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プレイヤーズコンベンション横浜2025

インタビュー

チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド1 優勝者 堀 優太 選手インタビュー

瀬尾 亜沙子(撮影者:堀川 優一/瀬尾 亜沙子)

 

 前回より参加者が増え、回戦数も1つ多くなったチャンピオンズカップファイナル。群雄割拠のモダン環境の中でも、もっとも多くの参加者が選択したジェスカイ・ブリンクで優勝をはたしたのは、堀選手でした。「まさかこんなに勝つとは思っていなかった」とのことで、このあとマジック関係ではないご友人たちとの食事会が控えていたのですが、大幅に遅刻となってしまったそうです。

 そんな中ではありましたが、簡単にお話を伺いました。

 

――マジックはいつからやっているのでしょうか?

「2019年ごろです。別のカードゲームをやっていたんですが、コミュニティの人からEDH(統率者戦)に誘われたので。ただそれは京都に住んでたときで、その後地元の札幌に戻ってきたら、その時期EDHはあんまり盛んじゃなかったんです。EDHが立たないので、構築フォーマットをやろうということで、パウパー、スタンダード、レガシーと手を出していって……という感じでした」

――統率者戦は今もやっていますか?

「今はあんまりやらなくなりましたが、一応フルフォイルで組んでるデッキとかもありますし、機会があれば遊びますね。統率者は《永遠王、ブレイゴ》を長く使ってます」

――では、競技マジックはいつごろから?

「コロナ明け、いろいろな予選が始まったあたりですかね。今は予選1回でチャンピオンズカップファイナルに直通ですけど、前は店舗予選とエリア予選と2回あって、その予選にけっこう精力的に出てました。札幌のコミュニティの人たちと一緒に、みんなで権利取りに行こうぜという感じで」

――ちなみに、これまでの戦績などはありますか?

「大型大会は2回目くらいなんですけど……一応、晴れる屋札幌店の『○○神』は、各種フォーマットでひととおり就任したことはあります」

――おお、そうなんですか、いろいろなフォーマットを幅広くやられているんですね。

「そうですね、ひととおりさわってはいます。最終的にはそのときの競技フォーマットに集中するんで、今だったらモダンのシーズンが終わって、次はスタンダードに集中しないといけないんですけど」

 

――ふだんはお店で、オフラインでマジックをしているのでしょうか?

「オフラインがメインですけど、調整するときは『MTGアリーナ』も使ったりします。店で仲間と集まるほかに、オンライン上の通話で『こんな感じの環境になってるよ』みたいな、情報交換もしてました。今回もそうですね」

――そういうやりとりを経て、今回ジェスカイ・ブリンクを選んだ経緯を伺えますか?

「その通話で、たぶんボロス・エネルギーがけっこう強いから上のほうにいるんじゃないか、じゃあそれに強くて無難なデッキはやはりジェスカイブリンクかなと。アグロ系のデッキに対して、1マナ除去を多めにとって有利にしようという考え方で調整しました。最初はインスタントの介入手段が全然足りなくてアグロにひき殺されてたので、《電気放出》を4枚入れて、《虹色の終焉》とか《時を解す者、テフェリー》とか、ソーサリー系を減らした感じです」

――実際にその目論見が当たりましたか?

「そうですね、繁殖鱗に対しても有利でしたし、イゼット果敢にもそれで勝ってきた形なので」

――札幌勢としてはもう1人、半藤さんがトップ8に残られましたが、違うデッキでしたね。

半藤 進之介選手

 

「彼も回してたんですけど、あまりジェスカイ・ブリンクが好きじゃなくて、ほかのデッキをいろいろ試して最終的にグリクシス親和にしたと聞きました」

――なるほど。堀さんはジェスカイ・ブリンクお好きですか?

「僕はジェスカイカラーがもともと好きだったので……最初はマナベースがあんまりきれいじゃないなと思って敬遠してたんですが、回してみたら見た目よりいい感じだったので、食わず嫌いでしたね」

――先ほど、配信に出た時に、札幌勢でおそろいの服を着てくるはずだったという話がありましたが。

「そうですね、札幌にほかにもグループがあって、その人たちがパーカー作ってたんで、俺たちのグループでも作ろうぜって話になったんです。草案はできてるんですけど、いつまでたってもできなくて。今日僕と半藤さんがトップ8に入って、宣伝する絶好のチャンスだったんですけど、フイになってしまって」

――じゃあお披露目は、次に出るプロツアーですか?

「僕と半藤さんで着ていくことになるのかなと……」

――フィーチャーに映るようにがんばってください。チーム名は何ですか?

「『札幌人』です。もとは"さっぽろんちゅ"だったんですけど、なんか"さっぽろじん"になりました」

――ではチーム「札幌人」のユニフォームは、お楽しみにということで。2日間の戦績を教えていただけますか?

「昨日は7-1で、負けたのは細川侑也さんのヨーグモスです。今日はエスパー御霊に初戦で負けて、3-1-1でした。最終戦は半藤さんとIDしてます」

――札幌の仲間とIDして2人ともTOP8入りですか、いい話ですね。この2日間で、特に印象的な試合はありますか?

「けっこうひどいミスプレイがあって……初日8戦目、相手がボロス・エネルギーで、《空の怒り》を撃って対処しないといけない盤面だったんです。手札に《大梟の小夜曲》……クリーチャー打ち消し呪文があったから、青マナを立てて《空の怒り》をプレイしないといけなかったのに、とっておいた青マナが宝物・トークンだったので、《空の怒り》で一緒に流れて行ってしまったという……それがなければ、盤面に裏面の《キキジキの鏡像》が2枚あったんで、すぐ勝てたのに、《火の怒りのタイタン、フレージ》が速攻で走ってきて誘発で両方とも落とされて、そのせいで延長までもつれこんで……延長4ターン目でなんとか差し切って勝てたんですけど」

――危なかったですね。

「そこで負けてたらここには座っていなかったです」

 

――今回得た権利が、まる1年後の来年の世界選手権ということで、かなり遠いですが……。

「全然実感がないですね、そもそも2日目に残るとも思ってなかったですし。いつも0-3ドロップとかしてきてたので(笑)『初日7-1もするんだ』とびっくりしてました」

――勝因は何だったんでしょう。

「まあ、全体的に運が良かったですね。当たり運、引き運……僕がミスしても相手もミスがあって、結果的に勝てたりとか。準決勝もだいぶツイてて勝ってる形なんで」

――賞金の使い道は考えていますか?

「いや、勝つとは思ってなくて、全然意識してなかったので……次は京都のチャンピオンズカップファイナルに向けてスタンダードの準備をしなければいけないのと、プロツアーの旅費とかもあるので、そういう資金になると思います」

 

――プロツアー出場は初めてとのことで、ぜひ意気込みなどを。

「本番に弱いタイプなので、ほんとは今日もフィーチャー席に座りたくなかったんですが(笑)、本番に強くなれるように頑張りたいと思います」

――今日フィーチャーで優勝しましたから、さすがにもう大丈夫では?

「今日は吹っ切れた感じで、自分でもよくやったなと思っています」

――おめでとうございます、どうもお疲れさまでした!

 次のチャンピオンズカップファイナルは3月14・15日、久しぶりの京都で開催されます。その前には12月13・14日に同じパシフィコ横浜でエターナル・ウィークエンド、来年1月31日には神戸でマジック大戦祭などもあります。また観戦の目玉としては、まもなく12月5~7日に世界選手権が控えています。それではまた次のイベントでお会いしましょう!

配信のインタビューにも出演

 

決勝の最中に会場は閉まってしまいましたが、外の廊下で半藤選手をはじめとした仲間たちがずっと待っていてくれました

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