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EVENT COVERAGE
プロツアー『運命再編』
準々決勝: Jelger Wiegersma(オランダ) vs. Jacob Wilson(カナダ)
Jacob Van Lunen / Tr. AOKI Chikara
2015年2月8日
イェルガー・ヴィーガーズマ/Jelger Wiegersma (欠片の双子) vs. ジェイコブ・ウィルソン/Jacob Wilson (世界ランキング15位・アブザン)
新旧の勢力対決である。前途有望なジェイコブ・ウィルソン/Jacob Wilsonが対するは、プロツアー殿堂表彰者のイェルガー・ヴィーガーズマ/Jelger Wiegersmaだ。
プラチナ・プロにして世界ランキング15位のジェイコブ・ウィルソンはプロマジックコミュニティの新星だ。ウィルソンは既にプロツアーでトップ8入りしており、今回が2度目で、これは参加したプロツアーのうちトップ8入賞率が20%に近いことを意味する。彼は最近、マジックに集中するために学校を休学している。今回優勝ともなれば、ここ数ヶ月のハード・ワークも報われるというものだ。ウィルソンは、手札破壊で対戦相手を妨害し、ピンポイントな除去でモダン環境の最高のクリーチャーたちを後押しする、お馴染みのアブザン・デッキで武装している。
対戦相手の殿堂表彰者、イェルガー・ヴィーガーズマは今週末が5回目のプロツアー・トップ8だ。長らく最高のマジックプレイヤーの一人とされているが、いつも彼の手に入らないタイトルがある。個人戦のプロツアーを優勝したことがない彼は、その生涯の夢を実現する機会にある。ゲーム史上でも偉大なリミテッドプレイヤーとされていて、今週末のドラフト・ラウンドを無敗で通過したのもうなずける。ヴィーガーズマは驚くほどに不人気な《欠片の双子》デッキを使用している。《詐欺師の総督》か《やっかい児》と《欠片の双子》を組み合わせて何十億もの速攻クリーチャーを作成するのがこのデッキの基本戦略だ。
第1ゲームがどれだけ不利かをシャッフル中に嘆くウィルソン。
「いつだってチャンスは掴めるさ」力強いトーンで応じるヴィーガーズマ。
ゲーム
ウィルソンが第1ターンに出した《極楽鳥》を《稲妻》で処理したヴィーガーズマは、《血清の幻視》でドローを整える。
ウィルソンが出した《復活の声》はヴィーガーズマにプレッシャーを与える。ウィルソンのターン中に効率的な対応がしづらくなっているからだ。この強力な2マナクリーチャーはヴィーガーズマのコントロール・プランをもぎ取っていく。ヴィーガーズマが勝つにはコンボを決める必要があるだろう。
《包囲サイ》が戦場に出て、2ターン後にはウィルソンが勝利を収めそうだ。
しかしすべては瞬く間に終わった。ヴィーガーズマがウィルソンのターン終了時に《やっかい児》を唱え、自分のターンに《欠片の双子》が続き、何十億ものフェアリーで攻撃したのだった。
ウィルソンのアブザンはチーム「Face to Face」によるもので、他のアブザンや攻撃的なデッキに強いという、今週末のプロツアーでは素晴らしい選択だった。しかし、ヴィーガーズマの双子デッキを他のアブザン・デッキのようには妨害できないという、独特の問題を抱えていたのだ。
「いいシャツだね」冗談を飛ばすヴィーガーズマ。
2人は同じシャツを着ている。
「友達から頂戴してきたんです」
ヴィーガーズマは初手の7枚には満足しなかったが、マリガン後の6枚は良くなったようだ。
ウィルソンは《貴族の教主》からスタート、ヴィーガーズマはコンボのために着々と土地を並べていく。
《復活の声》にもう1枚の《貴族の教主》が続き、攻撃で4点のダメージを与える。ぱっと見はウィルソンが優位に進めているが、彼は対戦相手のオランダの達人が、どんな角度からでも勝てることを知っていた。
《クァーサルの群れ魔道士》が戦場に追加され、ヴィーガーズマはコンボを決める前にそれを除去しなくてはいけない。《神々の憤怒》が戦場を一掃し、貴重な時間を稼ぐ。しかしウィルソンは《ロクソドンの強打者》でプレッシャーをかけ続ける。
続くターン、ヴィーガーズマは《謎めいた命令》で《ロクソドンの強打者》を手札に戻しつつドローするが、引いてきた2枚目の《謎めいた命令》はウィルソンに《思考囲い》されて、コンボが揃っていないことも明らかになってしまう。
ヴィーガーズマは《ロクソドンの強打者》への回答も、手札にある複数の《欠片の双子》の対象も見つけられず、2回の攻撃の後、第3ゲームへと進む。
「除去を持ってたのかい?」
「はい」
「いいハンドだったね」
第3ゲーム、ウィルソンは《貴族の教主》2枚と《大祖始の遺産》でゲームを始める。ヴィーガーズマは脅威が出てこないのを幸いに、土地を並べる。
ヴィーガーズマは《神々の憤怒》でマナ・クリーチャーたちを取り除くことにした。戦場に《ガヴォニーの居住区》と《剃刀境の茂み》しかないウィルソンの速度が急速に落ち込んだかに見えた。
《未練ある魂》でちょっとしたクロックを用意したが、ヴィーガーズマは除去を2枚使ってトークンを除去する。《復活の声》が再びウィルソンの元に、ヴィーガーズマは《稲妻》で応える。
次のターンに《やっかい児》が戦場に出て、それに《欠片の双子》をつけようとするヴィーガーズマ。ウィルソンが生き残るためには除去が必要だ。《湿地の干潟》を使い、《流刑への道》しようとするが、ヴィーガーズマは《払拭》を使ってコンボを守り、勝利した。
イェルガー・ヴィーガーズマがジェイコブ・ウィルソンを2-1で破って準決勝へ進む!
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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