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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:赤単ゴーグル(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:赤単ゴーグル(スタンダード)

by 岩SHOW

 昨日紹介した「ゴーグル・ランプ」は驚きのデッキだったが、『マジック・オリジン』が生み出したこの伝説のアーティファクトが活躍するデッキはこれだけに限らない。

 《紅蓮術師のゴーグル》と《マグマの洞察力》《苦しめる声》らの4枚ドローコンボは、赤いデッキであれば搭載してみたいもの。そしてそれらで《溺墓の寺院》を捨ててマナを伸ばすエンジンも同居させたい。となると、これらのカードを4枚ずつ採用したい。無色マナしか生み出さない土地を4枚......3色デッキでは、まず採用できない。2色デッキでも、ダブルシンボルを要求するカードが取りづらくなる。となれば......単色か?

 確かに、赤単色であれば無色土地を多少採用しても問題はなく、しかもデッキに含まれるインスタント・ソーサリーを全てコピー可能となる!今日はそんな清々しい赤単デッキ、「赤単ゴーグル」を紹介しよう!

Christian Seibold - 「赤単ゴーグル」
プロツアー『イニストラードを覆う影』 / スタンダード (2016年4月22〜24日)[MO] [ARENA]
14 《
4 《シヴの浅瀬
4 《溺墓の寺院
4 《領事の鋳造所

-土地(26)-


-クリーチャー(0)-
4 《稲妻の斧
4 《マグマの洞察力
2 《焦熱の衝動
4 《苦しめる声
4 《突沸の器
4 《癇しゃく
2 《巨人の陥落
2 《コジレックの帰還
4 《紅蓮術師のゴーグル
4 《炎呼び、チャンドラ

-呪文(34)-
4 《エルドラージの寸借者
4 《難題の予見者
4 《現実を砕くもの
3 《引き裂く流弾

-サイドボード(15)-

 なんとも雄々しいデッキリストで、見ていて惚れ惚れする。プロツアー『イニストラードを覆う影』には大まかに見て4種類のゴーグルデッキが持ち込まれていた。先日の「ゴーグル・ランプ」に、プロツアー前に話題となった「赤青ゴーグル」、TOP8にも勝ち名乗りを上げた「赤白エルドラージ・ゴーグル」、そしてこの赤単だ。残念ながら、赤単は華々しい結果を残したわけではない。が、プロツアーのスタンダードラウンド10回戦のうち6勝の成績を残しており、完全に無視できる存在というわけではない。

 赤単が持つ他のゴーグルデッキにない強みは、まずは《突沸の器》からのターボ・ゴーグル戦略だ。このエンチャントを使えば、最速3ターン目にゴーグル設置までいける。カード1枚分消費してはいるが、それは《マグマの洞察力》1枚で一瞬に補填することができる、誤差のようなもの。3ターン目に4枚ドロー、その後すべての呪文が倍々ゲームなんて、楽しくてしょうがないだろう。《稲妻の斧》で相手のクリーチャーを除去しつつ、捨てた《癇しゃく》をマッドネスで唱えてゴーグルでコピー、プレイヤー本体へ6点......こんなん、気持ち良すぎてクセになってしまう。

 フィニッシャーは言うまでもなく《炎呼び、チャンドラ》。現行のプレインズウォーカーの中でも最強の呼び声も名高い彼女の道を、各種火力で切り開く。このシンプル極まりない戦術を、《紅蓮術師のゴーグル》で全力サポートするわけだ。呪文を倍にするのみでなく、6マナと重い彼女を戦場に出す点でもゴーグルは役に立つ。「ゴーグル・ランプ」同様、《巨人の陥落》で焼き尽くすというロマンあふれる勝利も狙える。

 個人的には、このデッキのサイドボードがかなり好みだ。メインデッキにはクリーチャーが1体もいないため、対戦相手はサイドボーディングでクリーチャー除去を減らしてくることだろう。そこに突き刺さる、サイド12枚のエルドラージ軍団! 特に《現実を砕くもの》は、とにかく死なないアタッカーとなることだろう。最近の除去の定番は《究極の価格》に《闇の掌握》。色も持たず、タフネス5のこのエルドラージには、そもそも呪文が通用しない。《苦渋の破棄》のような万能除去は受けてしまうが、それでもその誘発型能力で1対1交換は取らせないのが素晴らしい。トークンや人間のような小粒を大量展開するデッキ相手に、5/5トランプル速攻というスペックは頼もしいことこの上ない。

 個人的には、より安定感を求めるならばメインからエルドラージを投入し《突沸の器》のような状況を選ぶカードを減らすのが良いと思うが......3ターン目ゴーグルという魅力的な動きに憑りつかれたプレイヤーもいることだろう。グランプリ・東京2016で、あなたのゴーグルライフが豊かなものにならんことを!

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