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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

今日の1枚:氷の中の存在

浅原 晃

 アイスクリームはいらんかねー、アイスクリームはいらんかねー。スタンダード団地の子供たちや、アイスクリームが美味しい時期になって来たからのう、『灯争大戦』のお供にどうかのう。

 ふぉっふぉっふぉ、春の競馬は大外れじゃったから、アイスクリームを売って生計を立てているガフ提督じゃ。最初にアイスクリームが販売されたのは1869年、今ではアイスクリームというのは一般的じゃが、最初に伝来してきたときには、あいすくりんという名前で売られておったのじゃな。かわいい名前じゃが、当時は製造するのも大変じゃったからのう、現在の価値では8,000円相当もしたというのじゃから、大変な高級品じゃったのじゃ。

 それから150年も経つと、アイスクリームは夏の定番と言えるものになっておったてのう。これから先のシーズンでは欠かせない区切りの日として、今日は「アイスクリームの日」と制定されておるのじゃな。

 という経緯も踏まえてじゃ、わしは、今、アイスクリームを売っておるわけじゃ。外で売るため、冷却用にもバッチリかつ、とってもビッグな氷を仕入れておるぞい。それが、《氷の中の存在》じゃ。

 中に何か見える? ふぉっふぉっふぉ、大丈夫じゃ、もし溶けたら、大体にして7/8くらいのサイズがありそうなモンスターが見えるがのう、分厚い氷に囲まれて眠っておる。それに溶けるには、インスタントかソーサリーを4回も唱えなくてはいかんから、そう簡単にはいかんのじゃ。それなら、ただの大きい氷にすぎんなら、アイスクリームを冷やすのには最適なのじゃわい。

 さてと、おや? 話しているうちに、ちょっと遠くまで来てしまったようじゃのう。なになに? このあたりはモダン団地? ふぉっ、嫌な予感がするぞい、何か子どもたちの声が聞こえるのう……「《魔力変》! 《外科的摘出》! 《信仰無き物あさり》!」、やめるんじゃ、やめ、や……。

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