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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Red Deck Wins(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Red Deck Wins(モダン)
by 岩SHOW
「デッキリストが短いデッキを作るといいよ」
マジックを始めて......最初の1~2年は完全に身内でのみ遊んでいて、とりあえずみんなで正しいルールを覚えるのに一生懸命だった。やっと皆が慣れてきた頃、満を持して行ってみたショップで言われたのが上記のもの。
その頃の僕らは、各々が持っているカードから選りすぐり1~2枚ずつ30種類近く+土地を24~25枚ほどでデッキを作っていた。しかし、そんなリミテッドのようなガタガタな構成のデッキでは引きたいカードも引けず、安定したゲームをプレイできるはずもなく。バラエティ豊かなカードを採用して楽しんでいた僕には、ちょっとした衝撃だった。
なるほど、確かに役割の近いカードを4枚ずつ採用した方が、デッキは毎回一定の動きをしてくれることだろう。外の世界に出て勝つには、ビックリドッキリ玉手箱なデッキでは難しいのだ。それを学んだ僕は......手元に多数あった《ショック》や《弧状の稲妻》を用いて、赤い軽量ビートダウンを組んだのだった。
カードが4枚ずつ揃わないながらも、似た役目のカードで代用してデッキを組み、パックを買ったりトレードしたりで同一コモンを集めて徐々に置き換えて......最終的にはビシッと短いデッキリストが誕生したものだ。《山》18枚と《モグの狂信者》のような1~2マナのカードがズラリと......今日はそんな思いで話を書く気分にさせてくれたデッキを紹介しよう。先日行われたグランプリ・ロサンゼルス2016の直前トライアルを抜けて2つの不戦勝を勝ち取ったデッキリストを眺めていると見つけたものだ。
20 《山》 -土地(20)- 4 《鋳造所通りの住人》 4 《ゴブリンの奇襲隊》 4 《ゴブリンの先達》 4 《軍勢の忠節者》 4 《モグの狂信者》 3 《モグの戦争司令官》 2 《ゴブリンの群衆追い》 4 《無謀な奇襲隊》 -クリーチャー(29)- |
3 《壊滅的な召喚》 4 《ゴブリンの手投げ弾》 4 《稲妻》 -呪文(11)- |
4 《二股の稲妻》 4 《現実の流出》 4 《粉々》 3 《頭蓋割り》 -サイドボード(15)- |
この短さ、採用されているカードの種類がメインサイド合わせてわずか16種類!現行スタンダードの「緑白トークン」のメインデッキが大体これぐらいの種類で構成されていると考えると、その短さが伝わるかと思う。サイドボード、4行!いや~実に、俗に言う漢(おとこ)らしく赤らしいリストじゃないか。今日はこの「Red Deck Wins」を紹介しよう。
上記の僕の思い出にもあるような、赤単色(あるいは1~2色のタッチも含む)の軽量クリーチャーと火力呪文によって構成されたデッキを、マジックでは代々「Red Deck Wins」と呼ぶ。かつて『テンペスト』が使えた頃のスタンダード及びエクステンデッドで活躍したデッキ名が伝統として引き継がれている、といった具合で。その軽量赤単精神を継ぐ、モダン版「Red Deck Wins」。《ゴブリンの先達》に《僧院の速槍》といった速攻クリーチャーに《稲妻》《ボロスの魔除け》などの火力が存在するモダンでは割と一般的なデッキではあるのだが......今回紹介するものは、珍しくゴブリンにシフトしたものとなっている。
戦略は超単純!1~2マナのゴブリンを展開し、ガシガシと殴っていく。相手がクリーチャーを展開してきて殴りにくくなっても大丈夫!《ゴブリンの奇襲隊》《無謀な奇襲隊》の奇襲隊コンビが横に並んだゴブリン達をサイズアップして最後の数点を削りきってくれることだろう。あるいは《ゴブリンの手投げ弾》という飛び道具でボカンボカンやっても良いだろう。
これら奇襲隊コンビと相性が良いのが《壊滅的な召喚》。このデッキならば1マナで3/3のエレメンタルを2体召喚した上で、怒濤コストで《無謀な奇襲隊》を唱えて速攻付与してドッカーン!デッキのリソースを使いつくして最後の数点を押し切る快感は、「Red Deck Wins」の醍醐味だ。
サイドボードの《現実の流出》は、このデッキが出されると終了してしまう《コーの火歩き》対策だ。赤単色で使える無色の2マナ除去であり、マナに余裕のないこのデッキでは扱いやすく、ありがたい存在だ。
グランプリのような15回戦以上を戦う長丁場ではしんどいデッキかもしれないが、5-0くらいならその日の勢いで達成できるだろう。勝っても負けても、ラウンドの大半の時間を残してゲームを終えられるので、土日サクッと遊びたいというプレイヤーにはオススメだ!
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