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週刊デッキ構築劇場

第71回:塚本樹詩のデッキ構築劇場・統率問答

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週刊デッキ構築劇場

2012.07.30

第71回:塚本樹詩のデッキ構築劇場・統率問答

演者紹介:塚本 樹詩

 独創的なデッキ構築と記事展開で知られるデッキビルダー・ライター。玉石混淆アイディア先行のデッキを数多く試すことや、多くの人に笑いもしくは失笑を与える語り口から『試行落語(トライ&テーラー)』として、畏怖されている。
 プロツアー・ホノルル2009にて初のプロツアー出場を果たし、《破門》マスターとして恐れられた。また2009年度プレイヤー・オブ・ザ・イヤーの渡辺 雄也は自宅アパートの二軒隣に住んでいる関係から非常に親交が深く、「渡辺の三次元の嫁」「〈渡辺の信奉者〉」と呼ばれることも。
 代表作は、栗原 伸豪が危うくプロツアーで使う所だった《ルーン炎の罠》入り新型ハウリングオウルや、渡辺大絶賛の《山賊の頭の間》バーンなどだが、むしろ今後の代表作に期待したい逸材。


 先日プレインチェイス2012の次元カードを使って統率者戦で遊んだのですが、これがとても楽しかったのです!

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 カジュアルな場面だったので、テーブルの中央にプレインチェイス2012に入っている次元カード全てをシャッフルして一つのライブラリーとして置いて遊んでいたのですが、次元ダイスがカオス・シンボルやプレインズウォーカー・シンボルを出すたびに阿鼻叫喚の声が上がるほど白熱してしまいました。

 我らがボスであり、僕のような面白いことスキー型の先駆者的存在である射場本さん、マジックが宇宙一アルティメット強い最近はもっぱらPCの画面に頭から突撃して次元の壁を越えようとしているナベと、Wizards社のオフィスでプレインチェイス2012の構築デッキを使って遊んだ時にこのセットに強い衝撃を受けました!

 せっかくマジック基本セット2013も発売されたので、これを機に新規カードが統率者戦の環境に与える影響を記事にしようと思います!

 このサイトでは統率者戦の記事があまりお届けできていなかったこともあり、今回はデッキ紹介に加え、アヴァシンの帰還、マジック基本セット2013(M13)、プレインチェイス2012から、各色のおすすめカードや強力カードをピックアップしてみました。参考になれば幸いです。


群れの統率者アジャニ

 M13の目玉といえばこいつ! モチロン統率者戦でも大活躍! 統率者に二段攻撃と飛行をつければあっという間に勝利! しかも3マナで軽いぞー!

 早いターンに置けるので、+1/+1カウンターのギミックを使うデッキとの相性もいいです。《スパイクの織り手》とハーフロック!なんて使い方もいいですね。


歓喜の天使

 コストと色拘束がちょっと重いですが、痒いところに手が届く1枚です。《ネクロポーテンス》や《戦慄の復活》を抑制しつつ、自分のクリーチャーを強化!


聖戦士の進軍

 トークンデッキの救世主! なんとかして早出ししよう! 《未練ある魂》を打つだけでドキドキしちゃいますね! 《安楽死》を打つとお祭り発生かもしれません!


終末

 新環境一番の悪魔。白い悪魔。僕がドヤ顔で出した《最後のトロール、スラーン》が...。許すまじ長○。統率者依存デッキへの最高のアンチテーゼですね。


尊き象

 安定のマンモス枠。歴代マンモスの中で一番位が高い。


狙い澄ましの航海士

 《パリンクロン》や《流浪のドレイク》でお手軽「無限マナ」したり、《騒がしいネズミ》でロックしたり、「戦場に出たとき」能力をもつクリーチャーを適当に明滅してるだけで強そう! 6マナは少し重いので早く出す工夫が必要ですが、《精霊の魂、アニマー》や《出産の殻》を頑張って使うといいでしょう。


呪文ねじり

 多人数戦なら夢いっぱい! 自分の墓地に夢あふれる呪文を落とせると2倍楽しい!


全知

 説明が必要ないくらい単純で強いぞー。わー。《衝合》とか打てばいいのかな?うん。《流れ込む知識》等で大量にドローして、火力をひたすら打つ頭の悪いデッキとか作りたいですね!


打ち寄せる水

 マンモスが鼻から出した水だというのが容易に想像できますね。


血の芸術家

「無限生け贄エンジン」のフィニッシャーとして新たに登場した吸血鬼。《オルゾフの御曹子、テイサ》デッキで大活躍しました! 相手の無限生け贄エンジンの牽制になるかも? 2マナのクリーチャーとしては破格の能力ですね。


闇の領域のリリアナ

 デュアルランドやショックランドをサーチしつつ、最終奥義で《現し世の裏切り者、禍我》とかを出すと...。ゴクリ。デッキのマナを工夫しないと真ん中の能力ではシステムクリーチャーくらいしか倒せなさそうですが、それでも実は十分なスペックなのかもしれませんね。


死の風

 水だけじゃなく、鼻息もすごいんですね。さすがです。


害霊

 一人だけを攻撃していれば、うまくいけば2回のパンチで人が死にます! 攻撃して《投げ飛ばし》もシンプルで強いかもしれませんね。


群衆の親分、クレンコ

 これで統率者戦でもついにゴブリンデッキが組めるぞ!と思えるくらいの1枚。《大食のドラゴン》で一気に大量ダメージを与えると気持ち良さそう!《武器商人》という強力なゴブリンも出たので期待の膨らむコンセプトです!


二重詠唱

 《献身のドルイド》や《バレントンの衛生兵》に付けると複数回起動できるので、赤マナさえ確保できればすごい動きができそう。アンタップできるクリーチャーがデッキに入っているなら一考の余地があるかも?


世界火

 このカードが強いなんて絶対に言わないぞ! そんな安直なこと言ってたまるか! 3週連続でこのカードの紹介なんてしたら...。みんな《メムナイト》トップされろ! 《霊気の薬瓶》から《ケルドの匪賊》出されろ!


ラッパの一吹き

 ある地方では、マンモスを呼び寄せるためにラッパを使ったりもします。ラッパからはマンモスの鳴き声にそっくりな音が鳴ります。


レインジャーの道

 《爆発的植生》や《スカイシュラウドの要求》と同じポジションのカードが増えたことにより、4→6マナへジャンプアップしやすくなったぞ!


ドルイドの保管庫

 《追い討ち》や《トレストの密偵長、エドリック》と相性バッチリ! 《ヘルカイトの突撃者》なんてカードもありますよ!


ムウォンヴーリーの獣記し

 このカードを見てマンモスがサーチできると思ったあなた。手遅れです。マンモスといえば緑ですよね!


多色

雪花石を率いる者、ブルーナ

 《黄金夜の刃、ギセラ》や《鷺群れのシガルダ》だけじゃない! 統率者戦ではきっと輝けるぞ! 《エルドラージの徴兵》や《熟達した戦い》で強化したり、《眼球の輪》+《ペミンのオーラ》で{U}払うだけで1ドローできるエンジンになったり、《愚か者の死》や《マンモスの陰影》で除去対策もできます。


大渦の放浪者

 続唱が2つもついているので、1枚で3枚分の働きをしちゃいます!そして《熱情》付きでサイズも7/5と高スペック。


強欲なるスロモック》《夜まといのヴェラ

 他にもプレインチェイス2012には面白くて強力な能力を持った伝説のクリーチャーがいるので、そちらも是非試してみてください!


その他

魂の洞窟

 アーティーファクト・土地に関しては統率者が打ち消されなくなる《魂の洞窟》くらいしか注目カードはありませんが、《処刑者の要塞》や《戦の大聖堂》等、可能性を感じるカードも。


 そして今回は1つだけ統率者戦のデッキを紹介したいと思います!

 統率者は新顔のこのクリーチャー。まずはリストから見てみましょう!

愉悦[MO] [ARENA]
2 《
2 《
1 《汚染された三角州
1 《溢れかえる岸辺
1 《吹きさらしの荒野
1 《血染めのぬかるみ
1 《樹木茂る山麓
1 《乾燥台地
1 《沸騰する小湖
1 《新緑の地下墓地
1 《霧深い雨林
1 《Volcanic Island
1 《Tropical Island
1 《Taiga
1 《蒸気孔
1 《繁殖池
1 《踏み鳴らされる地
1 《反射池
1 《統率の塔
1 《真鍮の都
1 《シミックの成長室
1 《イゼットの煮沸場》の
1 《グルールの芝地
1 《ドワーフ都市の廃墟
1 《ヘイヴンウッドの古戦場
1 《シヴィエルナイトの寺院
1 《滝の断崖
1 《溢れかえる果樹園
1 《火の灯る茂み
1 《シヴの浅瀬
1 《ヤヴィマヤの沿岸
1 《カープルーザンの森
1 《硫黄の滝
1 《内陸の湾港
1 《根縛りの岩山
1 《燃え柳の木立ち
1 《菌類の到達地
1 《銅線の地溝
1 《トレイリア西部
1 《セファリッドの円形競技場

-土地(42)-

1 《水蓮のコブラ
1 《幻影の像
1 《やっかい児
1 《詐欺師の総督
1 《永遠の証人
1 《幻の漂い
1 《霧虚ろのグリフィン
1 《ムル・ダヤの巫女
1 《ザルファーの魔道士、テフェリー
1 《鏡割りのキキジキ
1 《二つ反射のリクー
1 《パリンクロン
1 《無限に廻るもの、ウラモグ

-クリーチャー(13)-

1 《大渦の放浪者


-統率者(1)-
1 《否定の契約
1 《召喚士の契約
1 《タイタンの契約
1 《渦まく知識
1 《思案
1 《定業
1 《親身の教示者
1 《神秘の教示者
1 《Mystic Remora
1 《呪文貫き
1 《摘出
1 《信仰無き物あさり
1 《ギャンブル
1 《自然の要求
1 《森の教示者
1 《花の絨毯
1 《俗世の教示者
1 《師範の占い独楽
1 《Mana Drain
1 《行き詰まり
1 《Arcane Denial
1 《適者生存
1 《森の知恵
1 《探検
1 《原基の印章
1 《外殻貫通
1 《大あわての捜索
1 《Timetwister
1 《リスティックの研究
1 《孤独の都
1 《食物連鎖
1 《無垢への回帰
1 《欠片の双子
1 《巣穴からの総出
1 《野生語りのガラク
1 《Force of Will
1 《時のらせん
1 《集団意識
1 《時間の熟達
1 《歯と爪
1 《精神の願望
1 《時間の伸長
1 《ジェイス・ベレレン
1 《精神を刻む者、ジェイス

-呪文(44)-

 このデッキのメインコンセプトは、《食物連鎖》と《霧虚ろのグリフィン》の2枚で「無限マナ」を完成させ、統率者である《大渦の放浪者》をキャストして《食物連鎖》で取り除いてを何度も繰り返し、デッキの呪文をほぼ全て唱えて勝つというものなのです。
 さらに3色というカードプールの広さを活かして、様々なコンボを搭載しています。

 おなじみ双子コンボ。《歯と爪》から《鏡割りのキキジキ》+《詐欺師の総督》か《やっかい児》で一気に決めたりもできます。

 契約系のカードはなるべく2枚以上をプレイできる状態でコンボを決めたいですね。

 「無限マナ+無限ストーム」なので《精神の願望》や《巣穴からの総出》で祝勝利ですね。《二つ反射のリクー》は単体でもお仕事してくれるのがいいですね。

 このデッキではマナ加速をアーティーファクトに頼っていないので、《水蓮のコブラ》《ムル・ダヤの巫女》のようなクリーチャーや《野生語りのガラク》《花の絨毯》のようなパーマネントで頑張りましょう。誰かが《石のような静寂》や《無のロッド》を置くギスギスとした環境を見越しての構築です!

 そしてデッキ一番のお気に入りカードはこれ! 《霧虚ろのグリフィン》を取り除いても良し、相手のデッキのキーカードを取り除いても良し、デッキの内容も確認できるので最強! ...言い過ぎました。


 このデッキには入手困難なデュアルランドや《Mana Drain》《Timetwister》等が入っていますが、それらが必須という訳でなく、もう少し基本土地を増やして《血染めの月》系に備えたり、《意外な授かり物》や《魂の再鍛》を入れてみるのはどうでしょう!

 最近のカード中心にデッキを組んでいる友達でも強いデッキを組む人はたくさんいるので、大事なのは1枚のカードより面白い、強いコンセプトだと思いますよ!


 今回の構築ではコンボ満載にしましたが、続唱を活かしてストーム呪文とマナ加速呪文をたくさん入れたり、マナ加速をたくさん並べて高速で統率者を出して《踏み荒らし》系のスペルを続唱するデッキにするのも面白いと思います!

 今週の劇場はこれにて閉幕。

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