READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:白青人間(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:白青人間(スタンダード)

by 岩SHOW

 人類は勝てなかった。というのがプロツアー『イニストラードを覆う影』の結末であった。戦前の予想では「バント・カンパニー」に次ぐか、あるいはそれを上回るのではと言われていた「人間」デッキ。実際に、同トーナメントの2日目進出率は高かった。が、しかしあと1・2勝が遠かった、という印象を受ける。

 特に「白単人間」は、打点の高さと単色ゆえの安定感が強みではあったが、それを狩りに来た全体除去デッキにいいようにやられていた。ゆえに、勝つのであれば《否認》を初めとした打ち消し呪文が使用可能な「青白人間」の方が良いのではないか?という主張もあり、事実このデッキも2日目に13名のプレイヤーを送り出し、全デッキ中使用者数は第4位、全体の5.5%となった(ちなみに白単は30人で第2位、12.7%)。

 白単と白青、どちらが良いのか?人の進む道はどちらであるべきか。白青はこの問いかけに、白単にはできない独自の進化で応えようとしている。「白青人間」の新たな姿をご覧あれ!

JohnnyHotSauce - 「白青人間」
Standard MOCS #9640428 26位 / スタンダード (2016年4月30日)[MO] [ARENA]
12 《平地
2 《
4 《大草原の川
4 《港町

-土地(22)-

4 《スレイベンの検査官
4 《町のゴシップ屋
3 《ドラゴンを狩る者
1 《アクロスの英雄、キテオン
4 《白蘭の騎士
4 《サリアの副官
3 《反射魔道士
1 《龍王オジュタイ

-クリーチャー(24)-
4 《石の宣告
4 《永遠の見守り
2 《意思の激突
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン

-呪文(14)-
3 《ハンウィアーの民兵隊長
3 《徴税の大天使
2 《死者を冒涜するもの
1 《龍王オジュタイ
2 《侵襲手術
2 《否認
2 《停滞の罠

-サイドボード(15)-

 先日開催されたMagic Online Championship SeriesにてTOP32入賞デッキの1つに目を引くものがあった。「白青人間」...とは言うものの、メインから投入された《龍王オジュタイ》! 他のパーツは1~2マナのクリーチャー、全体強化をする《永遠の見守り》、相手のブロッカーを排除する《石の宣告》と基本的な人間デッキと同一なのだが......やはり龍王が圧倒的な存在感を放っている。

 他にも、実は人間デッキにはそのマナ・コストの重さからあまり採用されていない《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》がどっさり4枚投入されていたりと、全体的に重めの構成となっている。土地の枚数は他の人間デッキ同様22枚に抑えられているので、これで安定してこれらの呪文を唱えられるのか?という疑問はある。

 ただ、前述のように人間デッキが狙われる立場にあり、他のデッキがこのデッキの戦略に対応してくるようになったのであれば......全体除去でリセットされた後に貧相な人間を再展開するよりも、自然に引いてきた土地でオジュタイやギデオンといった骨太なカードを叩き付けた方が残り数点を削りきれる、という算段だろうか。

 《永遠の見守り》によりオジュタイが警戒を得ると、攻撃しても呪禁を持ったままとなり、タフネスも1上昇して《衰滅》にも引っかからないと、完璧に近い除去耐性を得ることになる。これをサイドから狙う「白青人間」は最近増えてきているが、メインからそれを狙う姿勢がカッコイイではないか。欲を言えば、土地は23枚欲しいところだが......この辺は「土地を引き続ける病」だったり「土地を引かない病」だったりとプレイヤーの特性も加味して、自分で回せる枚数に調整するのが良いだろう。

 サイドボードには件の追加のオジュタイのほかに、《死者を冒涜するもの》が採用されているのは個人的にグッとくる。同系相手には、このカードの濫用能力で相手の人間を吹き飛ばしてワンパンチ!というわけだ。

 「白青人間」はどちらかといえばウィニー戦略よりも、いわゆるミッドレンジな方向に進化していくのだろうか。今後もっと複雑怪奇な形態に変貌してくれたら面白いな、なんて思いつつ、これを書いている週末のグランプリ・東京2016ではもう結果を残していたりしてね。

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索