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『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップ

戦略記事

『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップ メタゲームブレイクダウン(ヒストリック)

Frank Karsten

2021年6月3日

 

 いよいよこの日がやって来た――6月4日の9時(日本時間25時)に開幕する「『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップ」では、マジック・プロリーグおよびライバルズ・リーグ所属選手とMTGアリーナやMagic Onlineで開催された予選イベントの通過者たちが競い合う。大会の模様は、twitch.tv/magicにて生放送でお届けする。(編訳注:日本語放送の情報は記事末尾に記載します。)

 本大会では、250名のプレイヤーがスタンダードとヒストリックの2フォーマットでしのぎを削ることになる。(原文掲載当時)昨日はスタンダードのメタゲームブレイクダウンをお届けしたから、今日はヒストリックのメタゲームを分析しよう。ここでは、『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップにおける最多勢力のアーキタイプと、最も多く採用されている新カードを見ていくつもりだ。ヒストリック環境の詳しい紹介はマニ・ダヴォーディ/Mani Davoudiの記事(英語)をご覧いただきたい。

変動を続けるヒストリック

 メタゲーム分析に入る前に、まずは舞台を整えておきたい。2か月前の「『カルドハイム』チャンピオンシップ」の時点では、「ジャンド・フード」と「オルゾフ・オーラ」が最も多くの人気を集め、土地以外で最も多く採用されたのは《思考囲い》と《古き神々への拘束》だった。その後『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のリリースを迎えると環境は激変し、以来1か月にわたってメタゲームは変動を続けている。

 『ストリクスヘイヴン:魔法学院』では、メインセットと「ミスティカルアーカイブ」(マジックの歴史上でも特に印象的なインスタントやソーサリーを含むカード群)からヒストリックに強力なカードの数々が導入された。中でも大きかったのが、「『ストリクスヘイヴン』リーグ・ウィークエンド(5月)」を支配した《汚れた契約》の存在だ。その大会では、《汚れた契約》と《タッサの神託者》による2枚コンボが実に全体の半数を占めたのだ。そしてそのあまりに強力な組み合わせは、5月20日付けでタッサの神託者》禁止という結果を呼び、環境は再びひっくり返ることになった。

 その直後、5月27日には『ヒストリック・アンソロジー5』が登場し、ヒストリックへ新たに25枚のカードが追加された。これがわずか1週間前のことであり、『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップの出場者たちは新たな環境を解明するべく必死の時間を過ごしてきたことだろう。果たして、彼らのデッキ選択はどうなったのか?

メタゲームブレイクダウン(ヒストリック)

 本大会では、初日に3回戦、2日目には4回戦のヒストリック・ラウンドがあり、最終日の決勝ラウンドもヒストリックで行われる。メタゲームの様相は以下の通りだ。

Strixhaven-Championship-Historic-Metagame.jpg
アーキタイプ 使用者数 使用率
イゼット・フェニックス 88 35.2%
ジェスカイ・ターン 45 18.0%
ジェスカイ・コントロール 24 9.6%
ジャンド・フード 18 7.2%
黒単アグロ 13 5.2%
セレズニア・カンパニー 12 4.8%
グルール・アグロ 11 4.4%
5色ニヴ=ミゼット 5 2.0%
ドラゴンストーム 4 1.6%
アゾリウス・オーラ 4 1.6%
ディミーア・ローグ 2 0.8%
ボロス・ミッドレンジ 2 0.8%
赤単アグロ 2 0.8%
ディミーア・パクト 2 0.8%
グリクシス・コントロール 2 0.8%
エルフ 2 0.8%
ディミーア・コントロール 1 0.4%
オルゾフ・オーラ 1 0.4%
アタルカ・レッド 1 0.4%
ティムール・マーヴェル 1 0.4%
ネオストーム 1 0.4%
ボロス魔技 1 0.4%
オルゾフ・シャドウ 1 0.4%
アゾリウス・コントロール 1 0.4%
ティムール・ターン 1 0.4%
ティムール・ランプ 1 0.4%
無色ランプ 1 0.4%
スゥルタイ根本原理 1 0.4%
シミック・ターン 1 0.4%
青単スピリット 1 0.4%

 『カルドハイム』チャンピオンシップにおける二大勢力「ジャンド・フード」と「オルゾフ・オーラ」は、端へ追いやられることになった。当時最も多くの採用数を誇った《思考囲い》と《古き神々への拘束》も、上位20位以内にも入っていない。一方『ストリクスヘイヴン』リーグ・ウィークエンド(5月)を席巻した「ディミーア・パクト」は、使用者2名とはいえ(勝ち手段を《タッサの神託者》から《神秘を操る者、ジェイス》に変えて)生き残っている。

 この一新されたヒストリック環境において半数を超える勢力を占めるに至ったのは、青赤ベースのデッキだった。

蒸気孔》が採用数第2位に

//

 『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップにおいて土地以外で多く採用されたのは、すべて赤と青のカードだった。全プレイヤーのメイン・デッキを合計すると、《渦まく知識》が647枚、《表現の反復》483枚、《信仰無き物あさり》は374枚採用されている。

 さらに言うなら、最も多く採用された土地も基本土地や《寓話の小道》ではない。《蒸気孔》が合計627枚採用されており、全カードを含めても《渦まく知識》に続く第2位の採用数を誇っているのだ。

Brainstorm-Strixhaven-Mystical-Archive.jpg

 《蒸気孔》は全体の半数以上を占める「イゼット・フェニックス」と「ジェスカイ・ターン」のマナ基盤を支えている。だが《蒸気孔》の採用という共通点はあれど、この2つのアーキタイプの動きはまったく異なるものだ。デッキリストは初日の第1回戦開始後に『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップのイベントページにて公開されるのを待たなければならないが、それぞれの概要を紹介することはできる。

 先週MTGMeleeに登録されたさまざまなイベントのデッキリストを分析し、2つのアーキタイプの代表的な形をまとめてみた。

サンプルデッキ - 「イゼット・フェニックス」
ヒストリック (2021年6月)[MO] [ARENA]
2 《
2 《
4 《蒸気孔
4 《硫黄の滝
3 《尖塔断の運河
4 《河川滑りの小道
2 《寓話の小道
-土地(21)-

4 《スプライトのドラゴン
4 《弧光のフェニックス
1 《弾けるドレイク
4 《嵐翼の精体
-クリーチャー(13)-
4 《渦まく知識
4 《信仰無き物あさり
4 《選択
4 《火柱
2 《稲妻の斧
2 《ショック
4 《表現の反復
1 《約束の終焉
1 《神秘の論争
-呪文(26)-
1 《厚かましい借り手
1 《弾けるドレイク
2 《削剥
2 《霊気の疾風
2 《丸焼き
1 《否認
2 《神々の憤怒
2 《神秘の論争
2 《覆いを割く者、ナーセット
-サイドボード(15)-

 《弧光のフェニックス》は『ストリクスヘイヴン:魔法学院』以前からヒストリックで使用できていたが、これまでは墓地から安定して戦場に戻す手段に欠けていた。しかし《表現の反復》や《渦まく知識》、そして何より《信仰無き物あさり》の登場で、状況が一変したのだ。《信仰無き物あさり》は《弧光のフェニックス》を墓地へ送る手段になる。《渦まく知識》はデッキの安定性を高めつつ手札破壊呪文への対抗手段にもなり、《寓話の小道》との相性も抜群だ。そして《表現の反復》はゲーム中盤の燃料補給に大いに役立つ。

 現在のデッキ構成では、2ターン目《スプライトのドラゴン》から3ターン目《信仰無き物あさり》が典型的な動きになっている。その後は手札の内容によって、コストの下がった《嵐翼の精体》を繰り出すか、《弧光のフェニックス》を捨て、1マナのインスタントやソーサリーをもう2枚唱えて《弧光のフェニックス》を戻すという展開になるだろう。その直後、4ターン目の勝利も不可能ではない。そして1マナのキャントリップが豊富なこのデッキでは、それらのキー・カードが驚くほど安定して手に入るのだ。

 速さと安定性を兼ね備えたこのアーキタイプは、先月を通して驚くべき勝率を叩き出している。だから『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップにおいて最も人気を集めたこと自体に驚きはない。しかしそれでも、35.2%ものシェアを持つことになるとは予想できなかった。

 強力で安定した「イゼット・フェニックス」だが、唯一「第1ゲームにおいて相手への干渉手段を一切持たない」という弱点がある。とりわけ《火柱》が効かない相手にはこれが顕著だ。本大会で2番目の勢力を持つアーキタイプは、まさにその点を突くものだった。

サンプルデッキ - 「ジェスカイ・ターン」
ヒストリック (2021年6月)[MO] [ARENA]
5 《
4 《ドワーフの鉱山
2 《
4 《蒸気孔
4 《ラウグリンのトライオーム
2 《硫黄の滝
4 《寓話の小道
-土地(25)-

3 《ヴェロマカス・ロアホールド
-クリーチャー(3)-
4 《渦まく知識
4 《記憶の欠落
1 《表現の反復
4 《プリズマリの命令
1 《神々の憤怒
4 《ミジックスの熟達
4 《時間のねじれ
2 《サメ台風
4 《マグマ・オパス
4 《不屈の独創力
-呪文(32)-
2 《霊気の疾風
2 《丸焼き
1 《乱動への突入
1 《焦熱の竜火
3 《神秘の論争
1 《神々の憤怒
2 《終局の始まり
2 《サメ台風
1 《目覚めた猛火、チャンドラ
-サイドボード(15)-

 「ジェスカイ・ターン」は、《不屈の独創力》を用いて《ヴェロマカス・ロアホールド》を高速で繰り出し、《時間のねじれ》や《ミジックスの熟達》を引き当て連続でターンを得ることを目指すデッキだ。理想通りにいけば、《ヴェロマカス・ロアホールド》の能力が一度スタックに置かれたらもう、対戦相手のターンはやって来ない。

 《ドワーフの鉱山》や《プリズマリの命令》、《マグマ・オパス》、《サメ台風》が、《不屈の独創力》のためのクリーチャーやアーティファクトを生成する。これらはすべて、タイプ行に「クリーチャー」や「アーティファクト」と書かれていないことが重要だ。これにより、4ターン目の《不屈の独創力》でゲームを決める《ヴェロマカス・ロアホールド》を(全部引いてしまわない限り)確実に戦場へ繰り出せるのだ。

 このデッキにおける《ドワーフの鉱山》は、マナ基盤にかなりの制限をかけている。4ターン目に《不屈の独創力》をX=1で唱えるために《ドワーフの鉱山》をアンタップ状態でプレイしたいのだが、そうすると《》以外の土地はあまり多く採用できない。

 そこで青マナ源を確保するために、このデッキは《寓話の小道》と《ラウグリンのトライオーム》に頼っている。《ラウグリンのトライオーム》がなければ「イゼット・ターン」と呼ぶべきところかもしれないが、このカードのおかげでゲーム終盤に《ヴェロマカス・ロアホールド》を素出しすることも可能になるため、「ジェスカイ・ターン」の呼称で良いだろう。

 いずれにしてもこのデッキにはタップ状態で戦場に出る土地が多く、ゲーム序盤の展開の妨げになっている。だがこれは、必要な犠牲というものだろう。

 先ほど述べた通り、このデッキでは2ターン目、3ターン目とアンタップ状態の土地をプレイするのは当たり前のことではない。だがそれが実現できれば、開幕から《マグマ・オパス》と《ミジックスの熟達》を組み合わせた極めて強力な初動を決められる可能性を秘めている。2ターン目に《マグマ・オパス》を捨てて宝物・トークンを生成し、3ターン目に宝物を生け贄に捧げ、《ミジックスの熟達》――これで《マグマ・オパス》をマナ・コストの支払いなしで唱えられるのだ。特にクリーチャー主体のデッキ相手には、3ターン目にして凄まじいほどの威力を発揮するだろう。

 ヒストリックにおいてもこれまでにないような爆発的なシナジーとゲーム・プランを複数持つ「ジェスカイ・ターン」は、本大会において使用率18.0%を記録した。私としても、本大会で大きく躍進を遂げるのではないかと思っている。速度と力を持ちあわせ、「イゼット・フェニックス」を仕留める脅威を備えたこのデッキは、トップ8に2名のプレイヤーを送り込むだろうと大胆予想をしてみよう。

 「ジェスカイ・ターン」の最も特筆すべき点は、まったく新しいデッキであることだ。わずか数週間前の『ストリクスヘイヴン』リーグ・ウィークエンド(5月)では、《不屈の独創力》を用いたプレイヤーはマティアス・レヴェラット/Matias Leverattoただ1人だったのだ。とはいえ、最適なデッキ構成が見つかるまで時間を要したのもうなずける。デッキリストを眺めてみると、ほとんどの構成パーツが『ストリクスヘイヴン:魔法学院』で加わったものであることがわかるだろう。上記のサンプルリストでは28枚採用されているが、土地を除けばほぼすべてが『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のカードなのだ!

 「ジェスカイ・ターン」はこの新セットの登場なしには存在し得なかった。そして『ストリクスヘイヴン:魔法学院』による恩恵を受けたのは、このアーキタイプだけではない。このセットが与えた影響をもう少し詳しく見てみよう。

ミスティカルアーカイブの影響

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 全デッキ合計で《渦まく知識》が647枚、《信仰無き物あさり》が374枚採用されていることは先に述べた通りだが、《記憶の欠落》の299枚という数字も実に印象的だ。「ジェスカイ・ターン」や「ジェスカイ・コントロール」、「ディミーア・ローグ」、「グリクシス・コントロール」、その他さまざまなデッキが、この効率良く妨害と時間稼ぎができる無条件の打ち消し呪文を喜んで採用しているのだ。

 それから《稲妻のらせん》は「ジェスカイ・コントロール」や「5色ニヴ=ミゼット」のようなデッキを後押しし、《コジレックの審問》は「黒単アグロ」や「ディミーア・ローグ」といったデッキを強化した。また少数ながら《審判の日》や《豊穣な収穫》の姿も見受けられた。とはいえ、やはりミスティカルアーカイブの中でもヒストリックに大きな影響を与えたのは青と赤の呪文で間違いないだろう。

 まとめると、ミスティカルアーカイブから新たにヒストリックに追加されたカードの本大会における合計採用枚数は、ヒストリックで使用可能な他のどのセットのカードよりも多かった。それがすべてを物語っているだろう。

『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の影響

 『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のメインセットの中で特に多く採用されたのは、《表現の反復》と《プリズマリの命令》、《マグマ・オパス》、《ヴェロマカス・ロアホールド》の4枚だ。どれも『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップに登録されたヒストリックのデッキ全体で100枚以上採用されている。これを見ると「ジェスカイ・ターン」にとっての必須パーツが並んでいるが、無論これらは他のアーキタイプの強化にも寄与している。

 《表現の反復》は「ネオストーム」のようなコンボ・デッキの安定性を高め、また《消失の詩句》とともに《ニヴ=ミゼット再誕》で手札に加えたいカードの一員に加わっている。「5色ニヴ=ミゼット」を5名のプレイヤーが選択しているのは非常に楽しみだ。

 《プリズマリの命令》は、さまざまな形の「ジェスカイ・コントロール」や「グリクシス・コントロール」に組み込まれている。また「ドラゴンストーム」ではデッキに欠かせない潤滑油としての役割を担っている(これについては後で詳しく話そう)。

 《マグマ・オパス》は《ミジックスの熟達》だけでなく《奔流の機械巨人》ともシナジーを形成している。「ジェスカイ・コントロール」の多くが、この2枚の組み合わせを勝ち手段に据えているのだ。《マグマ・オパス》を捨てて宝物・トークンを生成すれば、早ければ5ターン目に《奔流の機械巨人》を繰り出せる。その結果5/6と4/4が並び、4点のダメージを与え、パーマネント2つをタップし、カードを2枚引くことができるのだ。しかもインスタント・タイミングで。本当に強力な一手だ。

 それから、合計で56枚採用されている《精鋭呪文縛り》は「セレズニア・カンパニー」を大きく強化した。対戦相手にプレッシャーをかけつつ妨害もできるこのカードは、《集合した中隊》で繰り出せる3マナ域の中でも特に優れた1枚だ。また、「ボロス・ミッドレンジ」のような新たなアーキタイプの立役者にもなっている。

 もちろん、『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の新カードは他にも見受けられる。私としては、いずれも合計で4枚のみだが《賢い光術師》や《レオニンの光写し》、《導きの声》の姿に興味を惹かれている。それらが力を合わせてできたのが「ボロス魔技」だ。やはりこういうスパイスが欠かせない!

『ヒストリック・アンソロジー5』の影響

 『ストリクスヘイヴン:魔法学院』ほどの影響はなかったものの、『ヒストリック・アンソロジー5』もまた環境に複数のカードを輩出している。せっかくの最新セットなので、『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップにおいて見受けられる『ヒストリック・アンソロジー5』のカードをすべて見ていこう。

 まずは、『ヒストリック・アンソロジー5』の中でも一番多く採用されている《大祖始の遺産》。合計で35枚採用されたこのカードは、デッキの色を選ばずサイドボードに搭載できる強力な墓地対策だ。

 それから「命令」サイクルもいくつか居場所を見つけている。本大会のデッキリストを見てみると、《アタルカの命令》は全部で21枚(ほとんどが「グルール・アグロ」での採用)、《ドロモカの命令》が16枚(ほとんどが「セレズニア・カンパニー」での採用)、そして《コラガンの命令》が8枚採用されている。特に《アタルカの命令》は、1人のプレイヤーをかつての「アタルカ・レッド」(赤単デッキを基本としつつ、トークン生成呪文や《アタルカの命令》をタッチした形)へと回帰させた。実に刺激的だ。

 だが『ヒストリック・アンソロジー5』で最も大きな影響を与えたのは、まったく新しいアーキタイプを出現させた《ドラゴンの嵐》だろう。本大会ではこの9マナのソーサリーを4人のプレイヤーが選択し、合計で16枚採用されている。

 ヒストリックにおける「ドラゴンストーム」では、まず《信仰無き物あさり》や《プリズマリの命令》で《ドラゴンの嵐》と《帰ってきた刃の翼》を捨てることを目指す。それから《ミジックスの熟達》で《ドラゴンの嵐》を墓地から唱えてやれば、少なくとも2枚ドラゴンを探し出せる。そして《峰の恐怖》と《帰ってきた刃の翼》を持ってくると、前に捨てていた《帰ってきた刃の翼》が戦場に戻り、伝説ルールによって死亡し、自身の能力でまた戦場に戻り、これを繰り返して《峰の恐怖》の能力を何度も誘発させることができる。準備が整えばストーム2の《ドラゴンの嵐》で勝利を得られるのだ。《ドラゴンの嵐》をストーム3で唱えられるなら、もちろん事前に《帰ってきた刃の翼》を捨てておく必要もない。《ドラゴンの嵐》と「引いて捨てる」呪文、それから《ミジックスの熟達》があればコンボ成立だ。それでもコンボ・パーツは多いが、《方程式の求解》や《渦まく知識》によって必要なものを安定して揃えられる。この素晴らしいデッキを早く試合で見たい。

 「スゥルタイ根本原理」に収まった《北方行》は合計で8枚、そして《大修道士、エリシュ・ノーン》は《銅纏いののけ者、ルーカ》とともに「ボロス・ミッドレンジ」に1枚採用されている。全体的に見て、『ヒストリック・アンソロジー5』は新たな選択肢をいくつも提示したようだ。

まとめ

 ヒストリック環境はここ1か月にわたり変動を続けており、数か月前とはまったく異なる様相になっている。本大会では半数以上のプレイヤーが《渦まく知識》や《表現の反復》、《蒸気孔》を頼り、強力なインスタントやソーサリーが環境を牽引している。もう1つ大きく違うのは、《大釜の使い魔》と《魔女のかまど》によって定義されていた戦闘規則が通用しなくなり、代わりに空からの襲撃が予想されるようになったことだろうか。《弧光のフェニックス》に《ヴェロマカス・ロアホールド》、《精鋭呪文縛り》、《ニヴ=ミゼット再誕》、《峰の恐怖》……この一新された環境で鍵を握る脅威はすべて、飛行を持っている。こちらも翼を広げる準備をしよう。

 先述した通り、「イゼット・フェニックス」の数が多い本大会においては特に、「ジェスカイ・ターン」が良いポジションにあると私は予想している。だが結果は、実際に蓋を開けてみるまでわからない。

 6月4~6日の9時(日本時間25時)からtwitch.tv/magic(英語)で行われる生放送をお見逃しなく!


『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップ 日本語版放送ページ・放送日程
日程 放送日・放送時間 放送ページ
1日目 6月4日(金) 25:00~ Twitch」「YouTube
2日目 6月5日(土) 25:00~
3日目 6月6日(日) 25:00~

日本語版放送出演者

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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