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EVENT COVERAGE
プロツアー『タルキール龍紀伝』
第8回戦:Josh Utter-Leyton(アメリカ) vs. Samuel Black(アメリカ)
Tobi Henke / Tr. AOKI Chikara
2015年4月10日
本日最後、第8回戦のフィーチャーマッチエリアには、世界ランキングトップ25の二人が呼び出された。グランプリ10回、プロツアーで2回のトップ8を誇る世界ランキング9位の非凡なデッキビルダー、サミュエル・ブラック/Samuel Blackに対するは、グランプリで8回、プロツアーで5回のトップ8入賞を重ねた世界ランキング23位、ジョシュ・アター=レイトン/Josh Utter-Leytonだ。この週末で通算成績を積み上げる目論見だった2人だが、お互いにここまでの7回戦で既に2敗を喫している。
アター=レイトンはお気に入りの青黒コントロールに《龍王オジュタイ》のための白を散らしたデッキを使用している。対するブラックは革新的な「ハチの巣赤緑(Red-Green Bees)」だ。他の赤緑デッキの戦略に《召喚の調べ》を取り入れつつ、《スズメバチの巣》と《焙り焼き》で接死飛行トークンを5体出し、さらに《セテッサ式戦術》を続ける。
こんなの面白いに決まってる。
ゲーム
アター=レイトンが先手だが、マッチの最初と2番目と3番目のプレイはブラックが行った(《エルフの神秘家》、《森の女人像》、《クルフィックスの狩猟者》)。
タップイン土地を置くだけだったアター=レイトンは手早く行動に移る。《クルフィックスの狩猟者》には《シルムガルの嘲笑》。ブラックの次なる脅威、《紅蓮の達人チャンドラ》へは《英雄の破滅》、《嵐の息吹のドラゴン》にさらなる《シルムガルの嘲笑》。
ブラックは追加の《エルフの神秘家》と《スズメバチの巣》を送り出すが、特に何もできない。アター=レイトンに見せられていた《龍王オジュタイ》が戦場に降臨して脅威となる。ブラックは《スズメバチの巣》を《焙り焼き》して、ブロッカーとアタッカーを同時に手に入れる。昆虫トークンが攻撃を始めると、ブラックのターン終了時に《時を越えた探索》を唱えるアター=レイトン。
「《命運の核心》を、ドラゴン以外で」 アター=レイトンは宣言する。ブラックはクリーチャーと土地をたっぷりタップし、《召喚の調べ》でアター=レイトンを要撃する。「それは......解決です」 渋面で答えるアター=レイトン。ブラックは《囁きの森の精霊》を探しだして、5体のクリーチャーを予示する。そして返しのターンに、それら全てを攻撃に送りこむ。《龍王オジュタイ》でどれをブロックするか見当もつかないアター=レイトンはダイスロールで決めるが、表向きになったのは《スズメバチの巣》だ! 「ダメなブロックでした。」
アター=レイトンは持っていた《英雄の破滅》で予示クリーチャーを葬ってライフの残りは7、《精霊龍、ウギン》で昆虫トークンを一掃する。攻防が繰り返され、予示のうち《囁きの森の精霊》が表になって、残りライフは1だ。
ブラックは《歓楽者ゼナゴス》でトークンを生み出し、3体のクリーチャーで攻撃してプレッシャーをかけ続ける。《究極の価格》、《英雄の破滅》、そして一度も攻撃していないがブロッカーとして活躍する《龍王オジュタイ》がすべてを受け止める。ブラックは1ターン目以来のクリーチャーがいない状態に追い込まれ、《龍王オジュタイ》と忠誠度カウンターが11個の《精霊龍、ウギン》に直面している。
だがブラックのクリーチャー不在は短い間だった。「《龍王アタルカ》」と発声。
「どうぞ」
「ターン終了」
アター=レイトンがアンタップしようとした時に、ブラックはミスを悟った。「待った。《龍王アタルカ》の誘発型能力は強制だ。」と言って、《精霊龍、ウギン》へ5点ダメージを与えようとする。ジャッジがやってきて、ブラックは誘発忘れをしたものと判定を下し、巻き戻しを認めなかった。次のターン、《精霊龍、ウギン》の奥義がアター=レイトンのライフを8に、《陰鬱な僻地》が9に、最後に《忌呪の発動》が13にまで戻す。もう逆転の目はなさそうだ。
「いやー、壮大にやらかしたね。」とブラック。アター=レイトンは影響がそんなに大きくなかったと語る。「《時を越えた探索》を引けていたので、流れはこちらに来ていたでしょう。」
またもやブラックがゲームをリードするが、《森の女人像》、《クルフィックスの狩猟者》、《森の女人像》を2、3、4ターンに唱えただけで乏しい展開だ。5ターン目までに、ここまでタップイン土地を置き続けるアター=レイトンのライフを15に落とす。
何もプレイせずに5ターン目を返したが、ブラックは戦場に多くのカードを送り込んでおり、手札には《嵐の息吹のドラゴン》が控えていて、アター=レイトンの《命運の核心》を釣り出そうとしている。
アター=レイトンはかわりに《龍王オジュタイ》を送り出して、ライフは14。ブラックはターン終了時に《クルフィックスの狩猟者》へ《加護のサテュロス》を授与して6/6にし、さらに《嵐の息吹のドラゴン》を唱えて、パワーの合計10で攻撃。アター=レイトンはすべてを受けて4になる。
《龍王シルムガル》が《嵐の息吹のドラゴン》を奪う。ブラックは《歓楽者ゼナゴス》で戦力を増やし、2/4と6/6の《クルフィックスの狩猟者》、サテュロス・トークン、《エルフの神秘家》でフルアタックを敢行する。アター=レイトンは2/4を《龍王シルムガル》で、6/6を《龍王オジュタイ》でそれぞれブロックし、ライフは1に。
《命運の核心》がブラックのクリーチャーを一掃する。しかし、ブラックは《小走り破滅エンジン》で完璧な立て直しを図る。最初の攻撃は自身の《嵐の息吹のドラゴン》が、次の攻撃で《龍王シルムガル》がチャンプブロックし、アター=レイトンは接死持ちがダメージを与える前に《英雄の破滅》で落とす。そして......それ以上の回答を引けず。
「ものすごいデッキですね」 アター=レイトンは淡々と述べる。「心の底からデッキリストが見たいです。」
アター=レイトンが2枚の《啓蒙の神殿》を置いているうちに、ブラックは《エルフの神秘家》から《加護のサテュロス》を2ターン目に呼び出し、3ターン目に《紅蓮の達人チャンドラ》を続ける。しかし黒マナがないままゲームを始めたアター=レイトンは、ご存知の通りタップイン土地が大量に入っているにも関わらず、何事もないように3ターン目に《沼》を置いて《究極の価格》を唱え、次のターンには《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》から《思考囲い》と《英雄の破滅》を唱える。
ブラックは2体の《森の女人像》を戦場に送り込み、《命運の核心》ですべてを失った。ブラックはトップデッキし続けるしかできないのに対して、アター=レイトンは《予期》と《時を越えた探索》でより深く掘り進む。ブラックはアター=レイトンのドローに全くついていけず、《龍王オジュタイ》が決定的なものにする。アター=レイトンが手札にある数枚の打ち消し呪文を公開すると、ブラックはうなずいてカードを拾い上げて投了を示した。
「まだデッキリストを見せてほしいと思ってますよ。」 アター=レイトンは繰り返した。
アター=レイトン 2-1 ブラック
9 《森》 4 《山》 4 《奔放の神殿》 4 《樹木茂る山麓》 1 《マナの合流点》 1 《岩だらけの高地》 -土地(23)- 4 《エルフの神秘家》 4 《森の女人像》 4 《クルフィックスの狩猟者》 4 《スズメバチの巣》 1 《灰雲のフェニックス》 1 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 2 《囁きの森の精霊》 1 《嵐の息吹のドラゴン》 1 《龍王アタルカ》 -クリーチャー(22)- |
3 《焙り焼き》 3 《セテッサ式戦術》 4 《召喚の調べ》 3 《歓楽者ゼナゴス》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 -呪文(15)- |
3 《マグマのしぶき》 2 《引き裂く流弾》 2 《再利用の賢者》 1 《加護のサテュロス》 1 《灰雲のフェニックス》 1 《紅蓮の達人チャンドラ》 1 《歓楽者ゼナゴス》 1 《高木の巨人》 1 《嵐の息吹のドラゴン》 1 《囁きの森の精霊》 1 《小走り破滅エンジン》 -サイドボード(15)- |
4 《陰鬱な僻地》 4 《汚染された三角州》 4 《欺瞞の神殿》 4 《啓蒙の神殿》 3 《島》 2 《コイロスの洞窟》 2 《精霊龍の安息地》 2 《沼》 1 《溢れかえる岸辺》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(27)- 3 《龍王オジュタイ》 2 《漂う死、シルムガル》 -クリーチャー(5)- |
2 《思考囲い》 4 《シルムガルの嘲笑》 3 《予期》 2 《胆汁病》 2 《究極の価格》 1 《軽蔑的な一撃》 3 《英雄の破滅》 2 《解消》 2 《忌呪の発動》 2 《命運の核心》 4 《時を越えた探索》 1 《精霊龍、ウギン》 -呪文(28)- |
2 《思考囲い》 2 《胆汁病》 1 《否認》 1 《究極の価格》 2 《悲哀まみれ》 1 《忌呪の発動》 2 《龍王シルムガル》 2 《龍王の大権》 2 《黄金牙、タシグル》 -サイドボード(15)- |
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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