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EVENT COVERAGE
プロツアー『タルキール覇王譚』
準々決勝:Shawn McLaren(カナダ) vs. Lee Shi Tian(香港)
Ray "blisterguy" Walkinshaw / Tr. Masashi Koyama
2014年10月12日
比較的短期間で並外れた経歴を積み上げたプレイヤーを挙げようとすれば、この2人を見逃すことはできない。世界ランキング16位のリー・シー・ティエン/Lee Shi Tianは2008年にグランプリで優勝を遂げ、他にもトップ8入賞経験がある。だが、彼が真価を認められたのは、2012年のプロツアー『ラヴニカへの回帰』と、今年初めに行われたプロツアー『神々の軍勢』でのトップ8入賞だ。
うん、なんだって? それは短期間という枠にはあてはまらないって? ならば、今朝リーの向かい側に座っている男のことを考えてみよう。世界ランキング8位のショーン・マクラーレン/Shaun McLarenは今季2度にわたりグランプリ・トップ8に入賞し、プロツアー『神々の軍勢』では優勝を勝ち取ったのだ。リーのように、マクラーレンは今年2度目のプロツアー・トップ8となり、プロツアー『タルキール覇王譚』の選手ではイヴァン・フロック/Ivan Flochも同じ仲間だ。そんなこんなで、技術を必要とするゲームにおいて、ここ最近という点では誰もこれ以上の説得力を持つとは思えない。
リーとマクラーレンは今週末すでに、今日使うものと同じデッキで顔合わせを済ませている。リーが使用しているバージョンの《ジェスカイの隆盛》コンボは会場中に多くいるものとはいくぶん異なっている。リーはその違いを呪文の選択というよりはマナベースに起因すると考えており、それは香港のマジックコミュニティと共に取り組んだものだ。
マクラーレンのデッキは今週末見られた他のデッキよりも少し遅い構成になっていて、《道の探求者》を4枚の枠いっぱいではなく、1枚のみの採用にとどめている。これが意味するところは、リーに対しダメージレースを挑む可能性はいささか低く、よりコントロール的な手段を取りそうだということだ。スイスラウンドの1ゲーム目で大量の呪文に押しつぶされた後、2ゲーム目と3ゲーム目でリーを打ち倒したように。
ゲーム展開
予選16回戦をより上位で終えたマクラーレンが先攻を選び、初手をキープした一方で、リーは体をのけぞらせた。
リーが昨晩私に、このマッチアップが不利だと感じていると打ち明けてくれた。マクラーレンがデッキをアンチ《ジェスカイの隆盛》のコンボ殺戮マシンに変形させるサイドボード後のゲームのどちらかで、幸運な勝利を掴む希望を持つべく、1ゲーム目を勝つ必要があるようだった。リーは試合をマリガンからスタートし、確率はほんの少しマクラーレン有利に傾いた。
案の定、2ターン目にマナクリーチャーを着地させることができず、一方マクラーレンの3ターン目は然るべき《カマキリの乗り手》で、リーを焼き網の上に乗せた。リーが《ヤヴィマヤの沿岸》と数枚のフェッチランドを置いている間に、《カマキリの乗り手》がリーのライフを10以下へと落とし込み、その後リーがプレイできたのは《キオーラの追随者》だけだった。マクラーレンが2体目の《カマキリの乗り手》を召喚した時、リーは《時を越えた探索》を試みたが、うなずきながらカードを片付けることしかできなかった。
リー 0-1 マクラーレン
もうお気づきのこととは思うが、リーはサイドボード後に《ジェスカイの隆盛》コンボから距離を置いて、ティムールのクリーチャーデッキへとシフトすることができる。そのため《神々の憤怒》で即座に負けてしまう状況を回避することができる。リーのサイドボーディングは以下のようなものだ。
サイドアウト
サイドイン
- 4 《凶暴な拳刃》
- 2 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
- 3 《白鳥の歌》
- 3 《稲妻の一撃》
- 3 《弧状の稲妻》
リーが何を相手にしているか教えてあげよう。これがマクラーレンのサイドボードのやり方だ。
サイドアウト
- 4 《ゴブリンの熟練扇動者》
- 2 《龍語りのサルカン》
- 2 《払拭の光》
- 1 《稲妻の一撃》
- 1 《かき立てる炎》
サイドイン
- 1 《ファイレクシアの破棄者》
- 3 《解消》
- 2 《神々の憤怒》
- 2 《否認》
- 2 《消去》
2ゲーム目リーはいくぶん良いスタートを切った。2ターン目に《神々との融和》をプレイし、《キオーラの追随者》を見つけ、4ターン目には《世界を喰らう者、ポルクラノス》が後押しした。しかし、リーにとってポルクラノスの二つ名が「カマキリを喰らう者」であればどれほどよりよいものだったろうか。すなわち、マクラーレンはすばやく2枚の《カマキリの乗り手》をプレイし、《かき立てる炎》を《キオーラの追随者》へと向けたのだ。
必要とする7マナ付近で立ち往生を余儀なくされ、《世界を喰らう者、ポルクラノス》はこう言っているようだった。「ボス、どうしたって無理だよ」。そしてマクラーレンはすぐに空を飛んで、今週末2度目の有利な試合を終わらせた。
「うーん、《カマキリの乗り手》引きすぎだよ」とリーはカードを拾い上げながら愚痴を言った。だが、いずれにせよ彼は満面の笑みで準決勝でのマクラーレンの幸運を祈っていると伝えたのだった。
ショーン・マクラーレンがリー・シー・ティエンを2-1で下し、準決勝進出!
4 《溢れかえる岸辺》 4 《神秘の僧院》 4 《天啓の神殿》 4 《凱旋の神殿》 3 《山》 2 《島》 2 《シヴの浅瀬》 1 《戦場の鍛冶場》 1 《平地》 -土地(25)- 1 《道の探求者》 4 《ゴブリンの熟練扇動者》 4 《カマキリの乗り手》 -クリーチャー(9)- |
4 《稲妻の一撃》 4 《マグマの噴流》 4 《ジェスカイの魔除け》 2 《神々の憤怒》 2 《払拭の光》 4 《かき立てる炎》 2 《龍語りのサルカン》 4 《時を越えた探索》 -呪文(26)- |
2 《消去》 2 《否認》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《ファイレクシアの破棄者》 3 《解消》 2 《神々の憤怒》 2 《対立の終結》 2 《嵐の神、ケラノス》 -サイドボード(15)- |
4 《マナの合流点》 2 《溢れかえる岸辺》 2 《開拓地の野営地》 2 《奔放の神殿》 2 《神秘の神殿》 2 《豊潤の神殿》 2 《樹木茂る山麓》 2 《ヤヴィマヤの沿岸》 1 《森》 1 《島》 1 《山》 1 《平地》 -土地(22)- 4 《爪鳴らしの神秘家》 4 《森の女人像》 3 《キオーラの追随者》 -クリーチャー(11)- |
4 《ドラゴンのマントル》 4 《撤回のらせん》 2 《贈賄者の財布》 4 《神々との融和》 3 《苦しめる声》 2 《双つ身の炎》 4 《ジェスカイの隆盛》 1 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 3 《時を越えた探索》 -呪文(27)- |
3 《白鳥の歌》 3 《稲妻の一撃》 4 《凶暴な拳刃》 3 《弧状の稲妻》 2 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 -サイドボード(15)- |
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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