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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:緑白トークン(モダン)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:緑白トークン(モダン)

by 岩SHOW

 ちょっとお仕事で、『イニストラードを覆う影』発売後のスタンダード環境を振り返っていた。3か月ほどの間に、プロツアーがありグランプリがあり世界中でワールド・マジック・カップ予選やプロツアー予備予選、賞金制のトーナメントなど......大小様々なイベントがあった。世界中のプレイヤーがこのスタンダード環境を遊びつくしたと言ってもよい。

 この環境はプロツアーにてTOP8が8種類とも別のデッキタイプになるという驚きの結果で幕を開けた。ここで活躍したデッキのみならず、多種多様なデッキ誕生しそれぞれに日々を重ねるごとに進化を遂げていった。そして熾烈な生存競争は、『異界月』の発売が見えてきたこのタイミングで、勝てるデッキをグッと絞り込んだ。この厳しいスタンダード環境において、プロツアー以後どっしりとその腰を下ろし続ける巨塔が1つ。「緑白トークン」だ。プロツアーで優勝し、それ以降グランプリなどで勝ち星を稼ぎ続ける、環境のド本命デッキだ。

 そんな「緑白トークン」の強さを支えるカードは《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》。トークンを生み出し、それらを強化する1枚完結型の3マナプレインズウォーカーは、環境の枠を飛び越えてモダンに参戦! モダン環境でも以前よりトークンデッキは存在していたが、それの新しい形を築いていけそうなデッキを見つけたので紹介しよう!

1stTurnNegator - 「緑白トークン」
Magic Online Competitive Modern Constructed League 5勝0敗 / モダン (2016年6月14日)[MO] [ARENA]
2 《
2 《平地
2 《寺院の庭
1 《草むした墓
1 《神無き祭殿
4 《吹きさらしの荒野
4 《新緑の地下墓地
1 《地平線の梢
3 《風立ての高地
4 《ガヴォニーの居住区
1 《幽霊街

-土地(25)-

4 《極楽鳥
4 《貴族の教主
2 《アヴァシンの巡礼者

-クリーチャー(10)-
4 《流刑への道
4 《急報
4 《未練ある魂
4 《幽体の行列
2 《四肢切断
4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ
2 《真面目な訪問者、ソリン
1 《遍歴の騎士、エルズペス

-呪文(25)-
2 《ブレンタンの炉の世話人
1 《オルゾフの司教
1 《再利用の賢者
1 《罪の収集者
1 《静寂の守り手、リンヴァーラ
2 《墓掘りの檻
1 《強迫
1 《はらわた撃ち
2 《石のような静寂
1 《安らかなる眠り
1 《弁論の幻霊
1 《崇拝

-サイドボード(15)-

 これまでモダンのトークンデッキと言えばまず《苦花》《未練ある魂》を搭載した白黒がメインカラーのものが定番だった。それに対してこのデッキは、黒をほんの少し足すだけでメインカラーは緑と白。まさしく「緑白トークン」のモダンへの殴り込みである。

 まず目を引くのは4枚採用された《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》。ライフを失うというリスクを抱えた《苦花》よりも安全に確実に(その分戦闘力は落ちる)トークンを展開でき、そしてそれらを含む大量のトークンに+1/+1カウンターを乗せることが可能。かつては《黄金のたてがみのアジャニ》が同様にトークンのサイズアップを担当していたが、1マナ軽いカードでそれができるのであれば取って代わられるのは当然。3マナのプレインズウォーカーの中でも屈指のアグレッシブなカードでではあるが、このデッキにはこのニッサを扱うためにこれまでのトークンデッキではあまり見られなかった工夫が為されている。

 10枚採用されている1マナのマナ・クリーチャーがそれだ。これらを1ターン目に唱え、2ターン目に3マナを確保して速やかにニッサへと繋げる、という確固たる意志を感じる。2ターン目からプレインズウォーカーを出せるデッキは、カードプールの広いモダンといえども稀有だ(かつて《ヴェールのリリアナ》が2ターン目に飛び出たりしてましたが......)。これは他のデッキに対して大きなアドバンテージになる。

 まあ、もしニッサが引けなくても《未練ある魂》《幽体の行列》を唱えて飛行クリーチャーで攻め立てられるし、3ターン目に《遍歴の騎士、エルズペス》《真面目な訪問者、ソリン》に繋げられればそれでよし。さらに4ターン目は《ガヴォニーの居住区》起動までいける!と考えれば、マナ・クリーチャーをしっかり10枚採用は当然と言えば当然か。

 このデッキの扱い方は上記のように、1ターン目から極力マナを使い切るように動いていけば良い。《急報》と《未練ある魂》のフラッシュバックを上手く使ったりして、最も効率の良い展開を意識してプレイすれば、初めてモダンのデッキを使う、というプレイヤーにも難なく扱えると思う。

 《遍歴の騎士、エルズペス》を《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に置き換えたりしてもデッキの動きに大きく影響を及ぼすわけではないので、スタンダードを主にやっているよというプレイヤーがモダンに挑戦するには良いデッキじゃないかな。

 現状で既にかなりバランスの良さそうなデッキには見えるが、《苦花》《盲信的迫害》なんかを採用して黒を濃くしたり、自分の好きな形に調整してみれば末永く遊べるんじゃないかな。この夏はワールド・マジック・カップ予選のフォーマットにも選ばれているモダン、これを機にチャレンジしてみるのはいかが?

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