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プロツアー『機械兵団の進軍』
「プロツアー・機械兵団の進軍」2日目の注目の出来事
2023年5月6日
(編訳注:埋め込み動画は英語実況のものです。)
いよいよトップ8が決した!
「プロツアー・機械兵団の進軍」の2日目は『機械兵団の進軍』ドラフトで幕を開け、そして午後から夜にかけて行われた絢爛たるスタンダード・ラウンド8回戦を経て、リミテッドと構築の両方で優れた成績を残した8名がトップ8の舞台に上がることになった。
初日が終了した時点では8戦全勝の記録でただ1人先頭を走っていたジム・デイヴィスだが、2日目のドラフトが振るわず、トップ8入賞に届かなかった。その後カール・サラップ/Karl Sarapとネイサン・ストイア/Nathan Steuerが互いにトップ8入賞の目が高いため引き分けを選択したことで、終盤の争いは混沌となった。
引き分けを選択することのリスクは上がり、そこから毎ラウンドのように順位の逆転が起こる白熱した戦いが続いた。「プロツアー・機械兵団の進軍」では12勝に到達すればトップ8に入れる。スタンダード・ラウンド最後の5回戦は、「勝てばトップ8」の試合が繰り広げられたのだった。
トップ8
もうあらゆる物語が揃ったのではないかと思われた今回のプロツアーだが、第14回戦では予選ラウンド1位通過を争う2人の世界王者が対峙した。スリリングな戦いの結果、ハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguezがネイサン・ストイア/Nathan Steuerを下し、2021年以来のトップ8入賞を一番乗りで決めた。そしてそれを合図に、残る7枠を懸けた短距離走が始まった。
I didn’t think I could do it again but
— Javier Domínguez "Thalai" (@JavierDmagic) May 6, 2023
TOP 8!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
Jfdkeijfjejskfkdjfhdkwldkfbjslskfbdhdjxkdndjjfjdkfkfndnendjdkffkf #PTMachine #Hareruyapros
まさかもう一度行けると思わなかった……トップ8だ!!!!!! Jfdkeijfjejskfkdjfhdkwldkfbjslskfbdhdjxkdndjjfjdkfkfndnendjdkffkf
プロツアー優勝のタイトル獲得を狙うことになる8名は、以下の通りだ。
- ハビエル・ドミンゲス(ラクドス・ミッドレンジ)
- カール・サラップ(ラクドス・ミッドレンジ)
- サイモン・ニールセン/Simon Nielsen(ラクドス・ミッドレンジ)
- ネイサン・ストイア(ラクドス・ミッドレンジ)
- チェン・イーウェン/Yiwen Chen(アゾリウス兵士)
- オータム・バーチェット/Autumn Burchett(オルゾフ・ミッドレンジ)
- ケイン・リアンハルト/Cain Rianhard(ラクドス・リアニメイト)
- デイヴィッド・オルセン/David Olsen(5色ランプ)
各プレイヤーの紹介と使用デッキリストは、「プロツアー・機械兵団の進軍 トップ8プロフィールとデッキリスト」をご覧いただきたい。
ドラフトでの進軍
『機械兵団の進軍』は、過去の伝説のクリーチャーが多数登場するやりごたえのあるリミテッド環境が高く評価されている。他では味わえない体験はこの環境ならではの難問を生み出し、プロツアー前からキューブ・ドラフト以外では見られないようなデッキが誕生していた。ローテーション落ちした《空を放浪するもの、ヨーリオン》を使いたい? 《敏捷なこそ泥、ラガバン》とのレースも望むところ? それなら『機械兵団の進軍』ドラフトをプレイしよう。
「プロツアー・機械兵団の進軍」では、サイモン・ニールセンが初日のドラフトで《面晶体の掘削者、ザダ》の「コンボデッキ」を組み上げ、全勝を果たした。それからアンドレ・ジャッド/André Juddの《太陽降下》と《大修道士、エリシュ・ノーン》が入ったデッキは、解説のポール・チェオン/Paul Cheonをして史上最強のドラフト・デッキと言わしめた。
0-2 in day 2 draft. Pair into Shota. He reveals Lutri. Wins die roll. He plays turn 1 Ragavan. #PTMachine
— Eli "Hollywood" Loveman (BLM) (@blackshirtman) May 6, 2023
2日目ドラフト0-2。相手は翔太。彼は《呪文追い、ルーツリー》を公開して、ダイスに勝ち、1ターン目に《敏捷なこそ泥、ラガバン》プレイしてきた。
ミネアポリスへやってきた数々のチームが、今大会で優位に立つためのただ1つの鍵は『機械兵団の進軍』ドラフトであると見ていた。中でもここ数年マジックの世界を席巻しているチーム「Handshake」は、「プロツアー・ファイレクシア」でのドラフト・ラウンドの成績に不満を残していた。
このスーパーチームは「プロツアー・機械兵団の進軍」に向けて初心に返り、一層の努力を注ぎ込んだ。そしてそれが功を奏し、チーム全体でドラフト・ラウンドの勝率60%を記録するに至った。「プロツアー・ファイレクシア」から大きく前進したチーム「Handshake」は、トップ8に複数人を送り込む結果を出したのだった。
終盤のスタンダード
ドラフト・ラウンドがトップ8の舞台へ上がるための土台を作り、そこを登る者を決めるのはスタンダードに委ねられた。そしてここでもチーム「Handshake」が躍動し、ニックネームである「Team 50%」の名に恥じない活躍を見せた。「Team 50%」は、このチームがここ数年のイベントで、トップ8やトップ16のうち半数を占めていることに由来する。彼らはこの週末も、《希望の標、チャンドラ》との相性抜群な《夜を照らす》を採用した「ラクドス・『バーン』・ミッドレンジ」で大会に旋風を巻き起こした。初日の勝率は実に65%を記録したのだ。
4 《硫黄泉》 4 《憑依された峰》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 2 《反逆のるつぼ、霜剣山》 1 《山》 10 《沼》 4 《黒割れの崖》 -土地(26)- 1 《剃刀鞭の人体改造機》 2 《黙示録、シェオルドレッド》 2 《墓地の侵入者》 4 《税血の収穫者》 -クリーチャー(9)- |
3 《勢団の銀行破り》 1 《夜を照らす》 3 《切り崩し》 1 《削剥》 4 《絶望招来》 2 《強迫》 4 《喉首狙い》 2 《希望の標、チャンドラ》 1 《ヴェールのリリアナ》 4 《鏡割りの寓話》 -呪文(25)- |
1 《剃刀鞭の人体改造機》 2 《強迫》 1 《勢団の銀行破り》 1 《ヴェールのリリアナ》 1 《抹消する稲妻》 2 《石術の連射》 1 《切り崩し》 1 《鋼と油の夢》 1 《削剥》 2 《ぎらつく氾濫》 1 《魂転移》 1 《腐敗した再会》 -サイドボード(15)- |
殿堂顕彰者フランク・カーステン/Frank Karstenは、今大会では「刺激的なデッキ」が全体的に振るわず、デイヴィッド・オルセンをトップ8へ送り出した「5色ランプ」でさえ初日の勝率は50%を下回っていると指摘する。主要なアーキタイプの中では「アゾリウス兵士」が目覚ましい活躍を見せ、半分以上のマッチを勝ち取っている。
上位のデッキリストのカード選択は定まっていないようだが、どのデッキも『機械兵団の進軍』の新たなカードを採用していた。例えば初日のスタンダード・ラウンドで4勝1敗の成績を収めたある「アゾリウス兵士」は、メインデッキに《イーオスの遍歴の騎士》を採用しており、《ゴバカーンへの侵攻》や《フェアリーの黒幕》を採用したものもあった(デッキリストの一覧はこちら)。そんな中で初めてのトップ8入賞を果たせば、サイドボードの戦略を求めて堂々めぐりに陥る者もいるかもしれないが、オルセンのような取り組み方も1つの手段になるだろう。
「しっかり休んで、これまでの練習を信じるのみです」と、オルセンは言う。「しっかり休んで明日を迎え、トロフィーを取りにいきますよ」
今大会の環境を俯瞰して見ると、《黙示録、シェオルドレッド》や《税血の収穫者》、《絶望招来》、《多元宇宙の突破》など強力な黒のカードが揃っており、それらが《鏡割りの寓話》とともに使われるのが特徴的だ。それら黒赤を主体にしたデッキが他のデッキと対峙する際の戦略で鍵となるのが、相手を力で上回るか、速度で上回るかの選択だ。つまり「どちらがビートダウンか?」というわけだ。
その問題は、これまでと同じくトップ8ラウンドでも重要な意味を持つだろう。5つの「ラクドス・ミッドレンジ」は、「5色ランプ」、「アゾリウス兵士」、「オルゾフ・ミッドレンジ」というそれぞれまったく異なる難問に挑戦することになる。
プロツアーならではの光景
プロツアーは、ただマジックの試合が行われ、勝者と敗者が生まれ、トップデッキや苦悩が見受けられるだけの大会ではない。数百人の人間がそれぞれの意味を持つ試合に挑み、彼らが重ねてきた努力は素晴らしい瞬間をもたらしてくれる。さらにプロツアー会場の隣では「MagicCon: Minneapolis」も開かれており、初日、2日目ともに見るべきものがたくさんあった。
I would just like to state for the record that I did not break the #PTMachine booth. pic.twitter.com/jv3lhm3UJf
— Eilidh Lonie #MCMinneapolis (@coL_AliasV) May 6, 2023
#PTMachineの放送ブースを破壊したわけじゃないことだけは言っておきます。
おふざけはさておき、カメラの外にもプロツアーの舞台で戦うプレイヤーがいて、それぞれが大事な目標を持っているのだ。
Now 9-3, after dealing exactly 26 damage to my opponent who had 26 life in turn 4 of extra turns
— Autumn Burchett (@autumnlilypad) May 6, 2023
I think I’m now qualified for Pro Tour Barcelona!!
9-3。延長第4ターンで残りライフ26点の対戦相手にぴったり26点。これでプロツアー・バルセロナの権利も取れたと思う!
QUALIFIED FOR PRO TOUR BARCELONA
— Abe Corrigan (@CorriganAbe) May 7, 2023
プロツアー・バルセロナ出場決定
11-5 #PTMachine . Constructed deck courtesy of @OliverTomajko was incredible, wish I could have piloted it to a top 8. Very happy with the finish and excited for Barcelona.
— Cole Cunningham (@colescunningham) May 7, 2023
#PTMachineは11-5。@OliverTomajko謹製のデッキは最高だったから、トップ8まで行きたかったな。結果には大満足だし、バルセロナが楽しみだ。
さらなる戦いへ
こうして特別な思い出に残るプロツアーの予選ラウンド16回戦が終了し、注目はトップ8ラウンドへ集まることになった。『機械兵団の進軍』ドラフトは8名がここへ至る助けになったが、ここからはスタンダードのみで決着がつけられる。
戦いの模様はtwitch.tv/magicにてお伝えするので、お楽しみに!(リンク先は英語放送。日本語公式放送の情報は以下をご確認ください。)
「プロツアー・機械兵団の進軍」日本語放送情報
日本語版放送出演者
- 実況:石川朋彦(@katuobusi717)
- 実況:ブルナー実久(@mksnake007)
- 実況:岩SHOW(@suicidman)
- 解説:行弘賢(@death_snow)
- 解説:黒田正城(@masashiro41236)
- 解説:茂里憲之(@kushiro_mtg)
(Tr. Tetsuya Yabuki)
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