mana Drain
1 《Demonic Tutor
1 《Time Vault
1 《Time Walk
1 《修繕
1 《ヨーグモスの意志
2 《けちな贈り物
4 《意志の力
1 《精神を刻む者、ジェイス

-呪文(36)-
2 《詮索好きのホムンクルス
3 《ハーキルの召還術
2 《はね返り
1 《毒の濁流
4 《貪欲な罠
1 《殺し
1 《
1 《ヴォルラスの要塞

-サイドボード(15)-

 打ち消し呪文が計13枚と、妨害手段がしっかりと搭載されているのでデッキ分類はひとまずコントロールとした。この新旧揃ったザ・カウンターズ、その内訳は1マナが4種5枚、2マナが《Mana Drain》4枚、そして5マナだけども実質0マナ《意志の力》が4枚と、その軽さも魅力だ(《精神的つまづき》も実質0マナだね)。というよりも、相手が仕掛けてくる呪文が軽すぎてこれぐらい軽くないとやってられない。

 これらの打ち消し呪文の中でも、ヴィンテージならではのものと言えば《Mana Drain》だ。このカードは呪文を打ち消し、次のあなたのメイン・フェイズにその呪文の点数で見たマナ・コストに等しい値の無色マナを得ることができるというなかなかのぶっ壊れ。相手の妨害をしつつ、次の自分のターンでは得たマナで反撃開始と洒落こむわけだ。一度使われると、その強烈さに目玉が飛び出すこと請け合い。

 この青の妨害に加え、《Black Lotus》にMox、《Ancestral Recall》と《Time Walk》いうPower9がズラリと並ぶお馴染みのデッキリスト。黒が担っているのメインデッキではアドバンテージ稼ぎ役だ。《闇の腹心》は除去が薄目なデッキ相手には延々とカードを供給し殴っていく、非常に頼りになる2マナクリーチャー。これに加えて制限カードである《吸血の教示者》《Demonic Tutor》《ヨーグモスの意志》が続く。前者2枚は何でも探してくることのできるお手軽万能サーチ、後者はまさしくぶっ壊れな墓地再利用カードだ。この呪文が使えるからヴィンテージをやっているという人もいるくらい、マジックの長い歴史でも屈指のパワーと魅力を持った最高の呪文である。疑問をお持ちの方がいたら、ぜひ一度《Black Lotus》《Ancestral Recall》なんかを使いまわされて泡を吹く経験をしてみてほしい。

 さて、青と黒それぞれの壊れ呪文を紹介したところで、このデッキの勝ち手段にも触れておこう。大体が3つのプランから1つを用いて勝利することになる。

 プランAは、《修繕》+適当なアーティファクト=《荒廃鋼の巨象》でワンパンチ感染KO。まさしく一撃必殺だ。《剣を鍬に》などがあまり採用されないヴィンテージでは、出たら勝ち!(なのでこのデッキのように《鋼の妨害》を積んでいるデッキが少なくない。)

 プランBはお手軽無限ターンだ。《Time Vault》はタップするだけで追加ターンを得られるという頭がおかしくなりそうな起動型能力を持っているが、タップ状態で戦場に出て通常の方法ではアンタップできない。ターンを飛ばすことでようやくアンタップしてその能力を使う準備が整うという、なかなかに手間のかかるカードだが...《通電式キー》を使えばご覧の通り!たった1マナで毎ターン追加ターンが得られる、即ち勝利である。4マナ捻出できれば《Time Vault》と《通電式キー》を並べて能力起動まで行けるので、下手すりゃ先手1ターン目でこれを決めて対戦相手は1度も自身のターンを迎えずにゲーム終了なんてこともあり得る。想像するだけで変な汗をかいてしまう。これらのプランを押し通すために、青と黒の呪文を用いるというわけで、コントロールとは言ってもなかなかに攻撃的なデッキである。

 さて、3つのプランと言ったので、では最後の1つを明かそう......殴って勝つ。以上!身も蓋もないが、実際にAとBをちらつかせながら殴って勝つというプランを取ることは多々あるだろう。《闇の腹心》に《瞬唱の魔道士》に...そしてよく見りゃ《難題の予見者》。これが強い。

 4マナと重そうに見えるが、《Black Lotus》にMox5種に《太陽の指輪》に《魔力の櫃》に《魔力の墓所》とマナ・アーティファクトによってマナは伸びまくりなので問題なし。制限カードが多く、またサーチが多いためにデッキに1枚挿しのカードの多いヴィンテージにおいて、キーカードをこれでぶっこ抜いてやればもう二度とコンボが決まらなくなったりする(このデッキのプランABもそれだ)。そうやって妨害しつつ、4/4のボディで殴る。打ち消し呪文も絡めて、相手を封じつつ勝つのだ。なんともコントロールっぽくて良いではないか。この無色マナを必要とするエルドラージのために《地底の大河》が採用されているのが、これまた良いねぇ。

 コツコツコントロールしても良し、ワンパンチや無限ターンで勝っても良し。ヴィンテージならではのデッキを体験してみてはいかが?

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索