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EVENT COVERAGE
プロツアー『イニストラードを覆う影』
準々決勝:Jon Finkel(アメリカ) vs. Andrea Mengucci(イタリア)
Tobi Henke / Tr. AOKI Chikara
2016年4月24日
ジョン・フィンケル/Jon Finkel(過ぎ去った季節・コントロール) vs. アンドレア・メングッチ/Andrea Mengucci(バント・カンパニー)
ジョン・フィンケルはトップ8の中で、もしかするとこのゲームの歴史においても、最も偉業あるプレイヤーだろう。殿堂顕彰された2005年の時点で、プロツアー決勝ラウンドに11回進出していたのだ。前回のプロツアー『ゲートウォッチの誓い』(アトランタ)までにもう4回追加し、さらに今回が16回目のトップ8だ!
アンドレア・メングッチは2年前のプロツアー『ニクスへの旅』で一度トップ8に入賞している。さらなる輝かしい戦歴として、昨年のワールド・マジック・カップ2015でイタリア代表の一員として優勝している。
2人ともこのプロツアーへプロ・プレイヤーズ・クラブのシルバー・プロとして参加した。ちなみにプロポイントもお互い29点だ。準々決勝に進んだことにより18点を追加して、プラチナへの昇格を実質確定させた。(47点とプロツアー『異界月』の参加点3点でプラチナに必要な50点が保証される。)
「今日勝つことが重要なんだ」 メングッチは言う。「次のプロツアーをプラチナ・プロとして迎えるためにね」
「今日勝てばすべてを手に入れることができるよ」 フィンケルが付け加える。過ぎ去った季節の成功は繰り返すのか、印象的な彼の経歴に4つ目のタイトルを追加することを見据えているようだ。一方で彼の《過ぎ去った季節》デッキの成功は疑問視されている。チーム「CFB The Pantheon」の革新的な黒緑コントロールデッキは、日曜日に至るまでにたくさんのバント・カンパニーを打ち破ってきた。しかし完全なデッキリストが公開されてしまった今、メングッチのバージョンに勝つことはできるのだろうか。
「正直最悪の対戦相手なんだ」 フィンケルは後になって教えてくれた。
始まりの合図を待つまでに2人はおしゃべりを交わす。メングッチはフィンケルが殿堂プレイヤーの中でも長年にわたって結果を残し続ける数少ない1人であることを話題に挙げる。フィンケルは何人かの名前を上げて反論し、特にウィリアム・ジェンセン/William Jensenのここ2年の成績に注目する。
「私の勝率はかつてより高いだろうね」 フィンケルは言う。「最近は間違いなく下手になっているのに。控えめでなくね」
ゲーム展開
メングッチは2ターン目に《ヴリンの神童、ジェイス》から始めるが、フィンケルの初動は3ターン目の《骨読み》。4ターン目をパスしたメングッチはフィンケルが唱えた《無限の抹消》に《跳ねる混成体》で応える。
《反射魔道士》が指定されて追放され、《巨森の予見者、ニッサ》、もう1枚の《跳ねる混成体》、《集合した中隊》、そして2枚の《森の代言者》がメングッチの手札から公開される。フィンケルがメングッチのデッキ全体を眺めている時に、イタリア人は《進化する未開地》を指差す。
「《森》とってもらっていいですかね?」
「もちろんだとも」
数千ドルが懸かっている試合でも、ここの空気は和やかだ。
フィンケルは次の自分のターンに《衰滅》で戦場を一掃するが、《集合した中隊》が《跳ねる混成体》と《不屈の追跡者》をメングッチに提供する。続く攻撃でフィンケルのライフを9にしたメングッチは、4/5の《森の代言者》2体を追加する。
フィンケルは《闇の誓願》でさらなる《衰滅》。メングッチには2体の《森の代言者》が残る。メングッチは自分のターンに手掛かり・トークンを生け贄に捧げて、9点目のダメージとなる《ドロモカの命令》を見つけた。
「こいつらを指定されるんじゃないかってヒヤヒヤしてました」
メングッチは《森の代言者》たちを指差して言う。結果論に関わる気のないフィンケルはうなずいただけだ。
第2ゲームはフィンケルにとって良いものだった。《強迫》が《オジュタイの命令》を捨てさせ、《衰滅》は戦場を一掃し、《ゲトの裏切り者、カリタス》がダメージを与え始めてライフも稼いでくれる。
続く数ターン、メングッチは《ゲトの裏切り者、カリタス》とそのゾンビ・トークン相手に果敢に戦った。ある時点でフィンケルが5/6の《ゲトの裏切り者、カリタス》と5体のソンビ・トークンをコントロールしており、《過ぎ去った季節》も唱えられていたが、《巨森の予見者、ニッサ》と《薄暮見の徴募兵》のおかげでメングッチは耐えていた。負けは明白だったが、それでも彼のデッキはゲームを長引かせられることを示したのだ。
2度めの《過ぎ去った季節》で、ようやくメングッチは投了した。
第3ゲームは、メングッチの最初の2体のクリーチャーを両方ともフィンケルが《闇の掌握》する立ち上がり。イタリア人の《不屈の追跡者》が生き残ると、《進化する未開地》で複数の手掛かりを作り始める。
このゲームの《ゲトの裏切り者、カリタス》は《反射魔道士》されて《オジュタイの命令》で打ち消されてしまう。《衰滅》で戦場を片付けたフィンケルだが、メングッチは増援として4/5の《森の代言者》を呼び出す。
続けてメングッチは《巨森の予見者、ニッサ》を変身させてエレメンタル・トークンを作成。フィンケルは出血を食い止めるために、メングッチのクリーチャーを2体除去して、《風切る泥沼》でニッサを襲おうとする。メングッチは《跳ねる混成体》でそれを防ぎ、ターン終了時に《集合した中隊》!
見つかって《反射魔道士》で《風切る泥沼》を手札に戻されて、フィンケルはやられ放題。一緒に出てきた《森の代言者》が次のターンに致死ダメージを叩きだした。
第4ゲームはお互いにマリガン。メングッチは、《伐採地の滝》、《梢の眺望》と《ヴリンの神童、ジェイス》から《集合した中隊》までマナカーブの揃った手札をキープ。フィンケルは《森》、《ラノワールの荒原》、《闇の掌握》、《究極の価格》、《骨読み》という5枚をキープ。
不利な状態で始めたフィンケルだが、しばらくはうまくいっていた。《強迫》で《否認》を落とし、《ヴリンの神童、ジェイス》には《死の重み》、《森の代言者》には《究極の価格》。
しかしメングッチがカードアドバンテージのギアを上げると、1対1交換は永遠には続かない。《不屈の追跡者》の手掛かり作成は穏やかなスタート。《集合した中隊》からの《巨森の予見者、ニッサ》と《森の代言者》は決定的で、《ゲトの裏切り者、カリタス》への《オジュタイの命令》はひどいものだ。
「2回とも《オジュタイの命令》がうまく決まりましたね」
重要なサイドボードをメングッチは指差す。驚くことに、フィンケルのデッキには4枚以上のクリーチャーがいた。すなわち5枚目がサイドボードに。
「最後のゲームは、あなたが《ゲトの裏切り者、カリタス》を唱えるちょうど前のターンに引いたんです」
フィンケルがメングッチの準決勝の健闘を祈る。
「ありがとう。そして楽しいゲームをありがとう」
アンドレア・メングッチがジョン・フィンケルを3-1で破って準決勝へ!
12 《沼》 5 《森》 4 《風切る泥沼》 2 《ラノワールの荒原》 3 《進化する未開地》 -土地(26)- 2 《巨森の予見者、ニッサ》 2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 -クリーチャー(4)- |
2 《強迫》 1 《死の重み》 4 《闇の掌握》 2 《精神背信》 2 《究極の価格》 4 《骨読み》 3 《破滅の道》 1 《無限の抹消》 4 《衰滅》 4 《闇の誓願》 2 《過ぎ去った季節》 1 《ニッサの復興》 -呪文(30)- |
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》 3 《死の重み》 2 《強迫》 3 《帰化》 1 《翼切り》 1 《究極の価格》 2 《悪性の疫病》 1 《無限の抹消》 1 《護法の宝珠》 -サイドボード(15)- |
4 《森》 3 《平地》 2 《島》 3 《梢の眺望》 4 《大草原の川》 3 《伐採地の滝》 2 《ヤヴィマヤの沿岸》 4 《進化する未開地》 -土地(25)- 4 《薄暮見の徴募兵》 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《森の代言者》 4 《跳ねる混成体》 4 《反射魔道士》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 2 《不屈の追跡者》 2 《大天使アヴァシン》 -クリーチャー(26)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《集合した中隊》 1 《オジュタイの命令》 -呪文(9)- |
2 《狩猟の統率者、スーラク》 1 《龍王ドロモカ》 2 《払拭》 2 《侵襲手術》 3 《否認》 2 《石の宣告》 3 《悲劇的な傲慢》 -サイドボード(15)- |
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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