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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:グリクシス・テゼレイター(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:グリクシス・テゼレイター(レガシー)
by 岩SHOW
「僕達の好きなグリクシス」という季刊誌が出てもおかしくないくらいに、この色の組み合わせが好きなプレイヤーは多い。元々、青赤も青黒も2色の中でも人気の高い組み合わせで、古くからカウンターバーンや各種コントロール、コンボなどトリッキーなデッキタイプでこの色の組み合わせを目にすることは多かった。この2つの流派が1つになった青黒赤の3色、グリクシス。僕の個人的な体験になるが、この3色デッキを初めて目の当たりにしたのは『インベイジョン』発売後。同セットに収録されていた《粛清するものクローシス》を中心に、同ブロックの《クローシスの魔除け》《予言の稲妻》《蝕み》《終止》などの強力な多色カードを寄せ集めたコントロールデッキを「クローシス・コントロール」と呼び親しんだものだ。
クローシスもそうだが、この青黒赤の3色のカードおよびそデッキは実にカッコイイ。《ニコル・ボーラス》および《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》、《残酷な根本原理》......最高だ。ボーラス万歳! この3色のマナのみが存在したアラーラの断片の1つ、グリクシス万歳だ。現在のスタンダードでも「グリクシス・コントロール」は愛されるデッキの1つとなっているが、今日はレガシーでこの愛を顕現させたデッキを見てみよう。その名も「Boras' Revenge」!どんなデッキなのかというと......
2 《島》 1 《沼》 2 《Underground Sea》 1 《Volcanic Island》 1 《Badlands》 4 《汚染された三角州》 2 《忍び寄るタール坑》 1 《ダークウォーターの地下墓地》 4 《古えの墳墓》 1 《裏切り者の都》 4 《不毛の大地》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(24)- 4 《悪意の大梟》 -クリーチャー(4)- |
2 《ディミーアの印鑑》 2 《威圧のタリスマン》 4 《モックス・ダイアモンド》 1 《仕組まれた爆薬》 4 《虚空の杯》 2 《Transmute Artifact》 1 《弱者の剣》 1 《飛行機械の鋳造所》 4 《罠の橋》 2 《毒の濁流》 1 《世界のるつぼ》 1 《三なる宝球》 1 《交易所》 2 《ダク・フェイデン》 4 《ボーラスの工作員、テゼレット》 -呪文(32)- |
2 《Guardian Beast》 2 《紅蓮地獄》 2 《コラガンの命令》 1 《世界のるつぼ》 1 《Forcefield》 4 《虚空の力線》 1 《Helm of Obedience》 1 《The Abyss》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
その実、「グリクシス・テゼレイター」だ。ちなみにどうでもいい話をすると、テゼレットというプレインズウォーカーを使用するデッキは「Tezzerator」と呼称される。日本ではこれを「テゼレッター」と呼ぶのが一般的で、当コラムでも以前に「テゼレッター」として紹介したが、正式な発音は「テゼレイター」であるそうだ。個人的には《求道者テゼレット》を用いたものを「テゼレッター」、そして彼をカード化したもう1枚《ボーラスの工作員、テゼレット》を用いたものを「テゼレイター」と呼びたい(どうでもいい)。この後者はグリクシス・カラーで組まれることが多く、なんとなく「グリクシス・テゼレイター」の方が語感が良いからだ(つくづくどうでも良いので皆呼びたいように呼ぼう)。
このデッキの主役のテゼレットとは《ボーラスの工作員、テゼレット》のことだ。手札にアーティファクトを補充する[+1]能力、自身を護る5/5クリーチャーへとアーティファクトを変貌させる[-1]能力。そして[-4]能力はあなたがコントロールするアーティファクトの数×2点のライフを相手から吸い取るフィニッシュブロー! 《求道者、テゼレット》がコンボ寄りのカードなのに対して、こちらはこれ1枚で勝ちに行くタイプの、アグレッシブさが強めの1枚となっている。
これ自身が青黒なため、2色以上のデッキで使用するのが必然となる。レガシーであれば、歴代の2色土地が山盛り&《モックス・ダイアモンド》のような色マナサポート・アーティファクトも充実なため、この問題はノープロブレム、というか楽々運用できるからどうせなら3色にしようよってことで赤が足されるのである。
赤を足して得られるメリットと言えば......《紅蓮破》《赤霊破》という強力なアンチ青カードが使用できる・《紅蓮地獄》などの軽く扱いやすいクリーチャー対策が取れる・青黒が苦手なアーティファクトにも触れる、と良いことづくめ。特にアーティファクト対策として優秀なのが......《ダク・フェイデン》だ。
相手のアーティファクトを奪える[-2]能力に加えて、[+1]能力では対象のプレイヤーの手札を2枚捨てさせ別の2枚に引き直させることができる。これもなかなか強力で、自分の不要カードをより状況に沿ったものに入れ替えたり、コンボパーツを2枚握りしめている相手の手札にリセットをかけたり......と器用な仕事をしてくれることだろう。このダクとテゼレット、二枚看板で戦うのが「グリクシス・テゼレイター」であり、このデッキもその例に漏れない。
その他のデッキ構成パーツはアーティファクトがズラリ。《悪意の大梟》や《罠の橋》で相手のクリーチャーは足止め、呪文も《虚空の杯》《三なる宝球》で抑え込む。《世界のるつぼ》《交易所》でアドバンテージを得て、《モックス・ダイアモンド》や《ディミーアの印鑑》《威圧のタリスマン》を用いてマナを伸ばして《弱者の剣》+《飛行機械の鋳造所》コンボを決める。この過程を、《ボーラスの工作員、テゼレット》《ダク・フェイデン》でサポートする......というデッキである。ダクで相手の《梅澤の十手》を奪ってテゼレットで5/5クリーチャーに作り替えて使役する......なんて強い上に気分が良い。
レガシーならではの激シブカードが並ぶサイドボードにも注目。《虚空の力線》+《Helm of Obedience》のライブラリーアウトコンボや、クリーチャー対策の《Forcefield》《The Abyss》、そして目玉は《Guardian Beast》!
黒とは思えない、アーティファクトを破壊やオーラ、コントロール奪取から護る守護獣だ。う〜ん、このカードを出したいがためだけに「テゼレイター」を組むのもありかもしれないな......いわゆる手段が目的になるってやつではあるが、マジックは皆使いたいカード使うっていうのが第一にあって良いと、僕は思う。ストレージに《Guardian Beast》を眠らせている人はぜひ使ってやってほしい。
ところで......デッキ名になっているニコル・ボーラス本人はどこに?1枚挿ししたいねぇ〜。
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