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週刊デッキ構築劇場

第43回:浅原晃のデッキ構築劇場・PW人材派遣会社4?『探検怪盗バトルイニストラード!!』

読み物

週刊デッキ構築劇場

2011.12.19

第43回:浅原晃のデッキ構築劇場・PW人材派遣会社4-『探検怪盗バトルイニストラード!!』

演者紹介:浅原 晃

 マジック界のKing of Popとして知られる、強豪プレイヤーにして、デッキビルダー・ライター。主な戦績は、世界選手権05・世界選手権08トップ8、グランプリ優勝2回、The Finals2連覇など。
 「構築戦はビルダーの舞踏会。タキシードでないデッキはジャージ」と言いつつ、時に斬新なデッキを持ち込み、時にトップメタのデッキを使うという虚実入り交じった発言で人々を惑わせる『A級の虚影(エーツー)』。
 ゴブリンデッキに《怒りの天使アクローマ》を投入するなどの柔軟な発想から海外でもカルトなファンが多く、また、構築・リミテッドを問わず見せる高いプレイスキルから国内プロからの信頼も厚い。・・・が、虚構も多いので、虚構を虚構と見抜ける人間でないと浅原のアドバイスを受けるのは難しいと言われている。
 代表作は、自身のビルダーとしての原点という「アングリーハーミット・ゼロ」、荒堀 和明のグランプリ・仙台優勝によって世間の注目を集めた「アサハラ・ゾンビジム」、ヴァージョン6まで存在する勝ち手段の存在意義を問うた問題作「みのむしぶらりんしゃん」、God of the Deck略して「G.o.D.」、Wander Deck「The One」他多数。


 第1話第2話第3話も合わせてご覧ください。
 ※この物語はフィクションです。


あらすじ

 一度は逮捕され、PW人材派遣会社を追放されたジェイスだったが、保釈金を払って釈放され、新会社『ピグミー・パイロサウル・スタジオ』を設立して再起を果たしていた。そして・・・


●ピグミー社 会見会場

ジェイス

ジェイス(ピグミー社社長)

「私は一度はある会社を追放されました。しかし、今思えば追放されたことは私にとって最高の幸運とすら言えるでしょう。何故なら成功者としての《重荷》から解放され、新しい創造者としての喜びを与えられているからです。この志を忘れずに、我が『ピグミー・パイロサウル・スタジオ』は今までの枠に嵌らない商品を打ち出し、イノベーションを起こし続けることをお約束致します。」
サルカン

サルカン(アナウンサー)

「えー、会見会場に来ています。ジェイス氏の立ち上げた新会社『ピグミー』の会社概要、そして、新商品が発表されるようです。」
ジェイス

「我が社は全く新しいビジネスモデルを展開していきます。まず、独自の通貨であるPVP(ピグミービクトリーポイント)を採用し、このポイントによって様々なサービスを受けることができます。このPVPは我が社が主催するマジックのイベントなどで獲得することが可能です。また、我が社では広く、会員を募集しています。会員になれば、PVPの恩恵を受けられるのはもちろん、さらに新規会員を紹介して頂けたら、より多くのPVPを得ることが可能なシステムを採用しています。我が社の商品は自信を持って勧められる商品ですので、会員になって、安心してより多くの商品を勧めていただいてもよいですし、またあなたが紹介した会員が稼いだPVPの一部もあなたに還元され・・・」

サルカン

「会社概要が続いていますが・・・あ、ついに新商品が発表されるようです。」

ジェイス

「誰でも、《停滞》した今という"凶"を《解呪》して、未来の"吉"へと変えられる、それが我が社の夢のような会員システムなのです。会社概要は以上です。お待たせしました・・・では、新商品を発表しましょう! 次元を越えて通信が可能、携帯電話でありながらあらゆる情報の伝達やコミュニケーションが可能になった、『PPhone(ピーフォン)』です!」


 その売り方はともかく、画期的な機能とシンプルなデザイン、そして、ジェイスのプレゼン能力の高さによってこの『PPhone』は売れに売れ、『ピグミー』は大企業へと成長した。


●PW人材派遣会社

アジャニ

アジャニ(平社員)「ジェイスの奴、社会復帰したと思ったら別の会社を立ち上げて、そして、よくわからないうちに、一気にスターダムにのし上がってしまったな。」

ジェイス弟

ジェイス弟(平社員)「兄さんは昔から転んでもただでは起きないですから。精神の専門家でプレゼン能力は異常に高いですし、あ、アジャニさん昼用にラスク買って来たんでどうぞ。」

アジャニ

「新しく来たジェイスの弟はこんなに性格のいい奴なのに、天は二物を与えずということか・・・」

ソリン

ソリン(会長)「黒の格言に最高の発明は最低の精神から生まれるという話もあるからな。しかし、ジェイス君の作った『PPhone』は便利だな。この次元からでもイニストラードの住人などとコンタクトを取ることすら可能だから、結局のところ我が社でもほとんどの社員に持たせている。」

アジャニ

「なんだかんだで僕も『PPhone』持ってますからね。」

チャンドラ

チャンドラ(OL)「復活といえば、アジャニは病気にかかってやばかったんじゃなかったっけ?」

アジャニ

「『スタンオチ』はスタン落ちの悲しみのショックで死ぬものだから、そもそもみんなに忘れられていたから大丈夫だったらしい。まったく困った話だ。大体、あのヤブ医者、増殖剤も中身は小麦粉で聞いたら『いや、病は気からって言うからね、まあまあ、この《ボトルのノーム》でも飲んで落ち着いて』って医者の言うことじゃな・・・」

チャンドラ

「なる」

アジャニ

「って、聞いといて、話聞いてないな、一体、何やってるんだ?」

チャンドラ

「あ、ごめん・・・今、『PPhone』でできる、通信機能を生かしたソーシャルゲームっていうのが流行ってるのよ。まあ、私達も今はほとんどシーズンオフみたいなもんだし、最近は出番が無くて暇だったから、そのうちの1つをやってるんだけど、これが結構面白いのよね。」

ジェイス

「僕もやってますね。空いた時間でちょこちょこっとできるんで、意外と癖になるんですよ。」

アジャニ

「なんて言う名前のゲームだ?」

チャンドラ

「『探検怪盗バトルイニストラード!!』っていうゲームね。これもジェイス兄が作ったみたいだけど」

アジャニ

「聞いたことがあるな・・・というか病院でエルズペスに教えてもらって登録だけしてあるゲームだ。『暇だったら、このゲームでもやりまへんか?、面白いんで紹介しますよって』みたいな感じで。現状放置してるけど」

チャンドラ

「ああ、このゲームって人に紹介するとPVPがもらえるからね、アジャニもちょっとやってみれば? ルールは簡単に分かるし、マジックをベースにしたゲーム性になっているから、マジックの練習にもなるわよ」

アジャニ

「お金とか掛からない?」

チャンドラ

「基本無料よ」

アジャニ

「じゃあ、とりあえずやってみるとするか」

ジェイス

「僕もそこそこやってるんで、教えられますよ。まず、自分の名前を決めて、無料でカードを引けるガチャからカードを引いてください。」

アジャニ

「これか、じゃあ、名前は"勇気のあるライオン"にしよう。」

■ ゲームスタート!

■ "勇気のあるライオン"さん、『探検怪盗バトルイニストラード!!』へようこそ、無料で引けるガチャからランダムでカードが出ます。それをテーマにデッキを作ってみましょう!!

/

※みんなも1枚カードを引いて、運試しするなり、それをテーマにデッキを作ってみたりしよう(作中ではイニストラード・ブロック構築ですが、スタンダードでもいいでしょう)!

アジャニ

「さて、引いたのは《裂け木の恐怖》か。これを使ってデッキを作ればいいんだな」

ジェイス

「なかなか、渋いカードですね、墓地肥やしのカードなんで僕は好きですよ。出たカードなら何でも使えるんですが、このゲームはイニストラードが舞台なので基本的にはイニストラードのカードしか出てこないんです。つまり、作るデッキはイニストラードブロック構築になりますね。」

アジャニ

「ブロック構築だと全く分からない環境になるが、まあ、とりあえず、この無料ガチャをどんどん引けばいいんじゃないか・・・」


■ 駄目、ゼッタイ! "勇気のあるライオン"さん、無料ガチャは1日1回まで(イニストラードでの1日を単位としまます)ですよ。欲張りはいけません。もし、追加カードがたくさん欲しいなら、プレミアムガチャ(お金がかかります)なら引けますので、そっちを利用してくださいね。

アジャニ

「うぉっ、ゲームに突っ込まれた・・・」

チャンドラ

「『PPhone』は音声認識に対応してるからね。」

アジャニ

「お金は使いたくないし、しかし、これではカードが足りないな。」

ソリン

「基本土地は支給される。また、他のカードもゲームのイニストラードを探検すればいろいろ手に入れることができるから、とりあえず探検に行くといいだろう。」

アジャニ

「それならデッキはなんとか作れそうですね。ただ、強いデッキが作れるか心配ですが・・・」

ソリン

「そこを工夫していくのがマジックだったのではないのかな? マジックは自分のとれる選択肢の中でどれがいいか、もっとも良いものを考えていくゲームだ。それは、プレイングでもデッキ構築でも変わらない。ある局面でどの選択をするか、限られたカードをどう使って生かしていくか、それを考えること、考えられる範囲を広げることが成長に重要だろう。」

アジャニ

「イニストラードのブロック構築は新しいプールの環境ですし、さらに、そこでカードをやりくりしてデッキを作るのは、マジックの根本的な面白さかもしれないですね」

ジェイス

「何でも試行錯誤しているときが、やっぱ一番楽しいんじゃないですか。とりあえず、デッキを作るためにゲームを始めましょう」

アジャニ

「そうだな」

■ そうですね、サクサクいきましょう。このゲームの概要を説明します。

■ 『探検怪盗バトルイニストラード!!』は手に入れたカードでデッキを構築してマジックで戦ったり、イニストラードを探検するゲームです。デッキはゲーム内のあなたのアバター(人工知能で行動する分身)が自動的にプレイします。

■ あなたのやることは2つ、手に入れたカードでデッキを作ること、そして、アバターを鍛えてマジックをよりよくプレイさせることです(注:アバターに特殊な能力が備わることもありますよ)。カードはガチャで手に入れるか、イニストラードを探検すると手に入れることができます!

■ アバターを鍛えるためには、ゲーム内のイニストラードを探検して様々なミッションをこなしてアバターに体験をさせていきましょう!そして、各地で出会う、NPC(ノンプレイヤーキャラ)やプレイヤーと対戦して勝つことができれば、あなたは相手からカードを得ることも可能です!

■ 最初のあなたのアバターは『村人Lv.1』です。何の能力もないので鍛えるか、別のアバターにしていくといいでしょう。

アジャニ

「なるほど、自分自身ですべてプレイするわけではないんだな」

ジェイス

「深く考えなくてもいいんですが、そこが面白いところでもありますね。アバターに知識を与えて鍛えれば、それを基準に行動してくれます。マジックって見てるときはああやればいいのにと思えても、実際にプレイすると同じことでもそれに気づかずにミスをしてしまうということありませんか? このゲームだと、自分の考えをアバターがプレイしてくれるので、客観的に自分のプレイを反省することの重要さっていうのが分かったりするんですよ」

チャンドラ

「自動だと、手間が掛かりすぎないのもいいわね」

ソリン

「ソーシャルゲームがうける理由の一つにはその手軽さがある。ゲーム内ではマジックについての様々な事柄がミッションやアクシデントとして起こるから、そこでアバターに勉強させたり、自分自身の勉強にもなるようになっているので退屈はしないだろう」

アジャニ

「簡単でも、結構ためになる仕様なんですね、それじゃあ、先へ進んでみますか」

■ では、最初は初心者にも優しい『ガヴォニー』エリアへ探検に行きましょう!

■ ということで、『ガヴォニーの居住区』へ着きました。グラグラ・・・あ・・・何やら揺れてますね、《地震》です。どうしましょう?

1.《平地》へ逃げる
2.《ジャンプ》する

アジャニ

「さっそく、アクシデントか、地震は何も無い広いところに逃げるのが常識だ。こんなの《平地》に逃げるに決まってるだろう。」

■ グラグラグラ・・・残念ながら、《地震》でできた地割れに飲み込まれてしまいました。あなたのアバターはダメージを受けて機嫌が悪くなってます。《地震》には飛行で逃れるに決まってるでしょう! 何考えてるんですか!

アジャニ

「えっ」

チャンドラ

「何やってるのよ。この世界ではマジックの常識が全てよ。失敗するとアバターがやる気を無くして適当にプレイしだすわ、逆に正解を繰り返せば成長していいプレイができるようになるのよ。」

ジェイス

「あ、ちょっと、そこの村人に話しかけてみて下さい。レアなクイズおじさんですよ」

アジャニ

「いろんな奴がいるんだな・・・」

■ 村人A「よう、俺のクイズに答えられたら、カードをやろう。俺の戦場に《オパール色の輝き》がある状態で《墨蛾の生息地》を起動して、それを対象に《ボーラスの工作員、テゼレット》の-1能力を起動した後、《謙虚》を出して、《オパール色の輝き》2枚目を出したら、《墨蛾の生息地》の能力とパワータフネスはどうなる?」

■ 早く、早く答えて!

アジャニ

「頭いてぇー」


 こうして、アジャニはちょっとした探検や村人との交流を繰り返しカードを手に入れ、デッキはとりあえずの形になった。

アジャニのデッキ 『ドレッジ』[MO] [ARENA]
5 《
3 《
4 《内陸の湾港
4 《森林の墓地
4 《ゆらめく岩屋

-土地(20)-

4 《アヴァシンの巡礼者
4 《錯乱した助手
2 《待ち伏せのバイパー
4 《甲冑のスカーブ
4 《骨塚のワーム》 
4 《裂け木の恐怖
1 《鏡狂の幻》 

-クリーチャー(23)-
4 《夢のよじれ
4 《根囲い
3 《骨までの齧りつき
2 《禁忌の錬金術
4 《蜘蛛の発生

-呪文(17)-
アジャニ

「ふぅ・・・大変だったが、《裂け木の恐怖》を生かした墓地利用デッキが完成したな。動きとしては、墓地にひたすらカードを送って《裂け木の恐怖》や《蜘蛛の発生》で勝負を決めるデッキだ。パワー10以上の《裂け木の恐怖》や、10体以上の《蜘蛛の発生》が出れば勝てるだろう。」

ジェイス

「いいですね、墓地に落とすカードも、《根囲い》や《甲冑のスカーブ》、ドローも兼ねた《禁忌の錬金術》など充実してますし」

チャンドラ

「《骨までの齧りつき》の回復量も相当なものなのよ、私のビートダウンデッキはこれにやられるときが多いのよね。」

ソリン

「デッキ構築において、重要なのはコンセプトを明確にした上でカードの強さを語ることだ。そのカードが強いか弱いかというのは、どれだけデッキのコンセプトに合致しているかによって決まる。アジャニ君の引いた《裂け木の恐怖》は墓地に能力を特化したカードだ。つまり、効率的に墓地にカードを落とせる呪文などが多くあれば、そのデッキにおいては3マナでは得られないスペックのクリーチャーになる。」

ジェイス

「能力が特化しているカードの方がコンセプトを明確にしたときデッキの軸になれるという傾向が顕著ですね。逆に《情け知らずのガラク》などは、どんなデッキにも組み込めるような汎用性の高い強力カードですが、デッキにコンセプトとしてはサポートカードになることが多いですし。ちなみに、僕が最初に引いたのは《似通った生命》だったので、デッキの軸にして組んで使ってますよ」

ジェイス弟のデッキ 『トークン』[MO] [ARENA]
9 《平地
6 《
4 《
4 《内陸の湾港
2 《ムーアランドの憑依地

-土地(25)-

4 《宿命の旅人
3 《アヴァシンの巡礼者
4 《アヴァブルックの町長
4 《聖トラフトの霊
2 《悪鬼の狩人
4 《霊誉の僧兵》 
1 《ケッシグの檻破り

-クリーチャー(22)-
4 《深夜の出没》 
4 《無形の美徳
4 《似通った生命
1 《瀬戸際からの帰還

-呪文(13)-
アジャニ

「なるほど、《似通った生命》の強さがトークンを出すカードに依存しているから、トークンの出るカードが多め、そして、そうなれば、《似通った生命》は4マナ以上の働きをしてくれると。」

ジェイス

「そうですね、《聖トラフトの霊》で天使で2倍パンチとかもできますし、《無形の美徳》で強化するとトークンは攻守に渡って強いですよ。1枚だけ入っている《ケッシグの檻破り》や《瀬戸際からの帰還》なんてのも結構オシャレですよ」

アジャニ

「本当は《ケッシグの檻破り》は自分のデッキにも入れたかったんだけど手に入らなくてな・・・、ジェイス弟は結構カード持ちだな。」

ジェイス

「それだったら、トレードの機能があるんで、それで手に入れるといいと思います。僕も持ってなかったカードはトレードで手に入れましたから。《情け知らずのガラク》のような高いカードはなかなか手に入れられないんで、このデッキにも入ってないんですが。」

チャンドラ

「えっと、《ケッシグの檻破り》なら私が持ってるわね、ちょっと待ってなさい。さっきアジャニが村人からもらった、《小悪魔の遊び》と交換してあげるわ」

■ "勇気のあるライオン"さん、"燃え尽きた炎"さんが話し掛けてきましたよ。

■ 燃え尽きた炎「ハーイ!」

■ 燃え尽きた炎さんがトレード申請をしています、申請を受けますか?

⇒はい
⇒いいえ
⇒逃げる

アジャニ

「これって、チャンドラ?」

チャンドラ

「そうよ、トレードで私の《ケッシグの檻破り》と、アジャニの《小悪魔の遊び》を交換してちょうだい。これで、私のデッキも完成するから。よし、白赤ビートダウンが完成したわ。まあ、クリーチャー+火力のビートダウンだから説明は不要ね。」

チャンドラのデッキ 『ビートダウン』[MO] [ARENA]
12 《平地
8 《
4 《断崖の避難所

-土地(24)-

4 《教区の勇者
4 《宿命の旅人
4 《修道院の若者
4 《精鋭の審問官
4 《悪鬼の狩人
4 《扇動する集団

-クリーチャー(24)-
4 《深夜の出没
4 《硫黄の流弾
4 《小悪魔の遊び

-呪文(12)-
アジャニ

「なるほど、トレードを使って足りないカードを補いあえると、これは便利だな。ちなみに、この『逃げる』ってコマンドは必要なのか?」

チャンドラ

「別のエリアにはカードを強奪しようとしたり、無理矢理勝負を挑んでくるような奴がいるから、そのときに必要になるかもしれないわ、ただ、『ガヴォニーの居住区』エリアでは必要ないわね。さて、デッキも完成したし、チームを組んでちょっと別のエリアに探検に行きましょうか」

ジェイス

「いいですね。アジャニさんも一緒にチームで、イニストラードにいる、吸血鬼や狼やゾンビなんかを倒しに行きましょう、それでアバターを成長させたり、カードをもらえたりします。強力な相手にもチームで戦えば勝てますし、協力しないとクリアーできないミッションではいいカードがもらえることも多いので。ちなみに、僕は"デッキ削り中毒"って名前でやってます」

チャンドラ

「『高地都市スレイベン』や『アヴァシンの大聖堂』で情報や依頼を受けて、『ムーアランドの憑依地』やちょっと行ったところにある『カーク川』らへんいきましょう。その辺はそれほど強い相手は出てこないからね。」

アジャニ

「面白くなってきたな」

■ 『ムーアランドの憑依地』に到着しました。

■ 敵が現れました!

■ ゾンビ(NPC)「こんなところで、死んでたまるか!」

敵のデッキ[MO] [ARENA]
20 《

-土地(20)-
40 《歩く死骸

-クリーチャー(40)-


-呪文(0)-

■ "勇気のあるライオン"さんは、"燃え尽きた炎"さん、"デッキ削り中毒"さんと協力してデュエルを開始しました!

・・・

■ ゾンビ(NPC)「ギャー」

■ 楽勝ですね! あなたのアバターのレベルが上がりました。『村人Lv10』になり知能レベルが上がりました。『ライフ+1』の能力を得ました!

■ おや、助けられた村人が近づいてきましたよ。

■ 村人「頼みがあるんですが、『ガヴォニー』の外れにある、『ウィッタールの森』へ行って、人狼どもを狩って来てくれませんか、お礼に《情け知らずのガラク》をあげますので・・・」

アジャニ

「アバターもプレイがしっかりしてきたし『ライフ+1』の能力が付いたから最初のライフが21になるのか、あまり、大きな影響は無さそうだがこれはうれしいな。しかも、《情け知らずのガラク》がもらえるレアイベントも発生してるし、これはぜひ行きたい」

チャンドラ

「でも、『ウィッタールの森』はかなり危険なところよ、ミッションだけでなく、プレイヤーを狙ってカードを奪うプレイヤーも居るらしいから」

ジェイス

「まだ、僕達には早いかもしれませんね。」

アジャニ

「いや、もう大分強くなったし行けるだろう。それなら、ちょっと一人で行ってみるよ」


 こうしてアジャニは一人で旅に出るのだった。

■ 『ウィッタールの森』に着きました。

・・・(中略)

■ "勇気のあるライオン"さんは『ウィッタールの森』で人狼を10体狩りました! ミッション達成です!

■ 村人「ありがとうございました、これが謝礼の《情け知らずのガラク》です」

アジャニ

「なんだ、大したことないミッションだったな・・ねんがんの、ガラクを てにいれたぞ!、ってな。これでデッキも強くなる・・・」

■ あ、いいところすいませんが、"忠誠度3以上は甘え"さんが話しかけてきました。

■ 忠誠度3以上は甘え「おい、そこのお前いいもの、持ってるんだゾッ。ちょっと欲しいから、勝負するんだゾッ。」

■ 勝負を挑まれました。どうしますか?

⇒受ける
⇒受けない

チャンドラ

「あれ、どこかで聞いたことがある口調ね・・・」

アジャニ

「勝負か、プレイヤーと勝負するのは始めてだな、面白いじゃないか。受けるとしよう。そう簡単にやられたりはしないはずだからな。勝ったらこっちも何かもらえるはずだし」

ジェイス

「いや、待ってください、相手のアバターが普通じゃない。あれは、新月のときに活発に活動し子供を好んで捕食する残忍な群れの頭目、悪名高き狼女『人狼スカハーラ』です。知能レベルも相当高いのですが、お金が必要なPG(プレミアムガチャ)、しかも、相当お金を積まないと得られないレアアバターですよ。そして、今は・・・」

■ 忠誠度3以上は甘え「気づくのが遅いんだゾッ。私のアバターは『人狼スカハーラ』。しかも、今、ゲーム内は新月だゾッ。そして、その能力は『狼男は最初から変身して戦場に出ることができる』だゾッ。つまり、どういうことか分かるかな、勇気じゃなく、無謀を履いた猫君?」

■ 勇気のあるライオン「いや、どういうことだ。うわっ、狼どもが・・・やばいやばい」

■ 忠誠度3以上は甘え「強さとは何か勘違いしているようだから教えるゾッ! "お金"だゾッ!イン・ザ・マネー! ライフを削ることに特化して構築された私のデッキにこの最強のアバター、お金も払ってない奴に負ける道理は無いんだゾッ!」

"忠誠度3以上は甘え"のデッキ 『赤単狼』[MO] [ARENA]
24 《

-土地(24)-

4 《無謀な浮浪者
4 《村の鉄鍛冶
4 《クルーインの無法者
4 《扇動する集団
4 《流城の貴族

-クリーチャー(20)-
4 《噛み傷への興奮
4 《霊炎
4 《硫黄の流弾
4 《小悪魔の遊び

-呪文(16)-

■ 勇気のあるライオン「ぐはっ」

■ "勇気のあるライオン"さんは敗北しました。アンティで《情け知らずのガラク》を取られちゃいました。

■ 忠誠度3以上は甘え「国へ帰るんだゾッ。お前にも家族が居るはずだゾッ。そして、《情け知らずのガラク》はもらっていくゾッ」

アジャニ

「ああ、せっかく手に入れた、《情け知らずのガラク》が・・・」

チャンドラ

「しょうがないわね、ジェイス弟行くわよ」

ジェイス

「そうですね」

■ "燃え尽きた炎"さんと"デッキ削り中毒"さんがインしました。

■ 燃え尽きた炎「待ちなさい! 忠誠度3以上は甘え、いや、ニッサ・レヴェイン!」

■ 忠誠度3以上は甘え「誰だ、何なんだゾッ。そして何故私がニッサだと分かったんだゾッ」

■ 燃え尽きた炎「忠誠度2のプレインズウォーカーなんてあなたくらいなもんでしょうに。その《情け知らずのガラク》を返してもらうわよ」

■ 忠誠度3以上は甘え「分かったから何なんだゾッ。お前たちもプレミアムガチャからカードを引いてない以上、私に勝てる訳が無いんだゾ」

■ デッキ削り中毒「先ほど、一番大事なものはお金って言ってましたよね。違いますよ、一番大事なものは"工夫"です。相手を良く見て観察して思考し"工夫"すること、それが強さなんですよ」

■ 忠誠度3以上は甘え「何を言っても運命は一緒だゾッ。フルボッコにしてやるゾ。あれ・・・、狼どもが変身しないゾ、どうなってるんだゾッ」

■ 燃え尽きた炎「自分のデッキが最強と奢った時点であなたのデッキ構築劇場は終幕しているのよニッサ、ジェイスのアバターを見なさい」

■ デッキ削り中毒「私のアバターは『錬金術師セオドラ・グリック』。一時的ですが、イニストラードにおいて、人狼を人の状態に戻すことができた彼の力をご存知ですか?、つまり、彼は変身の力を無効化することができるのですよ。つまり、あなたの『人狼スカハーラ』は『錬金術師セオドラ・グリック』の前では何もしないんです」

■ 燃え尽きた炎「そして、こちらは2人、あなたは1人、勝負あったかしら。」

■ 忠誠度3以上は甘え「くッ、劣勢なんだゾッ」

アジャニ

「2人とも、やるじゃないか。よかった《情け知らずのガラク》は戻ってきそうだ。」

チャンドラ

「いや、待って、新しく誰か来たわ。相手の援軍かもしれないわね。」

■ "3時のおやつはリリアンヌ"さんがインしました。

■ 3時のおやつはリリアンヌ「何を苦戦しているのニッサ」

■ 忠誠度3以上は甘え「L!」

■ 3時のおやつはリリアンヌ「あの2人はまさか・・・、しょうがないわね、私が直々に加勢するわよ」

■ 燃え尽きた炎「まさか・・・はこっちのセリフだけどね。絶対リリアナでしょあなた。」

アジャニ

「こうなると2対2の勝負になるのか」

ジェイス

「2対3で挑むこともできますが、リリアナのアバターは私は見たことが無いですね。まさかとは思いますが・・・」

■ 3時のおやつはリリアンヌ「あなたたち、見たことが無いだろうから説明するわね。私のアバターは、世界に1体づつしか居ない伝説のアバターと呼ばれるもの。イニストラードをアンデッドの巣窟と化した狂気の錬金術師の姉弟、『ギサ』と『ゲラルフ』よ。知能と狂気のレベルはMAX、さらに彼らの能力は死んだクリーチャーをすべてゾンビとして、私の戦場に蘇らせるわ。」

■ デッキ削り中毒「僕の使っているアバターよりも2段階は上だ・・・どこでそれを?」

■ 3時のおやつはリリアンヌ「SPG(スーパープレミアムガチャ)をご存知かしら? 私が血反吐を吐くようなお金を払って手に入れたこのカード、一番大事なものを教えてあげましょう、それは"執念"よ。強さに対する執念こそが力になるの、本物の強さは揺らぎが無い、そして、あなたたちが手が届くものでも無いのよ!」

"3時のおやつはリリアンヌ"のデッキ 『黒赤コントロール』[MO] [ARENA]
7 《
7 《
4 《硫黄の滝
4 《森林の墓地
4 《ゆらめく岩屋

-土地(26)-

4 《血の贈与の悪魔
3 《オリヴィア・ヴォルダーレン

-クリーチャー(7)-
2 《霊炎
4 《捨て身の狂乱
3 《硫黄の流弾
4 《血統の切断
2 《死の支配の呪い
4 《小悪魔の遊び
4 《情け知らずのガラク
4 《ヴェールのリリアナ

-呪文(27)-

■ デッキ削り中毒「ぐはっ、デッキのカードパワーの高さも段違いだ・・・このままでは・・・」

■ 勇気のあるライオン「何か打開策は無いのか・・・誰か」


■ "空翔る黄金の夜"さんがインしました。


■ 空翔る黄金の夜「お困りどすか?」

■ 勇気のあるライオン「あ、あなたは・・・」

■ 3時のおやつはリリアンヌ「誰か知らないけど、今さら、この劣勢はひっくり返らないわ。ほら、『ギサ』と『ゲラルフ』やっちゃいなさい、マナも無しにこちらの『小悪魔の遊び』を受け止められるかしら」

■ 空翔る黄金の夜「《対抗呪文》どす」

■ 3時のおやつはリリアンヌ「なに・・・」

■ 空翔る黄金の夜「ウチのアバターは『大天使アヴァシン』、イニストラードの伝説の天使どす。あらゆる防護的な魔法の源なる天使ですよって、あらゆる次元の防御魔法を使うことができるんどす」

■ 3時のおやつはリリアンヌ「『大天使アヴァシン』、最近は全く姿を見せなくなり、消えたと言われるイニストラードの伝説中の伝説の天使、まさか、実在していたなんて・・・」

■ 空翔る黄金の夜「PVPPG(ピグミービクトリーポイントプレミアムガチャ)って知ってはりますか? PVPでしか引けないという伝説のガチャ、それで手に入れさせてもらいました。強さを得るために大事なもの言うてはりましたけど、一番大事なもの、それは"絆"と"時間"どす。『ピグミー』社が主催するマジックのイベントに不眠不休で出させてもらいましたよって、それでPVP稼がせてもらいました。あと、最後にアジャニはん紹介させてもろて、ちょうどPVP足りました、アジャニはん感謝してはりますよ」

■ 勇気のあるライオン「じゃあ、君はエルズベス・・・」

■ 3時のおやつはリリアンヌ「なかなかやるわね・・・しかし、それでこそ戦いがいがあると言うものよ!」

■ 忠誠度3以上は甘え「まだ、終わって無いんだゾッ! こっちも意地があるんだゾ」

■ 空翔る黄金の夜「すべて受けて立たせてもらいますぅ」

アジャニ

「これが、神と神の戦いか・・・」

 こうして、戦いは延々に続き、いつまでも終わらないのではないかと誰もが思った。そして、アジャニは完全に感化され、この戦いに参加するために大量の投資を行った、のだが・・・。

 ・・・

サルカン

「緊急ニュース速報をお伝えします。『ピグミー』社のジェイス氏が《不正利得》の容疑で逮捕されました。なお、PPhone、PVPのサービスはすべて停止となり・・・」

ソリン

「関連商品を全部、売り抜いといて正解だったな。さて、最近は景気も悪いし、そろそろイニストラードに帰省するとしよう」


 本当に大事なものは何なのか? デッキ構築も人生もときには初心に帰り、それを見極めるようにしよう!

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