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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:緑単信心(モダン)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:緑単信心(モダン)

by 岩SHOW

 サンタカタリーナは、ブラジルの南部・アルゼンチンとの国境と大西洋に面する州だ。ブラジルでも有名なビーチが多数連なり、近海にはミナミセミクジラが子育てのためやってくるリゾート・観光地であり、州都フロリアーノポリスはブラジルで最も住みやすい場所に選ばれている。ブラジルと言えば、海鮮もお肉も美味しい!サンタカタリーナ、行ってみたい!

 なぜ突然、ブラジルの州について語り始めたのかというと......本日ご紹介のデッキは、このサンタカタリーナ州のトーナメントで結果を残したデッキだからだ。そこではMagic Wild Westという団体がマジックのトーナメントを開催しているようで、今回ネットから引っ張ってきたのはCircuito Wild West 2016という、2月21日に行われたモダンのトーナメントで上位入賞したデッキだ。元々はブラジルのデッキを......と探していたわけではなく、なんとなく紹介したいアーキタイプで検索していて「お、ええのあるやん」と思ったら地球の裏側のプレイヤーが使っていたものだったというわけ。では、Luiz Camargoの「緑単信心」をご覧あれ!

Luiz Camargo - 「緑単信心」
Circuito Wild West 2016 - Desafio #01 準優勝 / モダン (2016年2月21日)[MO] [ARENA]
16 《
4 《ニクスの祭殿、ニクソス

-土地(20)-

4 《東屋のエルフ
4 《炎樹族の使者
4 《エルフの幻想家
4 《永遠の証人
4 《悲しげなセルキー
4 《酸のスライム
1 《孔蹄のビヒモス

-クリーチャー(25)-
4 《楽園の拡散
2 《豊かな成長
2 《肥沃な大地
2 《原初の命令
3 《起源の波
2 《野生語りのガラク

-呪文(15)-
3 《強情なベイロス
1 《墓掘りの檻
2 《帰化
2 《内にいる獣
1 《ナイレアの弓
3 《忍び寄る腐食

-サイドボード(12)-
mtgtop8.com より引用)

 『テーロス』にて登場した「信心」は、自身の盤面に出ているパーマネントのコストに書かれたマナシンボルの数を参照する能力だ。《モーギスの匪賊》は赤の信心の数だけダメージを飛ばし、《死者の神、エレボス》らテーロスに住まう神々は信心が一定数に達しなければクリーチャーとして戦ってくれなかったりと、独特かつ強力なカードが多数登場。本来使いにくいものとされてきたダブルシンボル、トリプルシンボル(※1)のカードの評価が急上昇し、当時のスタンダードで使われるカード層がガラリと変わったのは記憶に新しい(と言いつつ、もう2年半も前の出来事)。

(※1:カードに印刷されたマナ・コストに同一の色のシンボルが複数並んでいる場合、ダブルシンボル、トリプルシンボルと呼ぶ。同じ4マナでも、{3}{R}を要求するカードと{1}{R}{R}{R}を要求するカードでは、使用できるデッキが大きく異なってくる。)

 その信心系カードの中でも、特に強烈なのが伝説の土地《ニクスの祭殿、ニクソス》。この土地は、2マナとタップで選んだ色の信心に等しい数のマナを生み出す。信心が4以上あれば土地3枚で4マナ生み出しちょっとお得で、それ以上あれば考えられないような爆発的なマナを生み出す驚異の土地だ。

 この土地と相性の良いのが緑のパーマネント。マナクリーチャーや《楽園の拡散》などの土地が生み出すマナを増やすエンチャント、《炎樹族の使者》などの手札の展開をサポートしつつ自身もパーマネントとして戦場に残り、信心カウントを稼ぐカードを多数擁する緑は、《ニクスの祭殿、ニクソス》で8マナ9マナをあっさりと生み出させることが可能。このマナで唱えるのが《起源の波》。ありったけのマナを支払い、ライブラリーをめくってさらにパーマネントを増やす→《永遠の証人》で《起源の波》を回収したり、《悲しげなセルキー》などで引き込む→《起源の波》により出た土地などでさらにマナを生み出す。《野生語りのガラク》や2枚目以降の《ニクスの祭殿、ニクソス》などで先ほどより大きいコストで《起源の波》を唱える......と繰り返していけば、ライブラリーのすべてのカードを展開してしまうことも可能。最後はズラリ並んだクリーチャーを《孔蹄のビヒモス》《野生語りのガラク》で強化してド派手に殴り勝ち!

 僕自身も好きなデッキタイプで、4ターン目までにどんな戦場を作り上げられるか、一人回しをして時間を潰すことなどもあった。地球の裏側にも、マジックを盛り上げるために色々やっている人達が居て、同じデッキを愛するプレイヤーがいる。他の国の人達も「ジャパンには良いデッキ使うヤツらがいるな!」と思っていたりするのだろうか。そんなことをぼんやりと考えながら、今日も明日も、デッキを検索し続けるのだ。

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