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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:赤単スニーク(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:赤単スニーク(レガシー)
by 岩SHOW
クリーチャーの頂点とは一体どいつだ? 現在、マジックには8000種類以上のクリーチャーが存在し、年々その数を数百単位で増やしていく。
時代を彩るクリーチャーは移り行く......《アーナム・ジン》がサイズの暴力で暴れた時代、それと同サイズの2マナクリーチャー《タルモゴイフ》がビートの速度を上げ、《悪斬の天使》が神話レアの強さを見せつけた。クリーチャーの進化は凄まじい。『異界月』でも2体のクリーチャーが合体して生まれる悪夢の如き姿をしたエルドラージ・クリーチャーも登場した。
これからもますます強力で、新しい能力を持ったヤツらが生まれてくるんだろうが...で、頂点に立つのはどいつだ? やはりこれ以上はないサイズと破壊的な能力の持ち主《引き裂かれし永劫、エムラクール》か? 圧倒的なカードアドバンテージをもたらす悪魔の中の悪魔、《グリセルブランド》だって負けてはいない。モダンやレガシーではこの二大巨塔をマナコストを支払わずに踏み倒して戦場に直接出すカードを使って叩き付けるコンボデッキが複数作られている。過去を振り返っても、この伝説のクリーチャーたちに比肩しうる能力を持ったクリーチャーはいないか......いや、それに異議を唱える武闘派が、次元・神河より殴り込みだァッッ!「伍堂スペシャル2016」ッッ!
9 《山》 2 《鋭き砂岩》 4 《古えの墳墓》 4 《裏切り者の都》 -土地(19)- 4 《猿人の指導霊》 3 《山賊の頭、伍堂》 3 《グリセルブランド》 2 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 2 《世界棘のワーム》 -クリーチャー(14)- |
4 《水蓮の花びら》 4 《血染めの月》 4 《煮えたぎる歌》 4 《騙し討ち》 4 《裂け目の突破》 4 《虚空の杯》 3 《殴打頭蓋》 -呪文(27)- |
2 《月の大魔術師》 2 《紅蓮破》 2 《破壊放題》 2 《突然のショック》 1 《紅蓮地獄》 4 《三なる宝球》 2 《紅蓮術》 -サイドボード(15)- |
《山賊の頭、伍堂》が最強議論に待ったをかける! 伍堂の能力は装備品サーチと《連続突撃》もどき。6マナ3/3で、戦場に出た時に装備品を1枚ライブラリーから探して来て戦場に出すという誘発型能力を持っている。この能力で、装備品界の二大巨塔の1つ《殴打頭蓋》をサーチ!6マナで3/3と4/4警戒・絆魂を戦場に出すことができるというのは破格だ。
そしてこの伍堂、ターン中最初の攻撃後に自身(と侍)をアンタップして追加の戦闘フェイズを得ることができる。この伝説のクリーチャー1枚を唱えるだけで14点分の打点を生み出すことが出来、しかも《殴打頭蓋》を伍堂に装備させれば14点回復することができる。あの《グリセルブランド》と殴り合いになっても、なんと押し切ることができてしまうのだ(もちろん向こうは大量にドローしているけど......)。
この強力な伝説のバーバリアンとエムラクール、グリセルとオマケで《世界棘のワーム》を加えた4番打者ズラリな多元宇宙最強打線を誇るデッキが「伍堂スペシャル2016」こと「赤単スニーク」デッキだ。赤単色でスニークこと《騙し討ち》を用いて上記のクリーチャーを射出するデッキだが、その昔にプロツアー殿堂顕彰者・藤田剛史さんが作った「伍堂スペシャル」の記憶が強くて、このデッキリストを見た時についついテンションが上がってしまい、勝手に「伍堂スペシャル2016」と呼ばせてもらっている。
デッキとしては実は割と昔からあるもので、《騙し討ち》と《裂け目の突破》が同時に使えたエクステンデッドの頃から、これらを用いてデカブツを投げつけるデッキが結果を残したりしていた。赤は色の役割変更で黒からマナ加速を受け継いだ色だ。《捨て身の儀式》《煮えたぎる歌》などのマナブーストを用いて早いターンにこれを仕掛ける、なんとも男気溢れるロマンデッキの1つである。
「伍堂スペシャル」も《桜族の長老》《名誉に磨り減った笏》などでマナを伸ばして伍堂含め大型クリーチャーを叩き付けるデッキだったので、この両者のハイブリッドは容易いもの。まだ『エルドラージ覚醒』『アヴァシンの帰還』が出る前の頃は、この伍堂や各種ドラゴンを投げつけるデッキの姿をたまに見たものだが......二大巨塔が揃ってからは、これらをより確実に出してサクッと勝とうということでマナブースト要素を排して《実物提示教育》と併せた「スニーク・ショー」となり、一躍レガシーの顔に。安定して勝てるものとなったが、ロマンは薄れてしまった......と個人的には思っていた。
そんな折に、赤単のスニークデッキがMagic Onlineのリーグ戦で全勝しているのを見て、何とも喜ばしかった......これこれ、この無骨さというか。「1ターン目《古えの墳墓》、《水蓮の花びら》、《煮えたぎる歌》、《騙し討ち》からエム...あ、《意志の力》ですか。押忍。」ぐらいのね、通れば勝ち、でもなかなかそうもいかないっていうデッキがカッコイイじゃないですか。
赤単にすることのメリットは《血染めの月》をより強く使えることだろうか。青い「スニーク・ショー」だと《思案》《渦まく知識》でカードを引き込むことができるが、赤単のこのデッキではむしろそれらを封じ込める《虚空の杯》を2マナ土地から1ターン目にX=1で唱えることが狙いであり、自分が動くよりも相手を動かせないことを優先したいプレイヤーはこのムーブに至上の喜びを感じていることであろう。
個人的には《紅蓮の達人、チャンドラ》や《炎呼び、チャンドラ》のような戦場に残り続けてアドバンテージを稼げるプレインズウォーカーなんかも入れたいかなと思うが、しかしメインには入る枠がないなぁ......《封じ込める僧侶》のようなアンチカードを出されても勝てるようになるので、サイドボードに採用するのはアリかもね。
伍堂がエムラ・グリセルと肩を並べている光景なんてこのデッキでしか見られない! 『エターナルマスターズ』に再録されて《騙し討ち》が手に入りやすくなった今、組んでみるのを強くオススメする!
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