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EVENT COVERAGE
プロツアー『運命再編』
第6回戦:Andrew Cuneo(アメリカ) vs. 行弘 賢(日本)
Jacob Van Lunen / Tr. Tetsuya Yabuki
2015年2月6日
アンドリュー・クネオ/Andrew Cuneo(感染) vs. 行弘 賢(アブザン)
ゴールド・レベル・プロのアンドリュー・クネオには、プロツアーの上位戦線など手慣れたものだ。プロツアー・トップ8入賞2回、グランプリ・トップ8入賞2回の記録を持つこのペンシルバニア出身のプレイヤーは、今大会、この最高の舞台で十分に踊れることをここまで証明してきた。クネオは「《出産の殻》」系のデッキの中でも「メリーラ・ポッド」型の先駆者であり、そのデッキは長らくモダン環境をリードし続けていた。そんな彼がこの週末に操るのは、トム・ロス/Tom Ross謹製の「感染」デッキ。《野生の抵抗》や《強大化》といったカードを活用するこのデッキは、とんでもないところから勝利をさらっていきそうだ。
対する行弘 賢は、日本のゴールド・レベル・プロ。プロツアー・トップ8入賞1回と、実に6度のグランプリ・トップ8入賞を誇るプレイヤーだ。行弘の操るデッキは今大会で人気を集めた「アブザン」デッキ。爆発力のある感染戦略に対しては、やや不安を抱えた状況だと言える。「感染」デッキに対しては《思考囲い》と《未練ある魂》が最も効果的であり、タイミングの良い除去とともに、それらのキーカードを複数枚引き込めるかどうかが勝負の分かれ目になるだろう。
ゲーム展開
第1ゲームはクネオが《ぎらつかせのエルフ》から《荒廃の工作員》と素早い滑り出し。
行弘は《思考囲い》を持っていたが、クネオはすでに「感染」クリーチャーを展開し終えていて、公開された手札には強化呪文が溢れていた。行弘は《巨森の蔦》を取り去り、除去を通せるようにする。
クネオは次のターンで《強大化》を放ち勝負を決めにいくことを選択しなかった。しかし行弘が《未練ある魂》をプレイすると、行かざるを得ない状況になる。だが行弘はここで生き残るために必要な《流刑への道》や《四肢切断》を持っておらず、勝負は第2ゲームへと進むのだった。
第2ゲームに向けて静かにシャッフルを進める両者。今度は行弘の先攻でゲームが始まり、クネオが最初の数ターンで勝利を掴む可能性は大きく減った。
クネオは再び第1ターンに《ぎらつかせのエルフ》を展開。だが行弘も、素早くサイズを上げてブロッカーの役目を果たす《タルモゴイフ》をプレイする。
行弘は《大渦の脈動》でクネオの《ぎらつかせのエルフ》を除去すると、次のターンから《未練ある魂》を手札と墓地から連続で唱えた。
クネオは《ペンデルヘイヴン》を擁するスピリット・トークンの軍勢を前に突破口を探すが、3枚もの《未練ある魂》が《タルモゴイフ》とおまけに《復活の声》も合わせて膨大なブロッカーを生み出し、ゲームを終わらせるにはそれで十分だった。
ここで両プレイヤーには、カメラが他の試合を映す間、試合を進めないよう要請がなされた。行弘は席を立ち、試合中の日本人プレイヤー、世界ランキング16位の山本 賢太郎と中村 修平の様子を見にいった。
クネオが尋ねる。「誰に勝ってほしい?」
行弘は山本を示し、「僕のチームメイトに」
他の試合が終わると、再びカメラが彼らのテーブルを映す。第3ゲームが幕を開けた。
クネオは《貴族の教主》からゲームを始め、一方の行弘は《思考囲い》を放ち、クネオの手札からそれ1枚でゲームを決め得る《強大化》を取り去った。
クネオは続くターン《ギタクシア派の調査》をプレイし、このゲームが彼にとって厳しいものになることを悟った。行弘の手札には2枚目の《思考囲い》と《未練ある魂》、そして過剰なほどの単体除去があったのだ。
それでもクネオは攻勢に向かった。しかし、あまりに強力な対策を前にできることは少なかった。
行弘の《黄金牙、タシグル》がクロックを刻み、すでに攻撃手を失った対戦相手にカード・アドバンテージの面でも優位に立った。
やがてクネオは、《荒廃の工作員》に望みを託した。スピリット・トークンの群れを越えて攻撃できるのはこいつだけだ。
しかしそれは叶わなかった。行弘は《突然の衰微》を抱えており、クネオの希望の光を遮ったのだった。
クネオはなおも攻撃の手を用意しようともがくが、《黄金牙、タシグル》の攻撃により、その後数ターンで勝負は決したのだった。
クネオ 1-2 行弘
4 《湿地の干潟》 4 《新緑の地下墓地》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《神無き祭殿》 2 《草むした墓》 2 《活発な野生林》 1 《森》 1 《平地》 1 《沼》 1 《地盤の際》 1 《寺院の庭》 1 《森林の墓地》 -土地(24)- 4 《タルモゴイフ》 4 《復活の声》 4 《包囲サイ》 4 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー(16)- |
4 《コジレックの審問》 4 《流刑への道》 4 《思考囲い》 3 《突然の衰微》 4 《未練ある魂》 1 《真面目な訪問者、ソリン》 -呪文(20)- |
3 《虚空の杯》 3 《石のような静寂》 2 《原基の印章》 2 《潮の虚ろの漕ぎ手》 1 《盲信的迫害》 2 《大渦の脈動》 1 《ナイレアの弓》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
4 《墨蛾の生息地》 3 《霧深い雨林》 3 《新緑の地下墓地》 2 《繁殖池》 2 《森》 2 《ペンデルヘイヴン》 2 《樹木茂る山麓》 1 《吹きさらしの荒野》 -土地(19)- 4 《ぎらつかせのエルフ》 4 《貴族の教主》 4 《荒廃の工作員》 1 《呪文滑り》 1 《ヴィリジアンの堕落者》 -クリーチャー(14)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《古きクローサの力》 4 《変異原性の成長》 4 《巨森の蔦》 2 《ひずみの一撃》 1 《手練》 2 《使徒の祝福》 2 《野生の抵抗》 4 《強大化》 -呪文(27)- |
1 《ドライアドの東屋》 3 《自然の要求》 2 《払拭》 2 《呪文貫き》 2 《よじれた映像》 3 《呪文滑り》 1 《野生の抵抗》 1 《屍肉の呼び声》 -サイドボード(15)- |
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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