READING

戦略記事

中村修平の「デイリー・デッキ」

中村修平の「デイリー・デッキ」:黒単アグロ(スタンダード)

中村修平の「デイリー・デッキ」:黒単アグロ(スタンダード)

shuheinakamura.jpg

編集より:中村修平が日替わりで注目のデッキを1日1個紹介するミニコラムです。本コラムは掲載の1~2週間前に英語圏向けに制作され、英語サイトから全世界に発信されています。そのため、一部記事と内容が重複することがあります。

日本公式ウェブサイトでは、日本語の原文を掲載いたします。今週は16日(月)~20日(金)の掲載です。


 単色という選択肢は何も赤の専売特許ではありません。
 グランプリ・メンフィスで印象的な黒単アグロを使用した斎藤友晴は、マイアミでも自身の黒単をアップデートして持ち込んできました。

 このデッキも2週間を経てより先鋭化が施されており、決め手とはなるものの素のスペックが弱い《モーギスの匪賊》、大振りな《ウルドのオベリスク》が取り除かれ、より「横にパワー2を並べる」ということを重視した構成に。
 また《ウルドのオベリスク》が抜けたことによって人間という種族縛りが必要なくなったので、《無情な切り裂き魔》から単純に打点が高い《節くれの傷皮持ち》へと切り替わっていますね。
 《節くれの傷皮持ち》は中盤以降には授与で強化または対戦相手のクリーチャーをブロック不可にと、攻守両面に渡っての役割が期待できます。

 興味深いのは、アブザン・アグロでは対処が追いつかないのでサイドボードに落ちてしまった《思考囲い》が、このデッキでは逆にメインへと昇格しているという対照点です。

 これは、アブザン・アグロの《思考囲い》は「第1ターンに対戦相手の最序盤を挫くカード」としての役割であるためです。そして環境が高速化した今は、それこそ斎藤のデッキなどでは抜く対象が1マナ2/1複数枚しかないので意味がなくなっているのですね。

 それに対し、斎藤のデッキは第1ターンはクリーチャーを出すターン。
 第2ターン以降にクリーチャーを追加しつつ、《思考囲い》でアブザン・アグロ側の2ターン目の脅威を抜き去り、ゲームプランを固めていくことができるからでしょう。
 想定しているゲームスピードによってカードの立ち位置が変わる好例ですね。

 もちろん自身より速い赤単相手には、これを《ファリカの療法》へと代えることはお忘れなく。

斎藤 友晴
グランプリ・マイアミ2015 / スタンダード[MO] [ARENA]
13 《
4 《血染めのぬかるみ
4 《汚染された三角州

-土地(21)-

4 《血に染まりし勇者
4 《節くれの傷皮持ち
4 《マルドゥの影槍
4 《苛まれし英雄
4 《苦痛の予見者
4 《マルドゥの急襲指揮者

-クリーチャー(24)-
4 《思考囲い
4 《胆汁病
4 《英雄の破滅
3 《残忍な切断

-呪文(15)-
1 《無慈悲な処刑人
4 《責め苦の伝令
2 《闇の裏切り
2 《潰瘍化
2 《ファリカの療法
3 《荒野での交渉
1 《爛れ暗がり

-サイドボード(15)-

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索