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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:バント・トークン(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:バント・トークン(スタンダード)
by 岩SHOW
気が付けば『イニストラードを覆う影』発売週。発表からあっという間だったなぁ......『タルキール覇王譚』『運命再編』、ありがとう!個性的で、かつ強力なカードに彩られたこれらのセットを、僕らは忘れないッ!
『タルキール覇王譚』~『ゲートウォッチの誓い』までのスタンダード環境を振り返っての感想......「多色」やったなぁと。《溢れかえる岸辺》などの基本土地タイプを持った土地をサーチできる、いわゆるフェッチランドと、2種類の基本土地タイプを持った《燻る湿地》などの通称バトルランドが組み合わさり、さらには《砂草原の城塞》などの3色土地・無色マナも生み出せるダメージランドまで加わることで、3色は当たり前、4色も比較的楽に運用可能と、割とおかしなことをやっている時代だったように思う。
「ナヤ・ブラック」「ダーク・ジェスカイ」「4色ラリー」などなど......3色も含めれば「エスパー・ドラゴン」「グリクシス・コントロール」「アブザン・アグロ」「バント・カンパニー」と、環境で活躍するほとんどのデッキが多色だ。3つ以上の色から良いとこ取りなのだから、そりゃ強いわ。プレイヤーたちの願望に応え、これらのデッキを成立させたマナベースに、改めて感謝を。
というわけで、今回はそんな強固なマナベースが環境末期に生み出した1つの名デッキを紹介しよう。BIG MAGIC Open Vol.6でTOP8という結果を残した、及川博堂の「バント・トークン」だ。
3 《森》 3 《平地》 1 《島》 2 《梢の眺望》 2 《大草原の川》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《樹木茂る山麓》 3 《伐採地の滝》 1 《ヤヴィマヤの沿岸》 -土地(25)- 4 《森の代言者》 4 《空中生成エルドラージ》 3 《反射魔道士》 1 《つむじ風のならず者》 3 《風番いのロック》 4 《搭載歩行機械》 -クリーチャー(19)- |
3 《ニッサの誓い》 3 《絹包み》 2 《荒野の確保》 4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(16)- |
2 《アラシンの僧侶》 1 《ランタンの斥候》 1 《反射魔道士》 3 《払拭》 3 《軽蔑的な一撃》 2 《神聖なる月光》 2 《勇敢な姿勢》 1 《絹包み》 -サイドボード(15)- |
バントカラー(緑白青)の3色のデッキで、10枚のフェッチランドに4枚のバトルランドと、この環境ならではの土地構成によりすんなりと回すことができるだろう。これら安定したマナから繰り出されるのは、各色の優秀なクリーチャーと呪文なのだが......ただのパワーカードの寄せ集め、というわけではない。シルバーレベル・プロプレイヤー和田寛也とともに調整されたこのデッキは、そのデッキ名にあるようにトークンが1つのテーマとなっている。
《搭載歩行機械》《空中生成エルドラージ》《風番いのロック》《つむじ風のならず者》と、トークンを生成するクリーチャーがズラリ。現環境ではトークンを生成するカードが多く、これらを使用した「面で攻める」デッキも少なくない。が、バントカラーでそれを狙うというアプローチは珍しいのではないだろうか。
上記のクリーチャーたちは、例え自身が除去されてもトークンを残す、カード1枚では捌きにくいしぶといヤツらだ。これらに加えて《荒野の確保》で徹底的にトークンを展開する、というのがこのデッキの目指すところ。《はじける破滅》のような1枚ずつ落としていく除去には負けないぞ、という強い意志を感じる。
これらのトークンを支えるのが、4枚ずつ採用された《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》のゲートウォッチコンビ。どちらもトークンを生み出す能力を持った上に、それぞれ自身の全クリーチャーを+1/+1サイズアップさせる能力を併せ持っている。これらで強化されたクリーチャーで殴り勝つ、シンプルなデッキだ。クリーチャーを対処されればプレインズウォーカーがリカバリーし、プレインズウォーカーを落とそうにもトークンが道を阻む、お手本のようなビートダウンデッキだ。
他にデッキを構成するパーツは、《反射魔道士》などこの色ならば定番の面々。これらのカードの中から、その時に必要なもの探してこられる《ニッサの誓い》はナイス潤滑油。特にアクションの無い1ターン目に唱えて4枚目の土地を確保しても良し、ここぞという場面でギデオン&ニッサを探しに行っても良しの便利な呪文だ。このカードで手札に加わらないカードは8枚だけ(これを唱えているということは残り7枚以下)なので、ハズレということもほぼないだろう。さり気なく、プレインズウォーカーを唱えやすくする能力も3色デッキでダブルシンボルを払いやすくしてくれるので有用である。
飛行クリーチャーが多く採用されているのも特徴で、飛行に弱いデッキが多い現環境で活躍したのも納得だ。特に3ターン目《空中生成エルドラージ》→4ターン目エルドラージで攻撃してから末裔・トークンを生け贄にしつつ5マナで《風番いのロック》は、ダメージレースを挑む他のデッキを嘲笑うことだろう。
このデッキの意志を継承するデッキが、『イニストラードを覆う影』で登場するか否か? 3色が難しくても《ハンウィアーの民兵隊長》とかで緑白トークンデッキとか組めそうだ。う~ん、待ち遠しいぞ新環境ッ!
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