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マジック・スポットライト:FINAL FANTASY

準々決勝:増門 健太(新潟県) vs. ハビエル・デル・ピノ・ポベダノ(スペイン) ~《魂の仕切り》が織りなす業~
約2,200名が参加した「マジック・スポットライト:FINAL FANTASY」(以下、マジック・スポットライト)も15回戦を終えて、残すは8名まで絞られた。楽しくも苛烈であり、いくつもの激戦を潜り抜けてきた選りすぐりのプレイヤーによる決勝ラウンドが遂に始まる。
準々決勝では、予選ラウンドを1位で突破した増門 健太(新潟県)と、海外からの挑戦者ハビエル・デル・ピノ・ポベダノ/Javier Del Pino Povedano (スペイン)の一戦をお届けしたい。

増門 健太
チャンピオンズカップファイナル シーズン2ラウンド1で優勝して以降、コンスタントにトップ8に入賞している増門 健太。本大会でも堂々のスイスラウンド1位抜けと、安定感を見せつけてくれている。
増門が使用するのはディミーア・ミッドレンジ。先のプロツアー『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』で赤単アグロが優勝を果たしたことで、その増加が見込まれた。大まかな選択肢は赤単アグロか、赤単アグロに勝てるデッキの二択であり、後者を選択。赤単アグロの増加とは反比例するように、イゼット果敢は減少するとの読みから軽い除去と《分派の説教者》で赤に強いディミーア・ミッドレンジを持ち込んだとのことだった。
特徴的なカードとしては《カルシの帰還者》があげられる。増門は同カードを4枚採用しており、絆魂によるダメージレースを強く意識していることが伺える。過去には使用していた時期もあるとのことで、その知見が生きたかたちである。

ハビエル・デル・ピノ・ポベダノ/Javier Del Pino Povedano
はるばるスペインから長期休暇を利用してやってきたハビエル。アジア各国を旅してきたと語る彼を待ち受けいたのは、マジック・スポットライトでのトップ8入賞であった。
普段はモダンを主戦場として遊んでいる彼からは真剣な中にもマジックを楽しむ余裕が感じられる。
スタンダードで結果を残せたのはひとえにその慧眼によって選びだされたデッキもあるだろう。使用するアゾリウス全知はスタンダード唯一のコンボデッキであり、各マッチアップの理解度を超越した決まったら勝ちとなる戦略である。最速4ターンキルを狙える同デッキは、手札破壊か打ち消し以外では干渉のしようがないのだから。
トップ8からはデッキ公開性となる。これによりわずかに採用されたカードのケアを巡って、待つか攻めるかなどのプレイへの選択肢が生まれる。おそらく焦点となるのは《アブエロの覚醒》を巡る駆け引きと、その先に待つ《マラング川の執政》による攻防だろう。

共にトップ8に入れたことを讃えながら、遂に準々決勝の火ぶたは切って落とされた。
ゲーム1
「I play first」と先手を宣言する増門。ややクロックの弱い手札をマリガンすると、さらに悪化してしまったようで痛恨のダブルマリガン。ハビエルは《全知》のある手札をキープ。
《遠眼鏡のセイレーン》、《群青の獣縛り》と打点は低いが、クリーチャーを並べていく増門。対してハビエルは土地をおき続けるのみでターンを返す。
さて、3ターン目。ここで増門は《遠眼鏡のセイレーン》を対象に地図トークンを起動し、《カルシの帰還者》を墓地へと落とす。ダメージクロックは2点から3点へアップし、ハビエルの残ライフは16へ。

ハビエルのファーストアクションは増門の4ターン目のエンドに《群青の獣縛り》を対象にプレイした《魂の仕切り》。
あくまでも自分のターンは動かず、次の増門のターンエンドに《巻きつき捕らえ》で《全知》を墓地へ落とすことに成功する。
そのまま自分のターンに入ると、《フラッドピットの大主》を兆候コストを支払ってプレイ。増門はスタックして《永劫の好奇心》をプレイするも、《喝破》によって阻まれる。
やむを得ず増門は追放領域から《群青の獣縛り》プレイするも、タップアウトとなってしまう。
これを受けてハビエルが動き出す。《アブエロの覚醒》で《全知》をリアニメイトすると、《マラング川の執政》で《フラッドピットの大主》をバウンスから再プレイ。手札を整えつつ、同時にボードも形成していく。

しかし、思ったようにドローがつながらなかったようで増門へとターンが返ってきた。望外のチャンスに増門は《フラッドピットの大主》へ《喉首狙い》をプレイ。
ここへ《魂の仕切り》が突き刺さり、追放領域へと逃れらえてしまう。増門は《分派の説教者》を追加する。
再プレイされた《フラッドピットの大主》が悪夢の始まりだった。《乱動するドラゴンの嵐》でドローを進め、《マラング川の執政》で両カードを出し直す。
デッキが掘り進まれ、コンボ完成が決定的となると、増門はゲームを畳んだ。
増門 0-1 ハビエル
ゲーム2
このマッチアップにおける増門に求められるのは要求値は高く、素早いクロックと妨害手段の両方である。その意味で増門は最高のスタートを切る。《大洞窟のコウモリ》でハビエルの手札を白日の元にさらしたのだ。
- 《アブエロの覚醒》
- 《マラング川の執政》×2
- 《乱動するドラゴンの嵐》
- 《敬虔な命令》
- 《平地》×2
この中から《敬虔な命令》をキャッチ。対してハビエルは《乱動するドラゴンの嵐》で《アブエロの覚醒》を墓地へ。
増門は《分派の説教者》を続けてクロックを拡充するも、またしてもハビエルの《魂の仕切り》が突き刺さる。
増門は《分派の説教者》2枚目で応じるも、土地が3枚で止まってしまう。ハビエルは力強く《ミストムーアの大主》からトークンを展開。
続くターンに増門は《分派の説教者》でアタックし、ハビエルは意を決して昆虫・トークンでダブルブロック。増門は頷き、両者は相打った。無事4枚目の土地を引き、4マナアンタップでターンを返す。

動きのないハビエルをよそに、ターンエンドに今度こそはと《永劫の好奇心》をプレイし、着地を果たす。
いよいよ増門のドローエンジンが始動する。まずは《大洞窟のコウモリ》とともに5点のダメージを刻み、2枚ドロー。ライフは増門22-13ハビエル。ここで増門は悩みながら、再度フルオープンでターンエンド。
ハビエルは6枚目の土地をセットすると、《マラング川の執政》をプレイし増門のクリーチャー2体をバウンスしようとするも、ここへ《ティシャーナの潮縛り》が突き刺さる!
地上こそ止まったものの、淡々と《大洞窟のコウモリ》が上空を駆け抜けていく。潤沢な手札を前に増門は《遠眼鏡のセイレーン》を続け、3マナ構えてエンド。
ここでハビエルは《一時的封鎖》をプレイするが、待ってましたとばかりに増門は2枚目の《ティシャーナの潮縛り》で応え、ボードの形成を維持。このターンエンドに《ミストムーアの大主》がクリーチャー化を果たすが、間に合うだろうか。
増門はアタックし、ハビエルの残ライフは10へ。ここで大胆に動き、《群青の獣縛り》×2からの《除霊用掃除機》でボードと墓地の両面に睨みをきかす。

ハビエルもここが勝負どころと、《マラング川の執政》2枚目をプレイし《永劫の好奇心》と先程の《マラング川の執政》を縛っていた《ティシャーナの潮縛り》をバウンス。上空にブロッカーを配備しつつ、《ミストムーアの大主》と《マラング川の執政》のアタックにより増門のライフは一気に11まで減少した。
《マラング川の執政》2枚目で一気にボードのリード、ダメージレースを追いつかれてしまったかたちの増門。《強迫》をプレイするも、そこに待ち構えていたのは何と3枚目となる《マラング川の執政》。

さらに間の悪いことに土地が伸びず、《ティシャーナの潮縛り》を構えつつ《永劫の好奇心》を出し直す余裕がない。《群青の獣縛り》2体でアタックし、《ミストムーアの大主》と《堂々たる撤廃者》を無力化。3マナ残して《ティシャーナの潮縛り》を構える。
ハビエルも慎重にダメージレースを計算し、《マラング川の執政》1体のみでアタックし、増門は《遠眼鏡のセイレーン》でチャンプブロック。《マラング川の執政》3枚目をプレイするも、ここは予定調和的に《ティシャーナの潮縛り》が合わされる。
ターンが返ると増門は《喉首狙い》で《ミストムーアの大主》を除去しつつ、《群青の獣縛り》2体で《マラング川の執政》をサイズダウン。
ブロックがないことを確認すると《群青の獣縛り》は《悪夢滅ぼし、魁渡》へと忍術を果たし、ハビエルの残ライフを3とする。さらに《悪夢滅ぼし、魁渡》は起動型能力で《マラング川の執政》を縛り、《群青の獣縛り》を出し直すビッグターンとなった。
ハビエルは昆虫・トークンで《悪夢滅ぼし、魁渡》を落とし、《ミストムーアの大主》2枚目をプレイ。
増門は《群青の獣縛り》2体のみでアタックし、《マラング川の執政》を縛りつつ《永劫の好奇心》をプレイしてドローを加速。残るライフを1とした。
ダメージソースを考慮し《マラング川の執政》を縛った増門だが、これにより《堂々たる撤廃者》の常在型能力で、ハビエルのターン中一切の妨害を封じられてしまう。ハビエルは慎重にボードを見つめ、《魂の仕切り》で麻痺カウンターを置かれていた《マラング川の執政》を追放から再プレイし、《群青の獣縛り》2体を増門の手札へと戻すことで、刹那の1ターンを捻出する。
そのうえで《ミストムーアの大主》と昆虫・トークン4体で攻撃を宣言すると、増門残るライフは2となった。

ハビエルの場には3体の《マラング川の執政》と昆虫・トークンの肉の壁。
さしもの増門でもこの状況を打開する手段は持ち合わせていなかった。
増門 0-2 ハビエル
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