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世界選手権11

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準々決勝: Paulo Vitor Damo Da Rosa(ブラジル) vs. David Caplan(カナダ)

By Tomohiro Kaji QF3  Top8に4人ものプレイヤーを送り込んだChannelFireball(CFB)勢は見事にブランケット上でも散らばり、それぞれが準々決勝を勝つことでTop4を総なめにすることも夢ではないところまで来てしまった。  その4組の注目のMatchUpの中から、日本でも「PV」の愛称でお馴染みの Paulo Vitor Damo da Rosa(ブラジル)と、David Caplan(カナダ)との対戦を追っていこう。  CFBが世界選手権へ用意したデッキは白単《鍛えられた鋼》。メタゲームの隙間を突いてきたわけだが、対するCaplanはスタンダード部門を全勝した火力満載の赤単。  Caplanの大量の除去呪文でPVのクリーチャーが生き残れるのか?、はたまたPVの旧ミラディン・ブロックの親和を彷彿とさせる爆発力で圧倒するのか?  このゲームの鍵を握るのは、デッキの名の通り、《鍛えられた鋼》。

Game 1

 この準々決勝からは予選ラウンドの成績が上位であるプレイヤーが第1ゲームの先手後手を選べるようになっており、当然のごとく、2位通過のPVは7位通過のCaplanに「先手で始める」と伝えた。  《オパールのモックス》、《メムナイト》、《墨蛾の生息地》から《信号の邪魔者》と高速に展開をするPVに、Caplanも負けじと《はらわた撃ち》を《メムナイト》に撃ち込みつつ、《流城の貴族》という展開で第1ターンを終えた。  お互いが土地を1枚置く間に飛び交う呪文はあわせて5枚。ファイレクシア・マナ呪文と0マナ呪文の影響から、この環境は既にテンポという概念が薄れてきていることがお分かりいただけるだろう。  これが世界選手権参加者にコントロールデッキを選ばせなかった理由であり、そこでしっかりと環境にあったデッキを選択できたことも彼らがここまで勝ち残った理由の一つなのだ。  一人ではダメージを産まない《信号の邪魔者》を立たせたままPVは続いて《きらめく鷹の偶像》をキャストし、Caplanも《燃え上がる憤怒の祭殿》とそれぞれがアーティファクトを設置する。 Paulo Vitor Damo da Rosa  そこからビートダウンは先行有利のセオリー通り、先にダメージを刻み始めたのはPVの喊声付き《きらめく鷹の偶像》。  ここでは追加の《信号の邪魔者》で偶像をアクティベートさせており、《平地》を、つまり白マナを残してCaplanの第3ターンへと進む。  あいにくクリーチャーばかりのドローとなったCaplanは、金属術を果たしたPVに向かって《チャンドラのフェニックス》をアタックさせるも、当然のように《急送》が刺さる。  《流城の貴族》の成長は始まったが、果たしてこれだけで間に合うのだろうか?  攻め手の確保ができないCaplanに、ファイレクシアに支払った2点ライフの代償が重くのしかかる。  カードとマナの交換を上手くこなせたPVペースでゲームは進み、仲間を見つけた《信号の邪魔者》は《墨蛾の生息地》を引き連れCaplanを攻撃!  通常のダメージに加え感染による毒のダメージも蓄積してしまい、Caplanの残りライフ9・毒カウンター5つに対し、PVはいまだ17。  航空戦力を前に火力を引けないCaplanは1枚の《火葬》では歯が立たず、喊声した2枚の《墨蛾の生息地》で毒死した。 David Caplan 0-1 Paulo Vitor Damo da Rosa

Game 2

 世界選手権の決勝ラウンドは3本先取、サイドボードをフルに使ったここからが本番の試合展開といえる。  大量の除去を追加するCaplanに対し、単体では機能しない《信号の邪魔者》と《きらめく鷹》を抜き、《呪文滑り》を加えて耐性をつけたPV。  これを踏まえ、《起源の呪文爆弾》からの《呪文滑り》という防御的な展開となったPVに、《ゴブリンの投火師》から《渋面の溶岩使い》と続けるCaplanは、地上は固いブロッカーがいるなら飛行で攻撃と、先手の利を生かして《チャンドラのフェニックス》の一撃を入れる。  ライフの減りを抑える為にここでも《急送》のお世話になるPVだが、先ほどのゲームの一撃とはうってかわって防御的。  これで《鍛えられた鋼》を引くまで耐えられそうに見えたが、Caplinの《四肢切断》が《呪文滑り》を切り裂く。  どちらが攻めているかによって、ファイレクシア・マナのテンポ/ライフの取引がここまで違うのか、と思わせてくれる状況。 David Caplan  地上のダメージクロックに再び意味を持たせたCaplin。  一方のPVも《鍛えられた鋼》をトップデッキして逆転の狼煙を上げるかに思えたが、2枚の《ゴブリンの投火師》と、《渋面の溶岩使い》がダメージを加速する。  PVも増強された《きらめく鷹の偶像》でダメージレースで応戦するも、エンドに《電位の負荷》、アンタップしての《火葬》に、トドメの《電弧の痕跡》! David Caplan 1-1 Paulo Vitor Damo da Rosa

Game 3

 改めて先攻を得たPVの《大霊堂のスカージ》で始まる第3ゲーム。  Caplanは早速《ゴブリンの投火師》からの《嵐血の狂戦士》というM12リミテッドのコンボを決めるが、PVは《きらめく鷹の偶像》を唱えて金属術を達成した《急送》で3/3クリーチャーを即座に除去する。  負けずにCaplanも《躁の蛮人》でPVのダメージ源を破壊し、戦場はどちらが有利とは言い切れない混沌とした世界へ。  PVが《起源の呪文爆弾》《呪文滑り》と投入しても、Caplanの《電弧の痕跡》と《四肢切断》に阻まれてしまい、手札に抱える《刃砦の英雄》も1マナ足りなくてなかなかプレイができない。  《オパールのモックス》の金属術さえ達成できれば良いのだが、条件を満たすギリギリのところで丁寧にアーティファクトを破壊され、その間もダメージクロックがライフを減らす。  そして気づけばCaplanのデッキに1枚の《トゲ撃ちの古老》が戦場に現れる。その砲撃により、小粒なPVのクリーチャーは殲滅された。 David Caplan 2-1 Paulo Vitor Damo da Rosa

Game 4

 PVにとっては後がない第4ゲーム。カードをお互いに7枚引いたところでビデオ班から試合開始を待ってくれとの合図が入る。  そして待ち時間の間、PVの引いた7枚はプラン選択を一歩間違えれば負けてしまいそうな、脆いながらも可能性のある7枚を手に入れた。  2枚の《大霊堂のスカージ》と《鍛えられた鋼》を含めたこの初手をどうプレイするのが正解なのだろうか?  約5分の待ち時間、悩み悩み悩む。  そしてPVは除去呪文をケアするために、《鍛えられた鋼》の後に《大霊堂のスカージ》を唱えることに賭けた。 QF3  《起源の呪文爆弾》をキャスト、からのトークンとドロー、さらに《オパールのモックス》とPVは《鍛えられた鋼》への3マナの準備を進める。  が、引けない。  金属術さえ達成できればあとは簡単に済むはずなのに、揃わない。一番最初の判断が命運を分けてしまったのだ。  PVのもたつきの合間も着実にダメージを刻むCaplanは、《ゴブリンの投火師》《チャンドラのフェニックス》とクロックを用意する。  そして、PVが火力のケアを諦め、ファイレクシア・マナにライフを支払ったところをめがけてプレイヤーに打ち込まれる《火葬》が勝負を決めた! David Caplan 3-1 Paulo Vitor Damo da Rosa
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RESULTS

対戦結果 順位
18 18
17 17
16 16
15 15
14 14
13 13
T4
T3
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
T2
T1
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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