- HOME
- >
- EVENT COVERAGE
- >
- プロツアー『ローウィンの昏明』
- >
- 決勝戦で楽しさを発見する
EVENT COVERAGE
プロツアー『ローウィンの昏明』

決勝戦で楽しさを発見する
2026年2月7日
クリストファー・ラーセン/Christoffer Larsenは、プロツアーを楽しくしてしまうマジックプレイヤーである。
週末、300人を超える競技プレイヤーが出場権を得て、雪をものともせずに「プロツアー『ローウィンの昏明』」に集った。会場にはあらゆる種類のマジックプレイヤーがいた。30年以上にわたる競技の歴史を経た今となっては、参加者の名簿は実に長大となる。人間電卓のような者もいれば、型破りなデッキビルダーもおり、一筋縄ではいかない競技マジックのベテランもいる。これらすべてがプロツアーをプロツアーたらしめる要素であり、だからこそ30年を経た今でも、世界中で何千何万というプレイヤーがプロツアーという夢を追い続けているのである。
ラーセンは、一般に「最強プレイヤー」と聞いて想像するタイプとは異なるマジックプレイヤーである。フランク・カーステン/Frank Karstenのように数字の専門家でもなく、cftsoc(レイ・ジャン/Rei Zhang)のようなコンボの天才でもない。だがマジックプレイヤーとしての彼は、思考もプレイも素早い。長いプレイラインを短時間で捌き、未知の盤面や難しい戦闘を乗りこなし、さらに気さくな会話まで続けられるのである。
話は冒頭へ、プロツアー『ローウィンの昏明』の決勝へと戻る。ラーセンが、すでに輝かしいマジックの歩みの中でも最大の一戦に臨もうとして席に着いた場面である。プロツアー・トップ8の緊張感は、どれほど頑強な殻であっても割ってきた。文字どおりスポットライトが照らされ、トップデックのたびに観衆が息をのむ、マジック・サンデーのステージに匹敵するものはない。私は、2時間以上にわたり、対戦内容以外の言葉がほとんど交わされないプロツアー決勝テーブルに同席したことがある。次の競技プレイの機会、あるいは長く語り継がれるマジックの伝説が懸かっていることを理解し、プレイヤーが集中し持てるすべてを注ぎ込む姿も見てきた。
だが、ラーセンと、チーム「Sanctum of All」の注目選手トニ・ポルトラン/Toni Portolanによるプロツアー『ローウィンの昏明』決勝戦は、その正反対であった。
「試合が始まる前から、パパ世代とかベビーブーム世代のプロツアー決勝戦だって冗談を言っていたんだ。決勝で当たったトニは子どもが2人いる父親で、他にも優先すべきことがあるんだ」とラーセンは笑った。「僕らはとにかくリラックスしていてね。あるゲームで僕が彼の手札を公開させた後、彼はその手札を表向きのままプレイしていたくらいだ。本当に本当に大きなものが懸かった決勝なのに、リラックスできた決勝戦になったのは最高だった。プロツアー決勝戦で『キッチンテーブル・マジック』をやる気がある人は、誰だって尊敬できるよ。」
プロツアーにおけるラーセンの存在感を示すやり取りの1つは、まさにこれだ。この気さくなデンマーク出身プレイヤーは、2013年のグランプリ・マイアミでトップ8入りし、大舞台へとデビューした。そのトップ8にはマシュー・コスタ/Matthew Costa、ブラッド・ネルソン/Brad Nelson、リード・デューク/Reid Dukeといった顔ぶれもいた。そこからグランプリでの活躍が連なり、プロツアーへの足掛かりとなったのである。2013年から2019年までの6年間で、ラーセンは驚異のグランプリ・トップ8を11回積み上げ、ついに2017年のグランプリ・リヨンで、チームメイトのトーマス・エネボルドセン/Thomas Enevoldsen、ミカエル・ボンデ/Michael Bondeとともにリミテッド・イベントを制し、タイトルを手にした。
そしてプロツアーでの活躍が始まった。2020年、オンラインの「MTGアリーナ」イベント2つでトップ8入りしたことにより、彼が卓上と同じくらい「MTGアリーナ」の世界でも巧者であることが示された。加えて、「Magic Online Champions Showcase」イベントでもトップ8入りを果たしている。
しかし、ゲーム内でどれほど成功を重ねようとも、マジックは常に彼の情熱であった一方で、それだけがすべてではなかった。2020年から2022年にかけての3年間のトップフィニッシュなしの空白期間は、世界的な困難の影響だけではなく、ラーセンが人生の別の事柄、成長していく家族との付き合いに重心を置くことを選んだ結果でもある。
こうして話は、リッチモンドの決勝テーブルへと戻る。ここにいるのは、プロツアー決勝戦にいることだけでなく、そもそもプロツアーの場に立てていること自体がどれほど幸運かを、身をもって理解している2人の男である。ここ数年の出来事は、高額の懸かった競技マジックをプレイできることがいかに特権的であるかを思い出させた。そして新シーズン最初のプロツアーで最後に残った2人は、その一瞬一瞬を味わい尽くしたのである。
「実はスイスラウンドで当たって12分のデッキチェックが入ってたんだけど、その間ずっとマジック以外の生活の話をしていたんだ」とラーセンは振り返る。「僕にとっては家族が本当に大切だし、妻が子ども2人と家に残ってくれているから、この大会のために遠征できている。たった『花に口づけする』ためだけに、僕が世界を飛び回るのを許すなんて、妻は大きな勇気を持っているんだ。」
そして彼は花に口づけした。正確に言えば《Black Lotus》に、である。なぜなら今大会は、最上位の《アナグマモグラの仔》デッキが刺激的なデッキ群に手痛く叩きのめされ、トップ16に15種類もの異なるデッキが並び、マジック界をざわつかせたメタゲームとなった。そのうえで決勝は、どういうわけかそれまでのすべてを上回った展開となった。ポルトランとラーセンは全5ゲームを戦い抜き、スタンダードはエレメンタルの瞬き一つでレガシーの《最後の審判》ゲームへと変貌する可能性があり、紆余曲折と転換、そして終末の悪魔が待ち受けていた。
昨年、娘の誕生が迫っていたためにプロツアーを欠場し、その後世界選手権出場を僅かな差で逃したプレイヤーにとって、これはここまでのキャリアの、おとぎ話のような到達点である。
「とんでもない偉業だし、最高の気分だよ」ラーセンは優勝後の数日間を振り返りそう語った。とはいえ彼は、まだ十分に祝えてすらいない。プロツアーの写真撮影を終えたのが、帰国便に搭乗する約80分前だったからだ。「死ぬまでにやりたいことリストの最大の1つだし、個人的にも本当に大きい。でも、この先のキャリアの進み方が大きく変わるわけじゃない。今まで通り、チームとオンラインでプレイして、大きな大会に遠征する。もしトップ32に入って次へ進めた、というだけだったとしても、優勝した今と同じ姿勢と計画でいるよ。」
「でも、あのステージに立ってトロフィーを持ったときは、本当に気持ちよかった。ロータスに口づけするのは格別だったね。」
| 4 《不穏な浅瀬》 11 《沼》 2 《マルチバースへの通り道》 1 《地底街の下水道》 4 《湿った墓》 4 《グルームレイクの境界》 -土地(26)- 3 《終末の加虐者》 3 《苦難の収穫者》 4 《欺瞞》 4 《スーペリア・スパイダーマン》 -クリーチャー(14)- |
2 《脅迫戦術》 1 《大反目者の魔除け》 2 《死人に口無し》 2 《冬夜の物語》 3 《苦々しい勝利》 4 《報いの呪詛》 3 《食糧補充》 3 《限りない強欲》 -呪文(20)- |
2 《倦怠の宝珠》 4 《強迫》 1 《残虐爪の強奪》 2 《保安官を撃て》 3 《量子の謎かけ屋》 2 《魂標ランタン》 1 《否認》 -サイドボード(15)- |
『ローウィンの昏明』の発売はプロツアーのわずか2週間前であり、現代のプロツアー準備に割ける時間はほとんどなかった。さらにラーセンにとっては、それが二重に重かった。寝物語をせがむ幼児は、サイドボード・プランなど気にしないからである。
「最近は大会入りが遅くなっていて、チームに本当に頼っている。彼らにはとても感謝しているよ」とラーセンは説明した。「大会前の調整はオンラインでたくさんやっているし、プレリリースが大会の直前に来たのもあって、昔に戻ったみたいな感覚だった。チームがあるのは間違いなく大きな利点だ。うちのチームのスペイン勢が、講義、アナグマ、リアニメイトを意識してデッキを組んでくれた。それに、こっちのデッキがスペレメンタル・デッキに対してちゃんと戦えたのも、少し運が良かった。」
「大会に入る前から、僕は『《アナグマモグラの仔》は自分の好きなタイプのデッキだけど、今回は使いたくない』と言っていた。ミラーが好きじゃなかったし、前の週にトリスタン・ワイルドラルー/Tristan Wylde-LaRueが地域チャンピオンシップで勝ったデッキがすごく良さそうに見えた。大会の全員が同じ結論に至ったんだ。アナグマモグラ・デッキを倒せ、ってね。」
そして彼らはそれをやってのけた。《刻み群れ》であれ全体除去であれ、プロツアーの参加者の間で最も人気だった緑系デッキは1日目に大きく振るわず、結果としてフィールドは大きく開けた。その開けたフィールドを、ラーセンはディミーア加虐者デッキで切り裂いていった。このデッキには、《欺瞞》と《スーペリア・スパイダーマン》を狡猾に組み合わせて相手の手札を攻める要素があり、さらに《限りない強欲》によって、加虐者を解決した後に相手をライブラリーアウトさせる筋まで備わっていたのである。
プロツアーを経て変化していくスタンダードのメタゲームについて知るべきことは、今週のフランク・カーステン/Frank Karstenによる「Metagame Mentor」記事にデッキリスト込みでまとまっている。ぜひ確認してほしい。
ラーセンにとっては、次にチームと会える機会が待ち遠しい。そこで改めて祝福を受け取り、そしてようやく実感するのだ。自分はプロツアー・チャンピオンなのだ、と。
Won Pro Tour Lorwyn Eclipsed!!!
— Christoffer Larsen (@ChrisTheDaneLa1) February 2, 2026
Big daddy claims another
Thank you @CosmosMTG for carry!! pic.twitter.com/XlVwKck1Xo
「プロツアー『ローウィンの昏明』」で優勝!!!
ビッグ・ダディがまたしてもトロフィーを手に!
キャリーしてくれた@CosmosMTGに感謝を!
RANKING ランキング
NEWEST 最新の記事
-
2026.2.17インタビュー
決勝戦で楽しさを発見する|プロツアー『ローウィンの昏明』
-
2026.2.6トピック
2025年プレイヤー・オブ・ザ・イヤー 行弘 賢|プロツアー『ローウィンの昏明』
-
2026.2.6観戦記事
「プロツアー『ローウィンの昏明』」決勝戦|プロツアー『ローウィンの昏明』
-
2026.2.2観戦記事
プロツアー 『ローウィンの昏明』トップ8の注目の出来事|プロツアー『ローウィンの昏明』
-
2026.2.2トピック
「プロツアー『ローウィンの昏明』」トップ8プロフィール&デッキリスト|プロツアー『ローウィンの昏明』
-
2026.2.1観戦記事
プロツアー 『ローウィンの昏明』2日目の注目の出来事|プロツアー『ローウィンの昏明』




