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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:スリヴァー(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:スリヴァー(モダン)
by 岩SHOW
この記事が掲載される頃にはプレリリースが終わり、全マジックプレイヤーが『異界月』の発売を今か今かと待ち構えていることだろう。僕も楽しみで楽しみで......やっぱり、まずはドラフトをガツンとやりたいなぁ。『イニストラードを覆う影』の時のドラフトも難しく、そして面白いものだった。この環境では友好2色でドラフトすればクリーチャー・タイプの恩恵を受けられるようになっていた。いわゆる「部族」カードが、メインではないとはいえセットに散りばめられていたので、それらを上手く使うデッキが組めたりすると楽しいものだった。今回は......初手《ギサとゲラルフ》からゾンビ決め打ちとか狙ってみたいねぇ。
部族デッキには夢がある!ということで、今週のデイリー・デッキも部族デッキを紹介していこう! 「部族ウィーク」の先陣を切るのは、コアなファンがいつの時代にも存在している「スリヴァー」だ!
1 《森》 2 《草むした墓》 1 《繁殖池》 2 《吹きさらしの荒野》 1 《樹木茂る山麓》 4 《魂の洞窟》 4 《スリヴァーの巣》 4 《変わり谷》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(20)- 4 《風乗りスリヴァー》 4 《マナ編みスリヴァー》 4 《捕食スリヴァー》 4 《筋力スリヴァー》 3 《拡散スリヴァー》 2 《歩哨スリヴァー》 1 《暗心スリヴァー》 3 《菅草スリヴァー》 2 《収差スリヴァー》 2 《壊死スリヴァー》 1 《調和スリヴァー》 1 《吸管スリヴァー》 2 《骨鎌スリヴァー》 -クリーチャー(33)- |
4 《霊気の薬瓶》 4 《集合した中隊》 -呪文(8)- |
1 《暗心スリヴァー》 1 《霊炎スリヴァー》 2 《調和スリヴァー》 2 《吸管スリヴァー》 1 《壊死スリヴァー》 1 《陰影スリヴァー》 2 《巣主スリヴァー》 2 《コジレックの審問》 2 《突然の衰微》 1 《四肢切断》 -サイドボード(15)- |
スリヴァーの起源は1997年までさかのぼる。もう19年前という事実に汗だくになってしまいそうだが、それは置いといて。『テンペスト』にてデビューした次元ラースに住まうこの部族。見た目は......骨のような金属のような硬質なものに覆われた尖った頭部に、鎌のような一本腕が特徴的。中には《筋肉スリヴァー》のようにイレギュラーなものもいるけれども、基本はこのルックスで統一されていた。なんともSFチックな、有機物と無機物を織り交ぜたエイリアン的デザインが最高。
カードとしては、それまでのクリーチャーにはない「同じクリーチャータイプを持つ仲間になんらかの能力を共有する」というデザインが施されたもの。飛行・速攻・先制攻撃・トランプル・再生......と、+1/+1修整以外にも様々なキーワード能力を共有したり、生け贄に捧げることでライフを回復したりカードを引いたりといった複雑な能力をお互いに与えあい、数と種類が並べば並ぶほど強力になっていくという独自のメカニズムは、非常に多くのプレイヤーに愛され、彼らを主軸としたデッキもトーナメントシーンで活躍したものである。
このスリヴァーは、その人気から何度もリバイバルされているが、そんな中でも最も僕らの度肝を抜いたのは『基本セット2014』にて登場した連中だ。これらは共有する能力こそ基本的なものではあったが、その共有能力が自分がコントロールするスリヴァーにしか及ばないという点で新しく(※1)、さらにはその見た目が、先述したような謎の生き物ではなく、頭部・胴体・手足をしっかりと持った人間的なシルエットを持ったものへとデザインが変更されていた。
(※1:数は少ないものの《疫病スリヴァー》のようなデメリット能力を相手のスリヴァーも含めて共有するものもいる。相手のスリヴァーたちにその能力を与えて足を引っ張ろうというわけ。)
現在モダンでは、このヒューマノイドなスリヴァーたちと『時のらせん』にて帰還を果たしたスリヴァーたちを併せて、しっかりとした部族デッキを構築することができる。《筋力スリヴァー》《捕食スリヴァー》《菅草スリヴァー》のサイズアップ担当が最大で12枚使用可能で、打撃力は保証されている。
これらが《収差スリヴァー》で速攻を・《風乗りスリヴァー》で飛行を得て、バンバンバンと殴って勝つ。そのシンプルなビート戦略を支えるのが、除去耐性を与える《拡散スリヴァー》・展開をサポートする《マナ編みスリヴァー》・《罠の橋》のようなマズいパーマネントをバリバリ破壊できるようにする《調和スリヴァー》に《壊死スリヴァー》......う〜む、隙のない布陣ですな。
これだけカラフルなクリーチャーを運用するなら土地が大変だろう、と思われるかもしれないがご心配なく。先述の《マナ編みスリヴァー》はもちろんのこと、土地は《魂の洞窟》《スリヴァーの巣》と(スリヴァー用なら)5色生み出せる土地が8枚体制。そして部族デッキ定番の《霊気の薬瓶》もしっかりあるし、恐るべしは《集合した中隊》。このインスタントでほぼ確実に3マナ以下のスリヴァーが2体展開できるのだから、マナベースの構築もこれを唱えるために必要な緑マナを濃くすればOKと、簡単なものだ。あとは《菅草スリヴァー》の能力の条件を満たすための《沼》関連カードを多めにして、デッキ完成。
このデッキの《集合した中隊》は思いもよらぬ角度からライフを一気に削り取る爆発力を秘めている。現在スタンダードで「バント人間」なんか使っている人にはオススメだ! サイドボードの《巣主スリヴァー》は本当にサイドインするのか?お守り的な要素が強いんじゃないかと思うがそういう構築、僕は好きだよ!
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