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週刊デッキ構築劇場
第7回:塚本樹詩のデッキ構築劇場・2倍の楽しさと強さ!
読み物
週刊デッキ構築劇場
2011.03.17
第7回:塚本樹詩のデッキ構築劇場・2倍の楽しさと強さ!
演者紹介:塚本 樹詩 関東の草の根を中心に独創的なデッキ構築で知られるデッキビルダー。昨年のプロツアー・ホノルルにて初のプロツアー出場を果たし、《破門》マスターとして恐れられる。 |
今年からはみんなに会えるスパンが短くなって嬉し恥ずかしの塚本です!
今回もまた皆さんにクレイジーでハッピーなデッキをお届けしたいと思います。
さてさて、「ミラディン包囲戦」皆さんは堪能していますか?
世間では《饗宴と飢餓の剣》一本で、《石鍛冶の神秘家》環境になってしまって、
デッキリストを見る楽しみが薄れているような気がしてきますが・・・
今回の僕のデッキも「スタンダードのメタデッキ」になってしまいました。
やっぱり強いカードを使う事は、「楽しさ」とは別の焦点、「勝つ」という点においてはとても重要です。マジックは沢山勝てば、勝っただけ良い事がありますし、たまには真面目に勝つための「構築劇場」を!
という事で作った「強そうな」デッキ。
僕はコントロールデッキは苦手なので、ビートダウンデッキを作ってみることに。
歴代最強ビートダウンと言えば「ゴブリン」?「Zoo」?
この環境には両方の要素を満たせるデッキが一つあります。つまりは部族であり、「Zoo」の様な高スペックのクリーチャーを詰め込んだデッキ。
それがスタンダードの「吸血鬼」デッキでした。
15 《沼》 4 《新緑の地下墓地》 4 《湿地の干潟》 -土地(23)- 4 《グール・ドラズの吸血鬼》 4 《グール・ドラズの暗殺者》 4 《吸血鬼の裂断者》 4 《臓物の予見者》 4 《カラストリアの貴人》 4 《恐血鬼》 4 《マラキールの門番》 3 《血の座の吸血鬼》 -クリーチャー(31)- |
4 《血の復讐》 2 《血の長の刃》 -呪文(6)- |
これは、吸血鬼という部族で統一されながらも、シナジーではなく個々の強さで戦うデッキです。
《野生のナカティル》こと、《グール・ドラズの吸血鬼》1マナでパワー3はもはや奇跡の領域。
それに加えて威嚇まで付いているなんて...ついているなんて!
続いては《グール・ドラズの暗殺者》。
マナを注げば注ぐだけ強くなるなんて、まるで《運命の大立者》!
装備品をつけようとしたら、こいつで片っ端から除去してあげましょう!
《吸血鬼の裂断者》は何体でも並べられる《今田家の猟犬、勇丸》。
本当は《サバンナ・ライオン》である《鼓動の追跡者》も入れたいのですが・・・
《戦隊の鷹》だらけのこの環境ではベンチウォーマーすら危ういので、今回は採用を見送りました。
長い事スタンダードに存在し続けている「吸血鬼」デッキなので、細かいシナジーはもうご存じだとは思いますが、これだとただの「ものすごく軽い吸血鬼」デッキなので、メタっぽさと強さ両方で少し微妙に・・・。
もっと第一線のカード達に着目するべきなのか?
《石鍛冶の神秘家》からの装備品サーチが一番メジャーで強いのか・・・。
うじうじ・・・。
とりあえず長いものには巻かれてみるのが一番なのか・・・。
5 《島》 4 《平地》 4 《天界の列柱》 4 《氷河の城砦》 4 《金属海の沿岸》 1 《霧深い雨林》 4 《地盤の際》 -土地(26)- 4 《戦隊の鷹》 4 《石鍛冶の神秘家》 -クリーチャー(8)- |
4 《定業》 4 《呪文貫き》 3 《マナ漏出》 1 《剥奪》 1 《冷静な反論》 4 《審判の日》 1 《シルヴォクの生命杖》 1 《饗宴と飢餓の剣》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 3 《ギデオン・ジュラ》 -呪文(26)- |
っは!気がついたら津村さんの記事のデッキリストをコピペしてた・・・。
こんなみんなが使うようなカードの集合体じゃ、デッキ構築劇場じゃないや!
と僕は、やさぐれて寂れた街角でお酒を飲むことに。
塚本 「ひーっく。何がスタンダードでぇい。みんな装備品かヴァラクートじゃねいかちきしょー。」
店主 「お客さん大丈夫かね?飲みすぎは毒ですよ?」
塚本 「うっせーい!毒じゃ勝てねーンだよ!」
怪しい客 「お兄さん、荒れていますね。」
塚本 「なんだてめーは!こちとら大荒れじゃい!」
怪しい客 「まぁまぁ落ち着いて、私はこういうものですよ」
怪しい客から手渡された名刺を見るとそこには、さらに怪しい肩書が。
有限会社「大宇宙エネルギーの集合を見守る会」
会長 合瀬 益男
塚本 「あわせ...ますお?」
益男さん 「そうです、よかったらあなた様のお力になりましょう」
塚本 「大宇宙だがアメーバだが知らねーが、俺はワタナベ教の幹部だぞ!そういうのは間に合ってるっつーの!」
益男さん 「大丈夫ですよ、私はあなたの夢を現実にするだけですから。どーん!」
益男さんが指を突き出して机の上の二つのデッキを崩す。
ぐしゃぁ!
塚本 「おい! てめー! 俺っちのデッキを! 2つのデッキがぐちゃぐちゃに・・・。」
益男さん 「後はあなたの力次第ですよ。」
塚本 「おい! まて! ちきしょおー!」
益男さんは静かに店を出て行った。
塚本 「くそー、2つのデッキ両方に『ワタナベユウヤの仁王立ちスリーブ』使ってたから区別つかねぇ。」
その時、塚本の脳裏によぎったのはフレミングがペニシリンを見つけた時のエピソード。
偶然に二つのデッキが混ざれば新たな化学反応が!
皆さん塚本樹詩のデッキ構築劇場、第2幕の始まりだよ!
今回紹介するデッキは、今までのスタンダードの概念を超えたデッキ。
スーパースタンダードデッキだ!
今回のデッキはいつもの2倍、楽しさと強さが詰まっている、とってもクレイジーなデッキだ。
まずはリストを見てみよう!
10 《沼》 2 《平地》 1 《島》 4 《アガディームの墓所》 4 《忍び寄るタール坑》 4 《水没した地下墓地》 4 《闇滑りの岸》 4 《湿地の干潟》 4 《新緑の地下墓地》 4 《広漠なる変幻地》 -土地(41)- 3 《グール・ドラズの吸血鬼》 4 《グール・ドラズの暗殺者》 4 《吸血鬼の裂断者》 4 《臓物の予見者》 4 《ナントゥーコの影》 4 《血の座の吸血鬼》 4 《吸血鬼の呪詛術士》 4 《マラキールの門番》 4 《カラストリアの貴人》 4 《恐血鬼》 1 《壊死のウーズ》 1 《荒廃のドラゴン、スキジリクス》 3 《死の門の悪魔》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《ニューロックの透術士》 4 《溶鉄の尾のマスティコア》 1 《マイアの溶接工》 1 《ソリトン》 1 《ウラモグの種父》 -クリーチャー(59)- |
3 《不気味な発見》 3 《魔性の教示者》 4 《心の傷跡》 1 《汚れた一撃》 1 《カルニの宝石》 1 《エルドラージの碑》 1 《血の長の刃》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《肉体と精神の剣》 4 《骨溜め》 -呪文(20)- |
4 《ファイレクシアの十字軍》 4 《神への捧げ物》 3 《堕落した良心》 1 《背くもの》 1 《真実の解体者、コジレック》 1 《無限に廻るもの、ウラモグ》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -サイドボード(15)- |
スクロールお疲れ様です!
今回のデッキは120枚デッキです!
2個のデッキを合わせたら2倍のパワーが生まれるんじゃないか! という試みのもとに単純に枚数を2倍にしました。
デッキの根幹は「吸血鬼」と「装備品」ですが、120枚あるからこそできるスーパーコンボ!
それは《骨溜め》と《心の傷跡》!
デッキの半分がクリーチャーなので、《心の傷跡》を撃てば墓地に30枚くらいは落ちるでしょう。
そうしたら致死量のパワータフネスを持った《骨溜め》で殴るなり、別の装備品でプロテクションを得るなりすれば、勝利は目前!
そのために入れた《ニューロックの透術士》は、出た時に生体武器状態の《骨溜め》ブロックされなくして殴っても良し、《骨溜め》をつけても良し、沢山食べて大きくした、《血の座の吸血鬼》をブロックされなくしても良しと万能クリーチャー。
浅原さんの記事で採用されていた《ニューロックの猛士》と共に今後はニューロックが熱い!かも!
そして《心の傷跡》と相性のいい《アガディームの墓所》。
30体くらい落ちれば、半分くらい黒いので最低でも10マナくらいは出るでしょう。
沢山マナが出れば面白い事が沢山出来る!
- 《溶鉄の尾のマスティコア》本体砲撃モード。
- 《魔性の教示者》から何でもプレイ。
- 《ナントゥーコの影》スーパーパンプ!
- 《ウラモグの種父》からの《引き裂かれし永劫、エムラクール》でタイムワープ!
一度に沢山のカードが墓地に落ちる事をもうちょっと有効利用しようと、《マイアの溶接工》のシナジーも投入。
《マイアの溶接工》の起動型能力を使って《ソリトン》を刻印。
青マナを払って《マイアの溶接工》をアンタップして、《カルニの宝石》を刻印してからアンタップすれば、無限に青マナを出せるようになります。
そうすれば、《マイアの溶接工》を無限にアンタップできるので、《カルニの宝石》の能力で違う色のマナも無限に出す事が出来ます。
そのまま無限に出たマナで《ウラモグの種父》でサイドボードからエルドラージ呪文を乱打するもよし。
《溶鉄の尾のマスティコア》で本体に20点入れても良し。
墓地に重要なパーツが落ちすぎた場合は《不気味な発見》で《壊死のウーズ》を手札に戻して、色々再利用しちゃいましょう。
序盤は吸血鬼で頑張って、後半は装備品や《心の傷跡》の力で頑張る! が基本のデッキですが、サイドボードは実質11枚しかないので、相手の装備品を割ったり追加の勝ち手段の「感染」パーツでまとめました。
《ファイレクシアの十字軍》のプロテクションは凄く優秀で、序盤を耐えそのままフィニッシャーになれるので、是非是非違うデッキでも試してみてください!
今日はこのあたりでお開きとしますが、次回はグランプリ・神戸前に会いましょう! 塚本でした!
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