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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:同盟者(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:同盟者(モダン)
by 岩SHOW
たまたま偶然なのかはたまた計算か。世の中には面白い形でリンクするものがある。マジックにおける「同盟者」も、そんな存在であると僕は思っている。同盟者はクリーチャー・タイプの1つで、初出は『ゼンディカー』。ゼンディカーと聞くとエルドラージとの戦いが連想されるが、振り返ってみれば初代『ゼンディカー』および『ワールドウェイク』のテーマは「冒険」であった。プレインズウォーカーですら苦戦する、危険な罠と独特のマナに満ちたゼンディカーには、数々の遺跡や秘宝も眠っている。それを探すため、その危険に立ち向かうために、ゼンディカーの住人たちは種族の壁を越えて協力し、冒険に満ち溢れたこの次元に挑む。そんな手を取り合った冒険仲間をカード化したものが同盟者である。
彼らは実は開発段階では「冒険者」というキーワード能力を持ったクリーチャーとしてデザインされていた。冒険者能力を持つクリーチャーが複数並ぶことで、それらがパーティーを組んで強くなる、というイメージの元に作られたそれは、しかしキーワード能力にするにはややこしいなどの問題があり、調整の末に能力ではなくクリーチャータイプとなった。そしてこの際に、冒険者/Adventurerでは長すぎてタイプ欄を圧迫するとのことで、同盟者/Allyとなったのだ。
この同盟者は『エルドラージ覚醒』の際に一度その姿を消すが、『戦乱のゼンディカー』にて復活。かつてゼンディカーの危険と謎に挑んでいた者たちが再び手を取り合って、そのゼンディカーを侵蝕するエルドラージに対して同盟として立ち向かう......胸が熱くなる展開だ。もし開発時のまま冒険者という能力になっていたならば、この同盟者というタイプがもたらした感動は生まれず、むしろ「何呑気に冒険なんかしてるんよ!」とツッコまれていたかもしれないと考えると面白いね。これは偶然なのか、計画通りなのか......はたして。
1 《森》 2 《平地》 1 《寺院の庭》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《聖なる鋳造所》 4 《吹きさらしの荒野》 1 《樹木茂る山麓》 4 《同盟者の宿営地》 4 《魂の洞窟》 1 《地平線の梢》 -土地(20)- 4 《探検隊の特使》 4 《ハーダの自由刃》 4 《アクームの戦歌い》 4 《ヘイラバズのドルイド》 4 《カザンドゥの刃の達人》 4 《オラン=リーフの生き残り》 4 《無謀な奇襲隊》 3 《炎套の魔道士》 2 《ランタンの斥候》 -クリーチャー(33)- |
3 《流刑への道》 4 《集合した中隊》 -呪文(7)- |
2 《呪文滑り》 3 《石のような静寂》 2 《ランタンの斥候》 1 《オンドゥの僧侶》 1 《古えの遺恨》 1 《天啓の光》 2 《戦列への復帰》 1 《暴走の先導》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -サイドボード(15)- |
今日紹介するのは、そんな新旧同盟者が手を取り合った、モダンのデッキ「ナヤ同盟者」デッキだ。デッキのつくりはこの「部族ウィーク」でも屈指のわかりやすいもの。マナ・カーブに沿って同盟者を展開していき、殴る。以上ッ。......で終わっては怒られてしまうので、各同盟者解説でもしようか。
1マナ圏は《探検隊の特使》《ハーダの自由刃》が計8枚。特使は同盟者能力を1つも持っていない、いわゆるバニラクリーチャーではあるが、1マナパワー2と打撃力があり、また後半引いてきても同盟者の能力を誘発させるのが容易であるため悪くない。自由刃は同盟者が戦場に出ると+1/+1カウンターを1個得る、THE同盟者能力の持ち主。後続を展開すれば勝手に《タルモゴイフ》くらいのサイズに育っていることだろう。
2マナ圏の《カザンドゥの刃の達人》《オラン=リーフの生き残り》も同じくサイズアップする能力を持っており、このあたりをしっかりと展開できる手札でゲームを始めたいものである。《アクームの戦歌い》はこれらと違ってターン終了時まで限定ではあるが、同盟者全体のパワーを上昇させる能力持ち。《ヘイラバズのドルイド》は同盟者の数だけマナを出す能力で、後続の展開をサポート。土地を20枚と切り詰めているこのデッキで、4マナの《集合した中隊》を唱えるのを可能にしてくれる頼もしいカードだ。
3マナ圏は《炎套の魔道士》《ランタンの斥候》《無謀な奇襲隊》と、『戦乱のゼンディカー』ブロックにて登場した同盟者たちが固める。前者2枚は「結集」能力で同盟者が戦場に出るたびに自軍のクリーチャーに戦闘で有利になる能力を付与してくれる。《無謀な奇襲隊》は怒濤で唱えることで全クリーチャーのパワーを上げつつ速攻を与えるので、相手が全く計算できない角度から二桁ダメージを叩き出して勝利する、なんてことも可能なので使い時には注意。戦場に出た際に速攻を与えるので、先に挙げた《ヘイラバズのドルイド》→怒濤で奇襲隊と動くといきなり大量のマナを生み出して手札を全部展開、なんてムーブもできるぞ。
部族デッキで定番の《集合した中隊》、このデッキでもしっかりと4枚採用されている。実は他の部族デッキ、例えば「スリヴァー」よりもこれを唱えるタイミングは難しかったりするのだが、ハマった時の強さは天下一品。《アクームの戦歌い》×2で5/1速攻2体+自身のクリーチャー全体に+4/+0、さらに戦場に出ているクリーチャーたちが「同盟者が出てくる度に+1/+1カウンターを得る」ものだったら...いったい何点入るねんと。《アクームの戦歌い》と《ランタンの斥候》でライフ差大逆転とか、目玉が飛び出るビッグアクションを狙おうじゃないか。
他にも緑を使わない赤白のバーン要素強めの同盟者デッキもあったりする。軸になるクリーチャーもスタンダードのコモン・アンコモンが多いので、カードを集める難易度も低めなのもイイネ。エルドラージに抗う、生粋のゼンディカーっ子の絆の強さを見せつけてやろう!
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