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プレイヤーズコンベンション横浜2025

インタビュー

世界選手権出場選手たちの意気込み

大久保 寛


 2025年12月5日~7日、第31回となるマジック:ザ・ギャザリング世界選手権が開催される。地域チャンピオンシップやプロツアーでの上位入賞者だけが招待されるという競技プレイヤーの"到達点"であるこの大会に、今年は16名の日本人選手が出場権利を得ている。

 長い道のりの果て、ようやく手が届く舞台。挑戦者それぞれが積み重ねた時間と覚悟が、たった3日間の勝負に凝縮される。

 ここでは、長年競技プレイヤーとして世界選手権の舞台を夢見てきたプレイヤーの一人である堀 雅貴、次代の競技プレイヤーの旗手として耳目を集める森山 真秀、そしてこれまでにも世界を舞台に戦ってきたプロプレイヤーの行弘 賢の3人へ、2週間後に迫る世界選手権へと向けた意気込みを聞いた。

堀 雅貴(チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド2 準優勝)

──あなたにとって世界選手権出場とはどういった意味を持っていますか?

「出場できるのは嬉しいですし、競技プレイヤーとして心から光栄に思うのですが、正直まだ実感がないというのが正直なところです(笑)世界選手権の権利を取ったのは今から9ヶ月も前のことなのですが、まだ心のどこかでピンときてないです」

──世界選手権に向けてどういった準備をなさっていますか?

「いろいろとデッキを考えたりはしているのですが、自分はメタゲームの初動を読むのが苦手で、デッキビルダーというタイプでもないので、明日のスタンダードオープンの結果を見てから本格的にスタンダードの練習に取り掛かる予定です」

──最後に世界選手権への意気込みを教えてください

自分が弱者であるという自覚を持って臨むつもりです。何しろ世界のトップが集まる大会ですから、どう考えても自分がその中で上位ということはありえないと思ってます。ただ、こうして与えられた機会は自分にとってとても大きなチャンスでもありますから、ぜひみなさんにも応援いただけたらありがたいです」

森山 真秀(2024-2025シーズン精算マッチ・ポイントによる権利授与)

──あなたにとって世界選手権出場とはどういった意味を持っていますか?

森山「年間で最も格式が高いトーナメントで、参加できるだけでも名誉なことです。プロツアーよりもさらに一層がんばりたい、と思いますね」

──世界選手権に向けてどういった準備をなさっていますか?

森山「中村 修平さんや井川 良彦さん……みんなが森山ジャパン(※1)と呼んでいるアレですね。ありがたいことに、あのチームに参加させていただいて練習しています。Discordで意見交換をしたり、リアルで集まってドラフトをしたり……『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』が発売されたので、来週からさらに本腰を入れていきます!」

※1:森山ジャパン/Moriyama Japan……プロレベルトーナメントに向けて調整を行う日本人のチーム(現在のメンバーは中村 修平、井川 良彦、原根 健太、森山 真秀、井上 徹、増門 健太、小笠原 智明、堀内 真と行弘 賢の9名)。公式配信でブルナー実久が発した「森山ジャパン」の語が由来。

──最後に世界選手権への意気込みを教えてください

森山「優勝します!と言いたいところですが、レベルの高い大会ですからね……トップ8が視野に入るように、と言いますか、そのライン上に入れるといいなと思います。チームのレベルが高いので、みなさんと一緒にがんばりたいです」

行弘 賢(プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』優勝)

──あなたにとって世界選手権出場とはどういった意味を持っていますか?

行弘「出たいと思って毎年出場できるようなものでもないですから、やっぱり(世界選手権は)特別ですよね。僕自身、プロツアーに参加できるようになって結構経ちますが、世界選手権に出場するのは今回が4回目ですから。強いプレイヤーしかいない舞台でプレイできるのは光栄です」

──世界選手権に向けてどういった準備をなさっていますか?

行弘「『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』も出たので、今は朝起きてから夜寝るまでずっとMTGアリーナでスタンダードとリミテッドの練習をしています。普段は仕事をしていますが、世界選手権のためにお休みをいただいて。森山ジャパン(※1)のメンバーとも意見交換をしながらがんばってます」

──最後に世界選手権への意気込みを教えてください

行弘「今年はプロツアーで優勝できたこともあり、現在自分がプロの中で最もプレイヤー・オブ・ザ・イヤー(POY)に近いんです。なので、POYを獲れるくらい勝ちたいところです……いやぁ、意識しすぎない方がいいことは分かってるんですがね(笑) せっかくの機会なのでね!」


 ここでは全16人の権利獲得者のうち3名のみにスポットを当てたが、彼らの言葉からは、“この舞台に懸ける強い思い”がにじみ出ていた。

 舞台の幕開けは目前に迫り、プレイヤーたちは今、そして残る時間を精一杯に駆け抜ける。ここまで辿ってきた道のりの意味と価値を証明できるかどうか――それは世界選手権の結果が語ってくれることだろう。

 競技マジックのその頂で戦う日本の挑戦者たちの姿を、ぜひ見届けてほしい。

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